『司法書士試験 リアリスティック③ 民法Ⅲ[債権・親族・相続]』をお買い求めの皆様へ


『司法書士試験 リアリスティック③ 民法Ⅲ[債権・親族・相続]』をお使いいただき、ありがとうございます。
平成28年12月19日に最高裁の決定があり、判例が変更され本書の記載の一部に変更が必要となりましたので、お知らせいたします。

これまで、相続開始によって、預金債権は当然に分割されるとされていました(最判昭29.4.8など)。
しかし、平成28年12月19日、最高裁大法廷の決定があり、判例が変更されました。

【決定要旨】(最大決平28.12.19)
「共同相続された普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権は、いずれも、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる」

判例変更がされたのは、以下のような理由によります。
相続人の一部に特別受益がある(ex. 生前贈与を受けている)場合に、預金債権が遺産分割の対象とならないと、特別受益がある相続人が不当に多くの財産を得る(預金は法定相続分に従って承継することができる)ことになってしまいます。
また、もとから預金ではない現金(ex. 自宅にある金銭)は遺産分割の対象とされていました。現金は、遺産分割の調整用に使うことが多いからです。預金と現金を区別しているのは、債権かどうかです。預金は銀行に対する債権ですが、現金は債権ではありません。
しかし、預金も遺産分割の調整用に使えるのは同じです。それに、預金が債権であっても、「家に現金を置いておくのが危ないから銀行に預けておこう」という感覚の人が多いですから、現金とあまり変わらず、現金と区別する意味はありません。

この判例変更に伴い、本書の以下の箇所につきまして、変更をお願いいたします

 

 

該当箇所

変更前

変更後

P469

/下から4~6行目

ex1. 預金債権は当然に分割されます(最判昭29..8)。――(中略)――多いのですが……

預金債権は、当然には分割されることはありません(最大決平28.12.19)。預金も遺産分割の調整用に使えることや、預金は債権であっても、「家に現金を置いておくのが危ないから預金している」ということも多く、下記cf.の現金とあまり変わりがないからです。

P470/3行目

ex2.

ex1.

P470/7行目

ex3.

ex2.

 


松本 雅典
辰已法律研究所