2013年司法試験合格者による「合格の秘訣」座談会 第9回

商法の秘訣


この記事は、2013年司法試験の最終合格者に「司法試験の合格の秘訣とは何か」を伺った座談会を文字に起こしたものです。
これから数回に分けて本ブログに掲載していきます。今後の学習のご参考になれば幸いです。



■座談会出席者のプロフィール■
Hさん 男性、東京大学法科大学院既修コース修了、受験1回目で最終合格。
Mさん 
男性、慶應義塾大学法科大学院既修コース修了、受験1回目で最終合格。
Wさん 
男性、早稲田大学法科大学院未修コース修了、受験2回目で最終合格。
Yさん 
女性、中央大学法科大学院既修コース修了、受験1回目で最終合格。


司会:次は商法にいきましょう。商法は実務的な問題が出ると一般に言われていますね。

M :商法は条文がとりわけ大事な科目だと思います。条文が1000近くあるので、その体系を頭に入れて、問題にあたったらどのあたりの条文なのかすぐ発見できるようにするのが大事なのかと思います。

司会:Yさんは?

Y :商法は、うちの学校に大杉先生という方がいらして、私は商法が大嫌いだったんですが、2年生の必修クラスの商法が大杉先生で、すごく商法が好きになったので、大杉先生の本はおすすめです。リークエと『事例で考える』ですね。

司会:すごくわかるようになったきっかけはありますか?

Y :条文の読み方をちゃんと教えていただいたので、とっつきやすくなりました。条文はやはり大事だと思います。

司会:Wさんは?

W :『事例で考える会社法』と、『ロースクール演習 会社法』をやって、そこに出てくる条文を自分の中でしっかりもっておけば何とかなるかなと思っていました。あんな膨大な条文を全部見られませんよね。そこに出てくる条文さえ知っておけば基本的にはどうにかなるだろうと思っていました。

司会:Hさんは?

H :同じですね。リークエを読んで条文を確認して、事例を考えて、とやっていました。実は商法は苦手意識があって、知らない議論がたくさんあるし、本試験の問題を見ても全然知らない問題も当然のように出題されているので嫌でしたね。商法もゼミを2つとっていたんですね。それをとっているとある程度先生のリアルな問題意識がちょっとわかってきたりするんですよね。ですので、苦手な科目はゼミをとる、というのもいいのではないかと思います。

司会:なるほど、そうかもしれませんね。ここで若干脱線しますが、最新の問題意識というのが出てきていますが、予備試験の受験生でも1人で勉強しなければならない人や、いい先生が少ないロースクールにいる受験生はどうやって身に付ければいいんでしょうか。

H :それは、普通は基本書や演習書に書いてありますので、そのレベルを知っていれば問題はないと思います。僕みたいなポンコツはゼミをとって……。

一同:いやいやいや……(笑)。

H :いやいや、本当に。実際には基本書や演習書をしっかりやれている人のほうが少ないので、それを潰していくだけで十分だと思います。

(つづく)