新宿バルト9、おっさんたちによるトークショーといえば、アンツィオOVAの特別上映会を思い出すファンも多い筈。

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スーパーバイザー・軍事考証の鈴木貴昭さん

鈴:今日も見た顔がいっぱいいるんですが。いつものメンツ(笑)

軍事評論家の岡部いさくさん

岡:私は外野の応援団みたいなものですが、一歩間違えば今日はフ◯テレビの某番組に出なきゃならないところでした(笑)
※岡部氏は2年前のトークショーでも北の方が騒がしく、同じような状況でした。
詳細は↓
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鈴:岡部さんがガルパン関係のイベントに出るとミサイルが発射されちゃうんですか!?(笑)

イタリア軍研究家・吉川和篤さん

吉:劇場版ではイタリアと日本戦車の監修をやらせていただきました。何よりも、興行収入10億円突破、おめでとうございます!

杉:皆様本当にありがとうございました!

フィンランド軍研究家・斎木伸生さん

斎:*&*&%$#””””##&(&%%$$〜!

斎:フィンランド軍研究家ってなんだそれ?とかネットで書かれてました(笑)。

トーク開始を前に、杉山さんより改めて劇場版大ヒットについての御礼が

杉:期待度ランキングが最下位のときもありました。ここまで支えてくださった皆様に御礼申し上げます。ありがとうございました!

吉:まさか30回以上も観に行くことになるとは思ってもみなかった。

鈴:70万人も入ったといっても、ここにいる人たちがかなり貢献しているのでは?(笑)

ー劇場版の感想は?ー

鈴:今回は珍しく台本がある!

杉:仕切りは廣岡(宣伝プロデューサー)なのでしっかりとしています。私がやる場合は絶対に台本なんて作りません(笑)

なので、まだまだ見逃しているシーンも多いのだとか。

イギリス戦車が出てきて大満足だそうです。


杉:劇場でやるからにはTVシリーズを凌駕するものを見せなければならないと思っていました。


これまでは映画に戦車が出てきても2〜3種類程度で、しかも張りぼての模型で動かない、ということもしばしば。単純に動かしづらく、動いても泥だらけで格好悪い役回りが多い中で、ガルパンのように世界各国の戦車が爽快に動き回る作品はこれまでに存在し得なかった。

吉:まさに戦車映画の「ジュラシックパーク」!

岡:見たいものが全部出てくるんです。

杉:戦車映画の「スパロボ(スーパーロボット大戦)」かな?夢の対決(笑)

斎:そんな格好良いものだったらBT-42は出ません!
アレが出るなんて前代未聞。おそらく次の世紀まで出ることはないでしょう(笑)
フィンランドやソ連にはまだまだいっぱい変な戦車がありますよ〜!

ー劇場版における各々の役割についてー

斎:私の担当はフィンランドのもの。BT-42に詳しいのは某模型メーカーを除けば日本に2人程しかいないんです。他には冒頭に出てきた謎のトラックやら謎の上陸用舟艇やら、水島監督から資料はないのかと聞かれるんですが、無いんですよ(笑)。実はよくわからないまま登場させているんです。あとはロシア戦車の資料などもいくつか提供しましたね。
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あのゴンドラ付きの謎トラックは1944年頃に、ヘルシンキの路面電車の会社が架線を直すために使っていたものなんです。

岡:現代の高所作業車ですね。実はとある雑誌の依頼でそのトラックについて調べているんですが、米国のリパブリック社に関係があるという写真が出てきてそれが1920年代で・・・

杉:みんなポカーンとしちゃってますね(笑)。まあ、説明されなきゃ分からないですよね。

フィンランド軍事研究家のユッカ・プルホネン氏も分からなかったそうで、ネットのサイトで捜索願のような形式で情報を募ったそうです。

杉:斎木さんはなぜフィンランド軍を研究しようと思ったんですか?

斎:偶然「冬戦争」という本を読んだことがきっかけで、その戦争の有様に魅入られてしまって。それ以来ですね。

杉:吉川さんには今更「何故イタリア?」とは聞きませんからね(笑)

吉:(笑)。今回は出てくる戦車がCV33のみでしたので、特に新たな設定は追加していません。

吉:日本の戦車は専門家の佐山二郎さんから八九式やチハの内部資料など未発表資料を大量にお貸し頂きました。その縁もあって劇場版のチケットをプレゼントしたところ、「素晴らしい!」と。70歳を超えている方なんですよ(笑)。そんな方が手放しで称賛してくださっています。

杉:その言葉だけでもスタッフにとっては勲章ですね。

岡:私は特に何もやってないのですが・・・

杉:これからオーディオコメンタリーが待ってますから(ニッコリ

鈴:私の仕事はTVシリーズの時から変わらずですが、監修の方がたくさんいらっしゃるので少しは楽ができるかなと思っていたら、毎日毎日確認や問い合わせのメールが来て大変でした(笑)。しかし今回は「萌えよ!戦車学校」著者の田村尚也さんがスタッフとして参加してくれたので、作業を分担できたのでだいぶ助かりました。

吉:田村さんは理論派でして、例えば「CV33がひっくり返ったときはキャブレーターに燃料がいかないので実際はエンジンが回らないんですが、どうしますか?」と聞かれたりも(笑)

鈴:どうでもいいよ!(笑)

杉:大丈夫、ちゃんと回ってましたから(笑)

鈴:そんなわけで、影の功労者のひとりという気がしますね。

杉:今回はひとつの国に一人の監修者が付いているという状況で、ちょこっとだけ出てきたサンダースのC-5Mスーパーギャラクシーにも監修者(二宮茂幸さん)が。



吉:コックピットのコンソールなんかも全部オリジナルに忠実。アリサが見ているノートPCの画面も実機のデータを模して入れているそうです。

杉:小物ひとつについてもきちんと資料をあたるという途方もない作業だったわけです。何度も足を運んでくださっている方は、見る度に新しい発見を楽しんでいるんだと思います。一度だけではとてもじゃないけれど消化しきれない情報量がありますからね。


杉:八九式のリベットの形状もTV時の五角形から六角形になっていたり。

吉:八九式は左側にピストルポートのスリットが無かったのが劇場版ではちゃんと付いていたし、実は履帯とフェンダーの間にもピストルポートがあるんですが、それも付いているんです!校庭で戦車に別れを告げるシーンでよく見てみたら、ちゃんと付いてた(笑)

杉:見えないっつーの!(笑)

岡:実際の戦車だったら多分画面には映らないんですよね。

杉:リベットなどレンダリング時間短縮の関係で削っていたものが増えています。

鈴:リベットの数自体も増えてたりしますからね。

杉:私が一番呆れたのは、ファイアフライ。TVシリーズ登場のものはサンダースによる改造品なので、本物より車体が短い。でも劇場版ではちゃんと車体が伸びている。何も言ってないのにですよ?

鈴:杉山さん、TVのときに散々文句言ってましたよね?(笑)

吉:グラフィニカの柳野啓一郎さんたちはきっちりやるんですよ。

※このあたりの詳細はアーマーモデリング2月号で特集が組まれています。

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※画像引用元:http://heppoko.ss-bass.oops.jp/?month=201110


杉:迷彩はレンダリングの都合でTV版ではマウスしかできませんでしたが、やはりチハはあの迷彩がいい、と。全部コピペすればいいのに全部迷彩のパターンが違うんですよね。

吉:4種類くらいありますね。さすがに22両登場したときはコピーもあったでしょうけど(笑)
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鈴:監督、知波単好き過ぎですよね。いつのまにか名前が付いている子が増えてる。他の学校なんてまだ名前がない子が多いのに。
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斎:実は継続も一人増えてるんです。最初の設定ではミカとアキの2人だけでした。
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杉:セリフは少なかったけどミッコはいい味出してましたよね。

斎:「天下のクリスティー式、舐めんなよー!」

鈴:実はカンテレで戦車をコントロールしてるんですよね?

斎:あの音色で乗員に指示を出しているのかも(笑)



斎:「雪の進軍」が弾けるように奥さんに調律してもらいました。
※カンテレは開放弦なので、曲調毎の調律が必要

杉:劇中でも「サッキヤルヴェン・ポルカ」の転調があるので、その都度調律を変えています。

サッキヤルヴェン・ポルカについてはこちらをご参照ください。
※本当にあった!
Säkkijärven polkka:Military use(wiki)

During the Continuation War, the Finnish Army discovered that the retreating Soviets had scattered radio-controlled mines throughout the re-captured city of Viipuri. These mines were set off when a three-note chord was played on the frequency the radio was tuned to, causing three tuning forks (of which each mine had a unique combination) to vibrate at once.[citation needed] Once the Army and Yleisradio experts discovered how the mines worked, a Yleisradio mobile transmitter was brought to Viipuri, and Vesterinen's polka was played on the same frequencies the mines used. They played the song continuously from August 1941 until 2 February 1942, about 1,500 times.[citation needed]

フィン語wikiにも同様の記述がありました。数字と固有名詞が一致。

ー劇場版で「これはやり過ぎだろう」と思ったところは?ー


杉:作戦会議といえば、まほの後ろにエニグマ(暗号機)が置いてあったり(笑)
※このあたりの小ネタはガルパンFebriほか、当ブログ記事にも無数にあります!
関連記事:【ガルパン】みんなは気付いた?劇場版小ネタ集その1

吉:BDが出たらみんなコマ送りで見るでしょうね。



吉:本当に細かいところまで描かれている。ゴルフ場のシーンでも水平懸架コイルスプリングまで動いているところなどは、自宅のTVでは見えないんじゃないでしょうか(笑)
吉:カール・ヴォルフのネタが分かったのは公開当初は日本に数人しかいなかったのではないでしょうか。歴史的経緯からイタリア好かれていない名前だけに、アンチョビの台詞で言わせる時には、ちょっと嫌な顔をさせた言い方にしては?という提案をしたのですが、却下されました(笑)。彼だけは唯一実名が出ていますね。
※TVシリーズではグデーリアン、ヴィットマンなども出てきましたがフルネームでは、という意味かと。

他にもコンパス作戦など、実際の作戦名をもじった分度器作戦(OVA)、T型定規作戦といった言葉遊びもたくさんあって面白かったですね。またボコミュージアムで触れられていたイタリア軍の第10軍というのは、そのコンパス作戦でボコボコにされた部隊だったりします。

杉:そういう小ネタをまとめて、解析する本とかを出せると面白いですね。

斎:私はフィンランド語を採用していただいただけでもう満足です。
※パンツァー・フォーをフィンランド語でいう場合の「Panssari eteen」(パンサレテン)がゲーム内(おそらく戦車道大作戦)に出てくるそうです。

斎: 「ガールズ&パンツァー」をフィンランド語で言うと「Tytöt ja Panssari」(ティトット ヤ パンサリ)となります。是非覚えてください。

杉:他の小ネタだと、監修の二宮さんによるとC-5Mはサイズ的にも大洗の戦車を収容できるそうです。ただし、燃料満載では重量オーバーで離陸ができないのだとか。

杉:45分は長いかなと思いましたけど、あっという間ですね。2時間のコメンタリーでも全く問題ないですね。

吉:今回は前哨戦だったんですね(笑)

斎:まだ大分ネタを残してるのですが・・・上陸用舟艇の話もまだしていないし!
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鈴:またロフトプラスワンかどこかで・・・

杉:朝までですか?(笑)

ー最後にひとこと!ー

斎:ガルパンには人生にとって大切なことが詰まっているんだよ!

吉:ガルパンという作品に参加させていただいたことが本当に嬉しいです。劇場版鑑賞は現在30回程度ですが、40回くらいは観に行きそうですね(笑)

岡:センチュリオンは強いし、ダー様は大洗に勝っちゃうし、ローズヒップはおバカだしで(笑)、すごく楽しい映画でした。

鈴:こんな素晴らしい作品になったのは皆様とスタッフの方々のおかげです。本当に有難うございました!



記事内容は一部、下記媒体記事を参考にしています。併せてご覧くださいませ。