2017 4月 30 05:00:42 育児・介護休業法の改正 カテゴリ: ライフプラン こんにちは。東京の介護専門税理士の藤尾智之です。◆平成29年1月より改正 介護休業法 育児・介護休業法の改正のうち、ここでは介護休業法の改正について説明します。 介護休業法とは対象労働者の要介護状態(負傷、疾病等で2週間以上の期間、常時介護を必要とする状態)の家族の世話をする為の休業です。対象範囲は配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫です。祖父母、兄弟姉妹、孫については今回の改正で同居・扶養要件が外されました。◆改正のポイント①介護休業は対象家族1人につき通算93日までを原則1回に限り取得⇒改正では、対象家族1人につき通算93日までを3回を上限として分割取得する事ができるようになりました。②介護休暇は1日単位での取得⇒改正では半日単位(所定労働時間の2分の1)での取得が可能になりました。(介護休暇とは、対象家族の介護を行う労働者は1年に5日、対象家族が複数いる場合は10日まで休暇を取得できる)③介護の為の所定労働時間の短縮措置(選択的措置)は介護休業と通算して93日の範囲内で取得⇒改定では介護休業とは別に利用開始から3年の間で2回以上の利用が可能になりました。④介護の為の所定労働時間の制限(残業の免除)は対象家族1人につき介護終了までの期間について利用出来る事となりました。⑤介護休業取得者への不利益取り扱い禁止に加えて嫌がらせ防止義務ができました。◆仕事と介護の両立には その対策 今回の介護休業法の改正は育児・介護休業法ができてから20年余りたち、ほとんど改正をしていなかった介護休業法の内容を大幅に見直し現状に即した内容に改定し、年間10万人と言われる介護離職者を防止するための措置を考えています。仕事と介護の両立は個人的な問題でもありますが日本全体の課題と言えます。今後介護に直面した従業員が出てきても仕事と両立しながら社内の仕事が回るよう考えて行く必要があるでしょう。現状を把握した上で相談できる態勢を敷き、介護休業制度や自治体のサービス等周知に努める事が必要でしょう。柔軟な働き方が可能となる社内制度は、社員研修等で従業員皆で話し合って討議を進めるのが良いでしょう。
2017 4月 28 05:00:45 【時事解説】インフレになれば、企業行動が変わる? その2 カテゴリ: ライフプラン こんにちは。東京の介護専門税理士の藤尾智之です。デフレ下で求められる企業行動は次のようなものでした。モノの価格は将来安くなるのですから、資産購入は慎重に行うことが求められます。資金を借り入れて資産を購入すると、借入金額は変わらないのに、購入した資産の価値は下がってしまいますから、そのままでは損になってしまいます。この場合、重要なのは購入した資産が値上がりするかどうかではなく、その資産が将来どれほどのキャッシュフローを生み出すかです。生産設備で使う土地であれば、建設した工場が稼働して獲得するキャッシュフローですし、製品や商品等の在庫であれば、顧客にまで届け獲得できるキャッシュフローです。獲得できるキャッシュフローと取得価額とを見比べて資産購入の可否を判断することになります。デフレ下で要請される企業目標は資産をできるだけスリム化しながら、キャッシュフローを極大化すること、といっていいでしょう。 さて、政府、日銀の思惑通り、インフレに転換したとして、企業行動を以前のように変えるべきなのでしょうか。答えは、もちろん「否」です。デフレの時代にようやく根付いたキャッシュフロー経営を崩してはいけないと私は思います。 資産購入について重要なのは資産の使い方であり、使用により生み出すキャッシュフローです。どんな時代でも、企業が資産を購入する理由は、漠然としたマクロ的値上がり期待ではなく、企業が合理的に予想できるミクロ的なキャッシュフロー予測に基づいたものでなければなりません。(了)(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
2017 4月 26 05:00:18 【時事解説】インフレになれば、企業行動が変わる? その1 カテゴリ: ライフプラン こんにちは。東京の介護専門税理士の藤尾智之です。政府・日銀はデフレ脱却に懸命ですが、なかなか思うようにインフレには転換しません。ここでは、仮に政府・日銀の思惑通り、インフレに転換したとして、企業行動に与える影響を考えてみます。 デフレ時の説明に入る前にかつてのインフレ時を考えてみましょう。1950年代から80年代の、いわゆる高度経済成長期からバブル期までです。 インフレですから、購入した土地は値上がりしていきます。すると、新たに取得した資産を元手に銀行から資金を借り入れ、土地を購入します。これを繰り返すことにより、資産は急速に拡大します。確かに、借入金が増大し、金利もかさみますが、土地は値下がりしないという「土地神話」の下、土地の評価益の拡大の方がはるかに大きくなるのですから、借入金の増大など気にせず、銀行が貸してくれる限り、土地を中心にひたすら資産を購入し続けるのです。資産を購入するのは、使うからではなく値上がりするからです。 ところが、デフレになると様相が一変します。購入した資産の価格は下がるのに、当然のことながら負債の借入金の額面は変わりません。担保である資産価値が下がると、銀行では保全不足が生じます。こうなると、銀行は豹変します。かつて、甘言を弄して融資を迫った銀行は、手のひらを返したように強面に返済を要求します。キャッシュのほとんどを資産の購入に振り向けていた企業は、借入金返済に四苦八苦するようになります。(つづく)(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
2017 4月 24 05:00:06 【時事解説】農家民泊による地域振興 その2 カテゴリ: 経営 こんにちは。東京の介護専門税理士の藤尾智之です。では、農家民泊の活用によって具体的にどのような地域振興の取組みが行われているのでしょうか。そこで、島根県における農家民泊の取組みについてみていきましょう。 島根県では、2005年に「しまね田舎ツーリズム推進協議会」を設立して以降、農山漁村での生活や体験、民家での宿泊体験を通じて、島根県の自然、風土、歴史、文化などに触れ、地域の人たちと交流を楽しんでもらう活動である「しまね田舎ツーリズム」を展開しています。島根県ではこうした制度的な後押しによって、一定の条件を遵守することを前提に、しまね田舎ツーリズム推進協議会に登録した者については、農山漁村の体験に関わる調理や宿泊の提供をできるようにしました。こうした流れを受け市町村でも民泊の推進が図られています。 また、農家民泊の受け入れによって、地域の空港の利用者を増やす取組みも行われています。島根県西部では「しまねのおうちへ泊まりに行こう」という1泊2日の農家民泊体験プログラムが期間限定で実施されています。このプログラムの参加者のうち、島根県益田市に立地する萩・石見空港を利用した方に対し、片道3千円、往復6千円の運賃助成を行うという取組みが萩・石見空港利用拡大促進協議会の主催で行われています。 このように、行政機関や交通インフラを巻き込みつつ、農家民泊の推進によって都市部と農山漁村との交流を促進し、農家民泊の担い手にも生きがいを感じてもらうことで地域活性化を図ることが期待されているのです。(了)(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)