2016年09月30日

10月戦線映画あり!

気が付けば、もう10月。夏映画も少なければ、秋映画も少ない。一人勝ち作品のおかげで映画業界は盛り上がっていても、さて映画ファンはそこまで盛り上げってるの?という疑問が残っちゃうこの淋しさ。その淋しさが10月も続いちゃうのかな〜。
てな訳でそんな10月の注目作をピックアップです。

【10/1〜】
●『SCOOP!』
評判がイマイチ上がらないのは誰のせい?
●『Cutie Honey-Tears-』
2度も実写化するのは誰のため?

【10/7〜】
●『ジェイソン・ボーン』
ついにあの男が帰ってきた!

【10/8〜】
●『グッドモーニングショー』
アメリカはシリアスに、日本はコミカルに同じ題材を描きます。
●『少女』
湊かなえ先生作品を三島有紀子監督が描きます!
●『淵に立つ』
第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査員受賞作品。

【10/14〜】
●『永い言い訳』
西川美和監督・原作・脚本作品。
●『何者』
三浦大輔監督、朝井リョウ先生作品。

【10/21〜】
●『スタートレック BEYOND』
エンタープライズ号、三度発進!

【10/28〜】
●『インフェルノ』
ロバート・ラングドン教授も三度走ります!
●『手紙は憶えている』
アトム・エゴヤン監督、最新作。

【10/29〜】
●『デスノートLight up the NEW world』
あんな危険なノートが6冊に増えちゃうなんて…。
●『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』
まだ揺れ動くか、かつて世界一恥ずかしい格好で走った乙女は!

てな訳で10月の注目作品は
『ジェイソン・ボーン』
『スタートレック BEYOND』
『永い言い訳』

深夜らじお@の映画館の10月も…どうなるんでしょうか?全く見当がつきませぬ。

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acideigakan at 01:11|PermalinkComments(1)TrackBack(0)clip!映画予告編 

2016年09月25日

『ハドソン川の奇跡』

ハドソン川の奇跡ハドソン川の奇跡。それはNYをトラウマから救った功績。
2009年1月15日、NYのハドソン川に不時着水したUSエアウェイズ1549便。乗客乗員155名の命を救ったチェズレイ・サリー・サレンバーガー機長は奇跡を起こした英雄なのか、それとも乗客を危険に晒した容疑者なのか。
わずが96分。全く無駄のない映画が語る事実がここにある。

離陸から数分で鳥の群れと衝突し、NY上空で両エンジン停止という危機的状況に陥った時に機長が下した判断は正しかったのか。
命を救われた乗客乗員は口を揃えて正しかったと言う。航空会社はCPのシュミレーションを根拠に疑念を抱く。本当はラガーディア空港に戻れたのではないか。またはテターボロ空港に着陸出来たのではないかと。

いつの時代も、どこの組織も、現場を尊重するという意識が薄れると必ず不幸な結果を招く。にも関わらず、上層部は現場の意見よりも机の上にある報告書を重視する。全ては不確かな感覚よりも、明確な数字が自分や組織を守ってくれると思い込んでいるために。

ただ数字は人が打ち込み計算することでしか存在出来ないもの。だからこそ、打ち込む人間が何かを見逃せば全く違った結果しか弾き出さない。ましてや、数値化できない現場の意見ともなれば、それはもはや最重要視されるべきものでもなくなる。

チェズレイ・サリー・サレンバーガー機長は調査を受ける度に何度も悪夢に苛まれる。もし判断を間違っていたら、1549便は街中に墜落していたのではないか。
そしてその悪夢の映像をクリント・イーストウッド監督は観客に否応なしに何度も見せる。2001年9月11日のトラウマを呼び起こさせるために何度も、様々な角度から見せる。

英雄ともてはやされた男が苦悩する。容疑者として疑いの眼差しを向けられた男が苦悩する。
ただNY市民は、アメリカ国民は彼を決して容疑者とは見ない。彼を英雄として称賛する。
それは決して155名の命を救っただけの機長ではなく、9.11の再来を阻止した英雄として見ているからだ。

もし1549便がNYの街中に墜落していたら、誰もが9.11の再来だと言っただろう。それどころか、街中を飛行機が低空飛行しているだけでも、9.11のトラウマが再発する人々もいただろう。

だが機長は信頼するジェフ・スカイルズ副機長を始めとするクルーと共にハドソン川に不時着水するという決断を下し、それを成し遂げた。その英断にフェリーや警備隊を始めとするNY市民がすぐさま救助に向かった。
それはNY市民が自らの力と絆であの忌まわしきトラウマと戦った姿。前例のない災難に戸惑うことなく戦った男を全力でサポートした美しき姿。

前例のない災難はコロンブスの卵と同じ。現場にいる者以外は単純なことを見逃してしまう傾向が強い。
公聴会でのパイロットによる中継シュミレーションには欠けていた、前例のない災難に対する一瞬の判断という35秒。わずか208秒、たった3分28秒で155名の命を、NYの街を救う英断を迫られた時、その35秒を見逃すことがどれだけ英雄に対する愚行であるか。優先事項を間違えた者はCPには計算できない「人的要因」の重要性を軽んじていた己を恥じるべきだろう。

コクピット内での録音を聞き終わった機長は、席を外すと静かに、そして強くジェフ・スカイルズ副機長を誇りだと称賛する。
ハドソン川への不時着水は決して一人の英雄が成し遂げた奇跡ではない。多くの英雄が集い、手を取り合い、成し遂げた功績であるからだ。
そしてその功績も155名の命を救ったものだけではない。NY市民が自らの手であの忌まわしきトラウマと戦った功績でもあるのだ。

スティーブン・スピルバーグ監督は『ブリッジ・オブ・スパイ』でアメリカが持つべき本当の強さと美しさを描いた。
その同じ年に、こちらも同じくトム・ハンクス主演でクリント・イーストウッド監督がアメリカが持っている強さと美しさを描いた。
こんな偶然もまた奇跡ではないだろうか。

深夜らじお@の映画館はこれほど無駄のない静かで強い映画を見たことがありません。クリント・イーストウッド監督、恐るべき86歳!

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2016年09月18日

『怒り』

怒り彷徨い続けるこの怒りをどこへ向ければいいのだろうか。
2007年に起きたリンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件を基軸に、感情の中でもっともエネルギーを要する「怒り」に焦点を当てることで重厚なドラマへと昇華させたこの作品。
感情を向ける相手がいない「怒り」に苛まれた時、人はその想いをどこへ向かわせるのだろうか。

娘を叱れない槙洋平が住む千葉の漁港。風俗街から連れ戻した愛子の目に活力が戻れば戻るほど気になる、娘が愛した田代という素性の知れない男の過去。
忙しさで充実したゲイの藤田優馬が住む東京。余命僅かな母親の笑顔を取り戻したいと思えば思うほど気になる、静かな優しさで包み込んでくれる直人という男の過去。
米軍基地問題という現状に戸惑う小宮山泉が住む沖縄。島人の想いを知れば知るほど欲したくなる、田中というバックパッカーとの息抜きの時間。

血文字で「怒」と書かれた八王子の殺害現場に漂う、不快感しかない異様な湿度が千葉では雨による湿度へと変わる、東京では汗臭さによる湿度へと変わる、沖縄では海風がもたらす湿度へと変わる。
しかも松山ケンイチ、綾野剛、森山未來を見事に融合させた手配写真が、いくら犯人の後ろ姿が森山未來そっくりでも、左利きや3連黒子などの身体的特徴があっても、否応なしに彼ら3人に疑いの目を向けては、その湿度がもたらす不快感が様々な「怒り」という感情へと変化していく。

娘が離れて行く淋しさ、他の女と密会する嫉妬、強姦される悔しさ、他の人のようには生きていけない疎外感、現実逃避する弱さ、立ち向かえない情けなさ、コントロール出来ない衝動。
そのどれもが「怒り」へと変化する前段階の感情ばかり。でもその「怒り」は感情をぶつける相手の有無に関わらず、最終的には必ず弱い自分自身に向けられるものばかり。

感情をぶつける相手がいる「怒り」は抱いた希望が失望へと変わることに対する恐怖から来るもの。
感情をぶつける相手がいない「怒り」は誰も守れない情けない自分自身に対する後悔から来るもの。
共に弱い自分に対する「怒り」が自分自身の中で永遠に彷徨い続ける。その行き場を見つけ出すまで。

だからこそ、借金取りから逃げる人生しか送れない男を疑ってしまう。余命僅かでも胸を張って生きていた男を疑ってしまう。自分の味方になってくれると言ってくれた男を疑ってしまう。素性が知れないという一方的な理由だけで。
誰も助けてくれないから逃げるしかないという抑えるしかない怒りも、あと少ししか生きることが出来ないという静かな怒りも、誰もが自分をバカにするという屈折した怒りも知らずに。

でも相当なエネルギーを要する感情である「怒り」は、他の感情へと変化させることも出来る。
信じることが出来なかった男を迎えに行くという愛に、信じてくれてありがとうと言ってくれた男を同じ墓に入れてあげるという優しさに、信じて裏切られた男への殺害という復讐に。
贖罪という想いを経て、「怒り」は様々な感情へと変化していく。

ラスト、「怒り」をぶつける存在が全て自分の周りから消え去った少女が海に向かって叫ぶ。泉を演じる広瀬すずの表情が行き場のない「怒り」というエネルギーの向かう先を雄弁に示す。

負けてたまるか!

深夜らじお@の映画館は誰もが持つ弱さと怒りを優しいカメラワークと音楽で包み込んだこの映画を傑作と称します。

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2016年09月17日

『映画 聲の形』

聲の形この“こえ”を伝えたくて。その“こえ”を聞きたくて。生きるのを手伝ってくれる大切な人だから。
簡単な想いなのに伝えられない。簡単な言葉なのに聞き取ってあげられない。コミュニケーションはそんな後悔の繰り返し。なのに、どうしてそんなコミュニケーションを続けるのだろうか。
これはそんな疑問に温かい涙で素直に応えてくれる秀作です。

我々は知らないものに対して興味を抱く。でもその興味が薄れると無理解が無邪気の仮面を被る。そして聴覚障害でさえ個性だと言う言葉を生み出す。
ただそれは能天気な言葉だ。もしくは本当の苦しみを経験していながら、それに見合う言葉選びが出来ない人の言葉だ。

始めは誰もが聴覚障害の西宮硝子に興味を抱いていた。でもその興味が薄れると少女は仲間外れにされてしまう。補聴器が何度も壊される。やっと出来た友達も奪われる。
けれど健常者である我々はその少女がそんな時どんな想いで「ごめんなさい」を繰り返し、笑顔を絞り出しているのか想像すらしようともしない。

しかしガキ大将からイジメの対象へと格下げされ、母親の右耳から流れる血と170万円の痛みを知り、なおかつ自殺まで考えた石田将也にはその西宮硝子の想いが分かるはず。
だから5年前のことを謝りたいと手話まで覚えた。彼女のために佐原探しから母親のケーキ作り、みんなで遊園地デートまで積極的に動いた。彼女への贖罪や好意以外にそんな優しさがあったからなのだろう。
そんな彼の周囲にビッグフレンド永束を始め、ツンデレ結弦、天邪鬼な植野、偽善優等生の川井、逃げ腰の佐原、マジメな真柴も集まってきたのはある意味当然の話。

一方でそんな石田将也との再会で彼の手話に驚く西宮硝子の表情は、まるで知らない異国の地で日本語が話せる現地人と出逢ったかのようで、それがどれだけ嬉しいことなのか、年頃の少女にとって出来れば隠したいであろう補聴器を見せてしまうポニテへと髪型を変える勇気を絞り出した経緯と同様に、それもまた我々が想像すらしてこなかったこと。

だからこそ、やっと「話の出来る」友達が出来た西宮硝子が石田将也と距離を縮めたいと動けば動くほど、無邪気な仮面を捨てた無理解が邪魔をする現実にも心が痛くなる。
彼女はただ耳が聞こえないだけで他は普通の女の子。永束クンが背の低い男の子であるように、石田将也が他人の顔をまともに見れない男の子であるように、何かしら欠点を持っている我々と同じ存在なのにと。

でもここで一つのことに気付く。彼女もまた我々と同じなのだから、彼女も変わらなければならない現実があるということ。
ただ自分を変えるには時間が掛かる。その長時間に耐え得る勇気もいる。支えてくれる存在もいる。
なのに、その支えてくれる存在が大切になればなるほど、また苦しみが増える。自分が大切な人を苦しめているのではないかと。自分に生きている意味はあるのかと。

それが自殺という選択肢を石田将也や西宮硝子にもたらす。でも自殺の無意味さを知った少年が少女に生きる意味を自らの命の危険を顧みずに伝える。決して浴衣姿で見た花火を人生最後の思い出にはさせないという彼の想いが彼女に自殺を選択したことへの後悔を、大切な人に生きていてほしいという想いは自分だけが持っているものではないことを彼女に伝える。

だから西宮硝子も必死に変わろうとする。そんな2人の想いに神様がいつもの橋で再会を用意してくれる。「きみに生きるのを手伝ってほしい」という言葉を伝える再会を。

自分の価値は誰が決めるのか。それは自分にとって大切な人が決めてくれる。
自分と一緒にいるとみんな不幸になるという理由で死を選ぶ人がいるが、同時に自分と一緒にいるだけで幸せになる人もたくさんいる。その人たちが自分の価値を決めてくれる。

石田将也には、西宮硝子には、学校に行き始めた結弦がいる。願掛けの髭が似合わない永束がいる。手話を覚え始めた植野がいる。千羽鶴を折ってくれた川井がいる。優しい笑顔で待っていてくれた真柴がいる。もう逃げたくないという佐原がいる。

そして顔を上げれば、周囲の声が聞こえる。様々な顔が見える。それらがいつか自分にとって大切な存在となる日がやってくる。それを知れば、自然と涙が頬を伝う。生きていることがこんなにも素晴らしいことなのだと。

コミュニケーションは自分の想いを伝えるもの。相手の想いを知るもの。相手のことを想う優しさを表現するもの。そして生きていることを実感するもの。
ただその手段が時に日本語になり、時に外国語になり、時に手話になるだけ。つまり、手話も日本語や英語、フランス語と同じ言語なのだ。

そう思うと石田将也と西宮硝子の今後を描かない優しさが心地いい余韻になる。パンフレットに描かれた2人の笑顔が凄く幸せそうに見えてくる。
けれど想像してしまう。きっと石田将也は悩むだろう。あの時「月」と聞き間違えた西宮硝子の想いを考えると、次は自分から想いを伝えねばならないと。そんな想像もまた心地いい余韻となるこの作品は今年の10本に入る素晴らしき映画です。

深夜らじお@の映画館はビンタと土下座を経て親友となったママコンビの今後にも興味津々です。

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2016年08月31日

9月戦線映画あり!

オリンピックが終わるや否や、あっという間に夏が終わってしまい、気が付けばもう秋映画の季節。夏休み映画が少なかったこともあって、まだ秋映画って感じがしないんですよね〜。
それでもやってくる秋映画。覚悟して当たらねば!
てな訳でそんな9月の注目作をピックアップです。

【9/1〜】
●『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』
何年ぶりの続編だ?

【9/10〜】
●『グッバイ、サマー』
あのミシェル・ゴンドリー、自伝的青春ストーリー。
●『スーサイド・スクワット』
悪役部隊が主役とは、DCコミックも遊びますなぁ。
●『超高速!参勤交代 リターンズ』
まだまだ走りますか!

【9/17〜】
●『怒り』
吉田修一先生原作、李相日監督作品。これを待っていたのです!
●『映画 聲の形』
京都アニメーションの新作来たる!
●『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』
スティーブン・スピルバーグ監督最新作!

【9/22〜】
●『ある天文学者の恋文』
ジュゼッペ・トルナトーレ監督最新作!

【9/24〜】
●『歌声にのった少年』
パレスチナ発、音楽映画。
●『白い帽子の女』
ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー・ピットの共演作をアンジェリーナ・ジョリー・ピット監督が描きます!
●『ハドソン川の奇跡』
クリント・イーストウッド監督最新作!

【9/30〜】
●『ラスト・ウィッチ・ハンター』
ヴィン・ディーゼルが魔女狩りします!

てな訳で9月の注目作品は
『怒り』
『映画 聲の形』
『ハドソン川の奇跡』

深夜らじお@の映画館の9月は…どうなるんでしょうか…?

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acideigakan at 23:00|PermalinkComments(2)TrackBack(1)clip!映画予告編 

2016年08月28日

『君の名は。』

君の名は。オリジナルストーリーを期待したのにアナザーストーリーを見せられるとは…。
我々新海ファンが待ち望んでいるのは余韻を残してくれる大人のオリジナルストーリーであって、一般ウケするような既視感のある作品ではない。ましてや、絶対不可侵である過去作品の余韻にまで足を踏み入れてしまうとは…。
残念でなりませぬ!

まずこの作品が面白いかどうかと聞かれれば、間違いなく面白いと答えることが出来ます。ただしそれは新海誠監督作品に対する思い入れがない方に向けての答えのみ。

というのも、この作品には『秒速5センチメートル』でも描かれた駅の風景、『言の葉の庭』でも描かれた都会にそびえ立つエンパイアステートビルのような建物に加え、ユキノ先生の登場など、新海誠監督の過去の作品を見た者にとってはすぐに分かる描写が数多く存在し、それらがプロデューサーを始めとするスタッフたちの新海作品に対する愛だと感じることが出来る一方で、その描写の多さが逆に作品に対する愛の浅さを感じさせると同時に、本作のオリジナリティを薄めることになってしまっているんですよね。

ですから自然と物語も新海作品に似通ってしまっているも勿体無いこと。ただでさえボクたちのドラマシリーズ「放課後」のように男女の入れ替えと、『イルマーレ』のような時間軸のズレた交流で既視感だらけの物語に、まるで『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』の後日談を描くような瀧と三葉の互いを想い、互いを探すストーリー。

これは個人的な想いなのですが、新海監督作品の良さは『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』に代表されるように、見た人の数だけ後日談があるというような鑑賞後の心地いい大人の余韻が素晴らしいのであり、そこに何らかのアナザーストーリーを当てはめてしまうと、その大事な世界観が汚されてしまうのです。つまり新海作品ファンにとっては御法度の領域なのに、それをやっちゃっているのがこの作品。なので当然そこにスタッフの新海作品への愛の浅さが感じられてしまうのも残念無念。

ただ相変わらず風景描写は美しいうえに、奥寺先輩だけでなく、髪を切った三葉も大人になった三葉も凄くべっぴんさんに描かれていたのは素晴らしかったですね。
ただその三葉と瀧が現実世界で初めてなのに再会するシーンで2人の間に電車が通るって…。それは『秒速5センチメートル』の世界だけにしてくれよ。

てな訳で新海監督作品なのに踏切がメタファーになることのない世界観のお話なんですから、せめて三葉の下校シーンで踏切を描くようなこともしないでくれ!こういうところにも新海ファンとしての愛の浅さを感じずにはいられない、新海ファンとしては残念な作品でした。

深夜らじお@の映画館は宮水三葉のような女の子は大好きです。しかも瀧にとって年上っていうのがいいですよね〜。

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2016年08月26日

『ゴーストバスターズ』

ゴーストバスターズこちらの方が断然面白いよ!
32年ぶりに主人公たちを全員女性に変えてリブートされた新生ゴーストバスターズは、王道の物語なのに、これがコメディ映画の本道とも言える面白さが詰まったフェミニストコメディ。
オリジナルメンバーを探す面白さも相俟って、懐かしさを残しつつ生まれ変わった楽しさも存分に味あわせてもらいましたよ。

ハロルド・ライミスの訃報によりオリジナルメンバーでの続編製作が途絶えてしまったはずなのに、アイヴァン・ライトマン監督に代わりメガホンを取ることになったポール・フェイグ監督が提案したのは主人公たちを全員女性に変えてしまうこと。

しかしただ男性を女性に変えるのではなく、女性らしさを出しつつ、ガールズムービーにはならないように、むしろ分かり易いべっぴんさんお断りな世界観で新生ゴーストバスターズを見せてくれるんですから、面白くないはずがない!

逆に美人でもちょっとおバカな方がいいという女性蔑視があったオリジナルを意識して、今度は逆に男前でもちょっとおバカな方がいいという男性蔑視で素晴らしいキャラクターをクリム・ヘムズワースに演じさせちゃうんですから、これまた面白くないはずがない!

ですからゴースト関連から離れたかったエリンが旧友アビーとの絆を取り戻す展開が王道でもいいんです。ジリアン・ホルツマンの発明が実は凄すぎるじゃなイカ!という点が強烈なキャラに負けているのもいいんです。やっぱり黒人枠は博士じゃないのね♪というのもいいんです。

要はおいしいところ獲りを狙う男性市長を見返したい!あの傲慢な秘書の鼻をへし折りたい!能力があるのかどうかも分からない捜査官たちより自分たちの方が適役だと認めさせたい!という精神的エネルギーでゴースト退治に向かうのがいいんですよね。
オリジナルのように金目当てではないのが、女性が主役ということも相俟って、爽やかに感じるのがいいんですよね。

だから自然と彼女たちを応援したくなる。電話もロクに取れないケヴィンもだんだん可愛らしく見えてくる。食事風景が汚らしいスライマーを久しぶりに見ても嫌悪感よりも、懐かしさと共にこれからやっぱり退治されるのね♪という愛おしさも感じる。それがこの映画の魅力なんだと思います。

そしてオリジナルメンバー探しも一筋縄でいかないところもまた面白いこと。
まさかビル・マーレイがゴースト退治に懐疑的な教授役で出演しているのも面白ければ、ダン・エイクロイドはタクシー運転手で登場。当然パティが繰り返すおじさんの存在がアーニー・ハドソンだと分かって待つラストも楽しみでしたけれど、まさかEDロール終わりでシガニー・ウィーバーまで出演するとは!
そしてあのホテルのおばちゃんフロント係がアーニー・ポッツだと!ゴーストバスターズ社の受付嬢がホテルのフロント係に転職してるじゃなイカ!

てな訳で古い元消防署を改装したゴーストバスターズ社でポールを伝って出動するシーンが見れなかったのが残念だったものの、それを是非続編では見せていただきたい!そう思えるほど楽しませてもらった作品でした。

深夜らじお@の映画館はまだまだこの新生ゴーストバスターズの活躍を見たいです。

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2016年08月24日

『傷物語暁血篇』

傷物語パンツは返さないが、恩は返す!
これでこそ変態紳士・阿良々木暦だ!お人好しなのに孤独が好きだと格好つけては、数々の女性陣にムチャで卑猥な要求をしながらも、基本は紳士でお助けマンなところがいいじゃなイカ。
シャフトの魅力、西尾維新先生の魅力、そして『物語』シリーズの魅力も存分に味わえる。まさにこの面白さを待っていたのです!

フランス語やモールス信号のお遊びを相変わらず続けつつ、いよいよ鉄血にして冷血にして熱血の吸血鬼:キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの2人目の眷属:阿良々木暦が3人の吸血鬼ハンターから奪われた主人の身体の一部を取り戻す戦いを見せるこの『熱血篇』。

まず吸血鬼にして仕事で吸血鬼を狩るドラマツルギーとの戦いからして、まさに9割方弱者の戦い方をするのに、ここ一番では圧倒的パワーを見せつける阿良々木暦流バトルが面白いこと。
左腕を蹴り千切られても、両腕を切り離されても、驚異的な回復力で逃げに逃げる。
けれどここで勝負と腹を括ると野球ボールも砲丸も投げ続けた挙句にコンダラを高々と持ち上げる圧倒的パワーでドラマツルギーを降参させるんですもん。

しかも吸血鬼と人間のハーフにて私情で狩りを行うエピソードとの戦いも、羽川翼に被害が及ぶと我を忘れた阿良々木暦のパワーと速さが驚異的に上がっての忍野メメストップで終了。
そして人間にして信仰で非情な狩りを行うギロチンカッターとの戦いは完全に人間に戻ることを諦めた阿良々木暦の両腕巨木変化により呆気なく終わる始末。

本来なら戦うエピソードやギロチンカッターとの戦いもドラマツルギー並みに見せてほしいところですが、敵が徐々に人間へと近づいているのに対し、阿良々木暦が逆に人間から離れて行かざるを得ない最大の要因が人間が持つ心の醜さだと分かっていく、この西尾維新先生ならではの対比を存分に見せてくれるので満足しちゃうこと。

ですから逆に気になるのは、なぜ阿良々木暦はここまで孤独を好んでいた自分に対して大いなる世話を焼いてくれる羽川翼ではなく戦場ヶ原ひたぎを選んだのかということ。
普通に考えれば、孤独な自分に声を掛けてくれて、酷いことを言ってもまだ構ってくれて、事情を知っても離れもせず、自らの命が危険に晒されてもまだ世話を焼いてくれて、そのうえ生脱ぎパンツをくれた挙句に新学期にまた会おうと言ってくれた同級生女子に恋しない男なんてこの世にはいないですよ!

さらに自分が人間に戻ることを諦めないと救えないと忍野メメに言われても迷ったりもせず助けに行くなんて、これは完全に恩を返すレベルではなく、恋する女性を救いに行く男の取る行動。
自分の身体を喰い戻す度に幼女から少女へ、そして美しき乙女へと成長していくキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードには邪な眼差しだけに留め、ひたすら同級生女子に「友達になってください!」以上の行動を取っているその姿のどこに羽川翼以外の女子を好きになる余地があるというのか。そう思えるほどの羨ましい青春劇でしたからね。

ただこの『物語』シリーズは西尾維新先生作品なんですから、そんな素直に完結しないのが面白いところ。
阿良々木暦がいかにして羽川翼を恋愛対象ではなく恩人対象として見ていくのかという明確な理由付けは2017年1月公開の『冷血篇』で明かされるのでしょう。
それまでに原作は読むべきか、それとも待つべきか。う〜ん、迷うなぁ〜。

深夜らじお@の映画館は生脱ぎパンツをもらったら、恐らく色丞狂介のように被ります。

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2016年08月11日

『X-MEN:アポカリプス』

X-MEN:アポカリプス友よ、ここが帰る場所だ。
足掛け17年。ガラガラの先々行レイトショーで「敵は強大、味方はわずか」というキャッチコピーに嘘やん!とツッコミを入れていた頃が懐かしいなか、ついにこのミュータント軍団シリーズに幕が下された。
見終わって思うことはただ一つ。無名俳優だらけだった1作目からシリーズを見直したい!

ミュータントが人類を挟んで敵味方に分かれて戦っていた旧3部作とは違い、温室育ちのチャールズ:プロフェッサーと寒冷育ちのエリック:マグニートー、そして2人の間で心揺れるレイヴン:ミスティークの絆を描いてきた新3部作の完結編。

ブライアン・シンガーが始めたシリーズをブライアン・シンガーで終わらす。それは『スター・ウォーズ/エピソード シスの復讐』と同じく、シリーズ初作にいかにして繋げるかを楽しむ要素も加味された、まさにシリーズを長年見てきたファンに捧げる意味合いが強いもの。

だからこそ気になるのは前置きがとにかく長いこと。
サイクロップスの入学経緯、ジーンとの出会い、ミスティークにより導かれたナイトクローラー、そのミスティークに憧れ敵から味方になったストーム、顔が白いとミスティークへの想いも伝えきれなくなるビースト、どこへ逃げても幸せにはなれないマグニートーの不幸人生、モイラのことを忘れられないチャールズの女々しさに加え、エンジェル、サイロック、ストーム、マグニートーを仲間にするだけに凄く時間が掛かった割には全く以て信頼関係も利害関係も薄っぺらかったエン・サバー・ヌール:アポカリプス。

様々なキャラクターの説明にとにかく時間を使うので、いつまで経っても戦いが始まらない。例え始まったとしても若きミュータントたちに戦う術がないので、戦いらしい戦いにもならない…と思いきや、クイックシルバーの登場でようやく戦いがスタート。
でもプロフェッサーがアポカリプスに誘拐されて大ピンチ!な雰囲気にはならない。
けれどこのシリーズの醍醐味:各々の能力を最大限に発揮する集団戦闘が始まると自然と興奮度も上がってくること。

そしてスコットもジーンもストームも若手俳優が演じているのになぜにアンタだけノンクレジットでも一貫して出演してるねん!な、スピンオフを意識したように雪山に逃げていったローガンとジーンとスコットの三角関係の始まりの始まりを楽しみつつ、ラストはやっぱりプロフェッサーが認める最強ミュータント:ジーン・グレイの能力解放で〆るのね♪で万事解決。

材料さえあればジーンとマグニートーでどんな屋敷でも再建出来る凄さと、ミスティーク教官の下、スコット、ジーン、ストーム、ナイトクローラー、クイックシルバーで新生X−MEN誕生が嬉しくもあり、このシリーズが終わってしまう淋しさでもあると感じながら、ふと思うことは、あれれ?もしかしてプロフェッサーとマグニートーの戦いって実はただの友情のじゃれ合いとちゃうの?
若きミュータントに命を賭けさせてまで友情を確かめ合うためにじゃれ合い続ける、もとい戦い続けるファースト・ジェネレーション。

ならば、無名俳優ばかりで公開された16年前の1作目に戻って確かめようではないか。無名俳優時代に契約更新をしたがために、スターばかりの出演になっても製作費は安上がりになっていた13年前の2作目でも確かめようではないか。
本当にチャールズ・エグゼビアとエリック・レーンシャーの戦いはただのじゃれ合いなのかどうか。

見終るとそう思える、何とも心温かくなる完結編でしたが、個人的にはここで終わってほしくはない!トンデモジャパンリベンジならぬウェポンXのスピンオフ企画第3弾も楽しみですが、いつかまた本筋でも新作が見れることを楽しみにしたいと思います!

深夜らじお@の映画館はローグやアイスマンの入学経緯も見たかったです。

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2016年08月04日

第98回全国高校野球選手権大会

今年もやってきました高校野球の夏。今年も西浦達雄さんの歌声は聞けませんけど、それでもやってくるのがあの熱い感動。
リオデジャネイロオリンピックに負けない熱戦を期待したいと思います。
てな訳で本日抽選会が行われた結果はイカの通りになったでゲソ。

第1日目(8月7日)
第1試合:佐久長聖(長野)−鳴門(徳島)
第2試合:出雲(島根)−智辯学園(奈良)
第3試合:九州国際大付(福岡)−盛岡大付(岩手)

第2日目(8月8日)
第1試合:いなべ総合(三重)−鶴岡東(山形)
第2試合:中京(岐阜)−大分(大分)
第3試合:高川学園(山口)−履正社(大阪)
第4試合:東邦(愛知)−北陸(福井)

第3日目(8月9日)
第1試合:市立尼崎(兵庫)−八戸学院光星(青森)
第2試合:山梨学院(山梨)−長崎商(長崎)
第3試合:東北(宮城)−横浜(神奈川)
第4試合:近江(滋賀)−常総学院(茨城)

第4日目(8月10日)
第1試合:関東第一(東東京)−広島新庄(広島)
第2試合:京都翔英(京都)−樟南(鹿児島)
第3試合:星稜(石川)−市立和歌山(和歌山)
第4試合:花咲徳栄(埼玉)−大曲工(秋田)

第5日目(8月11日)
第1試合:八王子(西東京)−日南学園(宮崎)
第2試合:富山第一(富山)−中越(新潟)
第3試合:嘉手納(沖縄)−前橋育英(群馬)

第6日目(8月12日)
第1試合:聖光学院(福島)−クラーク国際(北北海道)
第2試合:松山聖陵(愛媛)−北海(南北海道)
第3試合:尽誠学園(香川)−作新学院(栃木)
第4試合:秀岳館(熊本)−常葉菊川(静岡)

第7日目(8月13日)
第1試合:木更津総合(千葉)−唐津商(佐賀)
第2試合:明徳義塾(高知)−境(鳥取)
第3試合:創志学園(岡山)−盛岡大付(岩手)
第4試合:鳴門(徳島)−智辯学園(奈良)

第8日目以降は追記にて。

我が地元・兵庫県の代表である市立尼崎はセンバツ・ベスト8の明石商業を決勝戦で破っての33年ぶりの出場だけに是非頑張っていただきたい!もちろん選手宣誓もね!

そして今年はとにかく初出場が多いこと。クラーク国際、大曲工、八王子、創志学園、出雲、高川学園、嘉手納。どのチームで目指せ、初戦突破!

てな訳で今年もプラカード担当の市立西宮高校ガールズも暑さに負けずに頑張ってください!

深夜らじお@の映画館は今年も7回以降にアルプススタンドで応援する女子高生の姿が中継されるのが楽しみなので、西浦達雄さんの楽曲が流れなくても、もちろんABC朝日放送系列で見ます。

※お知らせとお願い
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acideigakan at 23:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!スポーツ 
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