組織風土の診断ツールとして、離職率・定着率の計算方法をご紹介いたします。非常に簡単なものです。


 離職率・定着率の計算方法は特に定まった算式はありません。単純には、離職率は、(離職者数)÷(全従業員数)ですが、ここでは、期中に入社した者が期中に離職することも想定して、次のような計算式にします。


 離職率 = (当該年度の離職者数)÷(期首従業員数+期中入職者数)

  (定着率は、1-離職率)


 これを用いて、ある小規模企業のモデルを示してみます。


離職率


 この企業は、元々、特に定着率が良いわけではありませんが、3年ほど前から離職者数が増えています。補填採用を行って要員確保をしましたが、業績が急激に悪化し、直近年度においては回転率が50%と極めて高い数値を示しています。これは、2年で全ての従業員が入れ替わる場合と同じ数値です。


 離職率の異常値は、組織に何らの異常があることを示します。その異常が直近年度の業績悪化と関連するであろうことが仮定できます。


 離職率は、どれくらいが健全値であるかということに絶対的な基準はありません。組織活力の沈滞を防ぐ意味でも、ある程度の新陳代謝が必要な会社もあると思います。しかし、 一般的には、低いほうが安定した会社でありESも高いでしょう。


 従業員の回転率があまりに高いと、入退職に係るコストが高くつきます(案外、正確に把握出来ていない企業が多い)。従業員が在職中に獲得した能力・経験・暗黙知の資産を失ったことも意味します。(補填採用する人員が、それを上回る資産となれば良いが、根本的な問題を解決しない限り同様のことが繰り返される)


 このモデルは小規模ですが、もっと母数の大きい場合は、年齢階級別、勤続年数階級別にも見ていくと良いです。


(2017.10.25 補足削除しました。)