2017年01月25日

第89回アカデミー賞ノミネート

世界中の映画ファンが注目する第89回アカデミー賞のノミネートが発表されました。今年は何と言っても「キング・オブ・ザ・ワールド!」以来の歴代最多14部門にノミネートという快挙を成し遂げた『ラ・ラ・ランド』。さてこのミュージカル映画がいったい何部門受賞するのか、これは楽しみでなりませんよ!
てな訳で現地時間2月26日に受賞結果が発表される第89回アカデミー賞ノミネーションはイカの通りでゲソ。

【作品賞】
『ラ・ラ・ランド』
『ハクソー・リッジ』
『メッセージ』
『Hidden Figures』
『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』
『ムーンライト』
『Fences』
『最後の追跡』
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』

【監督賞】
デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』
メル・ギブソン『ハクソー・リッジ』
ドゥニ・ヴィルヌーヴ『メッセージ』
ケネス・ローガン『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
バリー・ジェンキンス『ムーンライト』
トム・フォード『ノクターナル・アニマルズ』

【主演男優賞】
ライアン・ゴズリング『ラ・ラ・ランド』
アンドリュ・ガーフィールド『ハクソー・リッジ』
ケイシー・アフレック『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
デンゼル・ワシントン『Fences』
ヴィゴ・モーテンセン『はじまりへの旅』

【主演女優賞】
エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』
イザベル・ユペール『Elle』
ナタリー・ポートマン『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
ルース・ネッガ『ラビング 愛という名前のふたり』
メリル・ストリープ『マダム・フローレンス!夢見るふたり』

【助演男優賞】
ルーカス・ヘッジ『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
ジェフ・ブリッジス『最後の追跡』
デヴ・パテル『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』
マハーシャラ・アリ『ムーンライト』
マイケル・シャノン『Nocturnal Animals』

【助演女優賞】
ミシェル・ウィリアムズ『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
ナオミ・ハリス『ムーンライト』
ニコール・キッドマン『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』
オクタヴィア・スペンサー『Hidden Figures』
ヴィオラ・デイヴィス『Fences』

【脚本賞】
『ラ・ラ・ランド』
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
『最後の追跡』
『ロブスター』
『20th Century Women』

【脚色賞】
『ムーンライト』
『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』
『メッセージ』
『Hidden Figures』
『Fences』

【撮影賞】
『沈黙-サイレンス-』
『ラ・ラ・ランド』
『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』
『ムーンライト』
『メッセージ』

【編集賞】
『ラ・ラ・ランド』
『ハクソー・リッジ』
『メッセージ』
『最後の追跡』
『ムーンライト』

【録音賞(音響調整賞・音響賞)】
『ラ・ラ・ランド』
『ハクソー・リッジ』
『メッセージ』
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
『13時間 ベンガジの秘密の兵士』

【美術賞】
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
『ラ・ラ・ランド』
『メッセージ』
『ヘイル、シーザー!』
『パッセンジャー』

【衣裳デザイン賞】
『ラ・ラ・ランド』
『マダム・フローレンス!夢見るふたり』
『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
『マリアンヌ』
『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』

【メイクアップ賞】
『スター・トレックBEYOND』
『幸せなひとりぼっち』
『スーサイド・スクワット』

【音響編集賞】
『ラ・ラ・ランド』
『ハクソー・リッジ』
『メッセージ』
『ハドソン川の奇跡』
『バーニング・オーシャン』

【視覚効果賞】
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
『Kubo and the Two Strings』
『バーニング・オーシャン』
『ドクター・ストレンジ』
『ジャングル・ブック』

【作曲賞】
『ラ・ラ・ランド』
『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』
『LION/ライオン〜25年目のただいま〜』
『ムーンライト』
『パッセンジャー』

【主題歌賞】
『ラ・ラ・ランド』
『モアナと伝説の海』
『ラ・ラ・ランド』
『Trolls』
『Jim:The James Foley Story』

【アニメ作品賞】
『Kubo and the Two Strings』
『モアナと伝説の海』
『My Life as a Zucchini』
『レッドタートル ある島の物語』
『ズートピア』

【長編ドキュメンタリー賞】
『海は燃えている〜イタリア最南端の小さな島〜』
『I Am Not Your Negro』
『ぼくと魔法の言葉たち』
『O.J.:Made in America』
『13TH-憲法修正第13条-』

【外国語映画賞】
『ヒトラーの忘れもの』(デンマーク)
『幸せなひとりぼっち』(スウェーデン)
『セールスマン』(イラン)
『Tanna』(オーストラリア)
『ありがとう、トニ・エルドマン』(ドイツ)

とにかく『ラ・ラ・ランド』の圧巻ぶりにただただ驚くばかり。もしかしたら歴代4作品目になる最多11部門制覇も夢ではないかも。
さらに驚きといえば助演部門における非白人率の高さ。近年アカデミー賞が白人だけの賞レースと言われ問題になっていた反動にしては大きすぎるほどのこのメンツ。さて誰がオスカー俳優になるのか、こちらも楽しみですよ。

まぁ、何はともあれ昨年以上に楽しみな第89回アカデミー賞の受賞結果発表は日本時間では2月27日です!

深夜らじお@の映画館は今年も前日までにアカデミー予想をします。

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2017年01月24日

『ザ・コンサルタント』

ザ・コンサルタント一種のヒーローものとしては面白い。けれど難点が多すぎる。
ベン・アフレックの新たなるヒーローものとして是非シリーズ化を望みたいほど、面白くなる要素が満載。ただそれが「面白くなる要素」から抜け出せていないのが、とにかく残念でならない。
だからこそ、あえてこの作品を導入モノとして受け入れるので、是非シリーズ化を!

昼間は地方のしがない会計士。ただ世界各地で裏稼業の帳簿を握る仕事もこなす会計士。しかも用意周到な暗殺稼業まで営む男、クリスチャン・ウルフ。
これまでも多数存在した、いわゆる「2つの顔を持つ男」の最新版は主人公を自閉症という環境においているがために、多方面にわたるズバ抜けた才能がとにかく凄い。

たった一晩で大企業の15年間に及ぶ膨大な帳簿から不正を見つけ出す数学力、どんなに長距離でも確実に標的を仕留めるライフルでの狙撃力、、『ザ・レイド』でもお馴染みのシラットも使いこなす体術、そして倒した相手には必ずトドメを刺す完璧主義。

ただなぜかこの映画は盛り上がりに欠ける。これだけ「面白くなる要素」は満載なのに、そろそろ面白くなるかな?と思わせては、なかなか観客を興奮の渦には巻きこんでくれない。

その理由はやはり映画の構成とキャストの使い惜しみにあるのではないか。
特に構成においては、クリスチャン・ウルフの過去を現在とリンクして描いている割には、程よく疑問点を解決しないどころか、なぜそこを描いてくれないのかという点がそのままクライマックスからラストへ向けての謎解きに直結してしまっている。

なので、宿敵だと思われたブラクストンが、姿を見せず電話でしか後方支援をしてくれない女性が、実は弟だった、幼少期にパズルのピースを拾ってくれたリタだったという驚きにならない。本来ならもっと驚いてもいいはずなのに、その盛り上がりに欠ける。

さらにJ・K・シモンズやアナ・ケンドリックといった個性派俳優たちの起用法もただただ勿体無い。そのJ・K・シモンズ演じるレイモンド・キングの後継者となったメリーベスがクリスチャン・ウルフの正体に辿り着いても何もしないのもただただ勿体無い。

だからこれだけ「面白くなる要素」が満載なのだから、自然とこれら難点はシリーズ化における導入部分での「まだまだ見せないよ」「これから登場人物たちの絡み合いが始まるんだよ」というネタフリだと勝手に解釈したくなる。
いや、そう解釈しないとこの映画には不満しか残らなくなってしまう。これだけ魅力的なキャラを、魅力的な俳優を多数揃えておきながら、それが活かされない状況に不満だけを並べてしまいたくなる。

クリスチャン・ウルフが物事に集中する前に両方の指に息を吹きかける仕草など、「これからクリスチャン・ウルフの本気が始まるぞ」という憎たらしいくらいに粋なものだけに、こんなにも存在する「面白くなる要素」を是非「面白い要素」に昇華していただきたい!
よろしくお願いしますよ!

深夜らじお@の映画館はベン・アフレックは無口でヲタクっぽい役が似合っていると思います。

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2017年01月22日

『沈黙-サイレンス-』

沈黙-サイレンス-ここにはいない神を信じるのか。それともここにある現実を受け入れるのか。
なぜ神は沈黙するのか。「信じる」とはいったい何なのか。ほぼ音楽のない映画が問い掛ける。28年間の想いを経て遠藤周作先生の原作を映画化したマーティン・スコセッシが問い掛ける。
だが本当に神は沈黙しているのだろうか。

神を信じることは尊いことである。素晴らしいことである。だからこそ遠き島国・日本で師匠でもあるフェレイラ神父が棄教したと聞けば、弟子のロドリゴとガルペはその噂を疑うのは当然である。神のご加護を信じる者として当然である。

しかし江戸幕府が切支丹を激しく弾圧する長崎では、日々信仰を捨てない者たちが怯えながら暮らし、時には惨たらしい形で処刑されていく。
長崎では神のご加護がもたらされていないのか。水磔にされたモキチが落命した映像が、まるで塚本晋也の細い右腕が千切れてしまうのではないかと思わせる映像がそんな疑問を投げ掛ける。

だからこそ信仰を捨てているようにも見えるキチジローが卑怯者にも思えてくる。処刑されていく村人を目の当たりにしては苦悩するロドリゴとガルペの安否が心配になる。隠れ切支丹を弾圧する江戸幕府の精神的弱さに怒りを覚える。

けれど奉行の井上がロドリゴに語る言葉に、不気味な笑みを絶やさない通辞がロドリゴに説明する言葉に、それらが一方的な視点でしかないことに気付かされる。
役人たちは誰もが百姓の心根までは干渉しない。ただこの国のルールとして形だけでいいから踏み絵を行えと「妥協案」を提案しているにすぎないからだ。

だが百姓たちはその妥協案を受け入れない。ロドリゴたちも受け入れない。神を信じる者としてそんなことは出来ないからだが、果たしてそれは本当に正しいことなのだろうか。

神は「右の頬をぶたれたら、左の頬を差し出しなさい」と説かれた。ならば、そんな神が「信仰を守るために、私の絵を決して踏んではならない」と説かれるだろうか。愛を説く者が信徒の命を危険に晒すことを強いるだろうか。

神は沈黙する。だからこそ信徒はその沈黙を自分にとって有益なものとして理解しようとする。別の言い方をすれば、自分にとって都合のいいものとして勝手に理解しようとする。
それは井上奉行の言葉を借りるならば、「相手の話を聞かない、賢明でない者」の行動だ。神の存在を理由に他者からの愛を受け入れない愚行にしかすぎない。

己が信じているものこそが正しい。それがまかり通る世界は無法地帯と同じ。どの国にもルールがある以上、そこには必ず安寧を維持するための「妥協案」も存在する。他者を受け入れるという度量が存在している。

しかし他者を受け入れなさいと説いていた者が、それを信じていた者が、その「妥協案」を拒んでいた。信仰という美しさに見惚れてしまい、踏み絵後に小者のように背を丸めて逃げるしかないキチジローの賢明な判断さえも蔑んでいた。

それらは全て神の沈黙を曲解したツケである。神は一人しかいないと信じ込んだツケである。道理を真理と見誤ったツケである。

神はキリスト教の世界では一人しかいない。けれど世界には神は一人しかいない訳ではない。それをマーティン・スコセッシ監督がOPとEDロールで真っ暗な画面と共に流れる様々な自然の音で語り掛ける。
自然に畏敬の念を払う日本では八百万の神が様々な自然の音として我々に語り掛けている。
そう、日本では神は沈黙していないのだ。

深夜らじお@の映画館はこういう映画こそ見応えのある映画だと思います。

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2017年01月17日

阪神大震災から22年

あの日も火曜日でした。ただあの日は3連休明けの火曜日でした。
1995年1月17日から今日で22年。兵庫県に住む約4割が震災未経験者という状況からも、あの日の記憶さえも太平洋戦争の記憶と同様に歴史となりつつあることに淋しさと共に、今後起こるであろう東南海地震への対策にどれだけ活かされるのだろうかという不安も大きく残ってしまいます。

私も14年目にあたる2009年から毎年何かしら記事を書き続けてきましたが、やはりこの9年間で変わらず書いていることは風化への懸念、そればかり。

本来なら国家としてこの悲惨な記憶を語り継ぐべき行動を起こさなければならないところを、未だに地方自治体レベルに任せっ放しなのが、個人的にはどうなんだろうと思うのです。

太平洋戦争をご経験された方々があの忌まわしき戦争の記憶を語りたくないという想いを抱き続け、命尽きる年齢になってようやく語る必要性を感じてこられたことが、時に遅いのではないかと若い世代が思ってしまったように、やはり悲惨な記憶は語りたくないのが心情であっても、人の命に関わることは経験者が語るしかないと思うのです。

悲惨な記憶には、それを経験された心情がこもる。だから聞き手にもその悲惨さが伝わり、それがやがて二度と起こしてはならないという新たな世代の決意へと繋がっていくもの。
ただ先の戦争ではその記憶を語り継ぐという行為を早い段階から行っておられた方が少なかったがために、今になって様々な危機感が生まれてしまったのなら、まだまだあの震災を経験した者たちが語り継がねば、本当の意味での防災は行われないと思うのです。

人が防災について意識するのは、やはり震災を経験してからでは遅いのです。震災を経験して生きていられるという保証がない以上、経験していないうちに知るべきことはたくさんある。伝えていくべきこともたくさんある。
それをこの国はなぜ国家レベルで行わないのか。

兵庫県が苦しんだ22年前から今日まで、新潟が、東北が、長野が、熊本が、鳥取が地震を経験しては兵庫県と同じように苦しまれている。
その苦しみの繰り返しをいつまで続けるのか。今年も1月17日を迎え、そう思ってしまいました。

深夜らじお@の映画館はあの日を死ぬまで忘れません。

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2017年01月13日

『傷物語 冷血篇』

傷物語冷血篇これは傷物になった者たちの物語。けれどその傷物が化物に繋がる物語。
なるほど、あの伝説の吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードはこのようにして幼児体型にならざるを得なかったのか。阿良々木暦の血を吸わねばならない理由もこれか。
不思議と「化物語」が違った印象で読みたくなる物語だ。

なぜフルパワーのキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードがドラマツルギー、エピソード、ギロチンカッターに負けたのか。その理由は忍野メメが彼女の心臓をこっそり盗み取っていたから。
その問題が解けると新たな問題が発生する。阿良々木暦が吸血鬼眷属から人間に戻る以前に、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは人間を食べないという確約がどこにも存在しないということ。

伝説の吸血鬼と先日まで高校生だった眷属の間に芽生えた友情は所詮阿良々木暦の人間視点から見た友情であるならば、そこに人間を食すという吸血鬼本来の行動は無視される。
一方でキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードという吸血鬼視点から見れば、そこに人間を食すという行為は人間が牛や豚を食べる行為と同じでしかない。

だから阿良々木暦は悩む。自分が安易なお人好し精神で瀕死の吸血鬼を助けたがために、自分の知る近しい人たちの命が危険に晒されることに。
自分が戦ってきた3人の男たちの方が冷静に世の中を憂いていたことに。
自分の命を以て償うしかないほどのことを自分が知らず知らずにしでかしていたことに。

ただ恋心が友情止まりから一歩も前に進めない羽川翼が阿良々木暦の背中を押す。命を以て償うのではなく、命を賭けて償う。それが逃げない選択だと。自分が阿良々木暦に求めている選択だと。

その愛情にほぼ同義化している友情に阿良々木暦の変態精神が本性を現す。キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの巨乳対策として羽川翼の胸を揉ませて欲しいという小学生並みの要求を突きつける高校生の阿良々木暦に対して、相当な覚悟を決める羽川翼。

だが阿良々木暦は所詮阿良々木暦。チキンが服を着て歩いている男だ。卑猥なセリフを羽川翼にイヤほど言わせただけで指一本も処女喪失を覚悟した乙女に触れないというのだから、本当にこの男は凄いのか凄くないのかよく分からない。

そして羽川翼との間に愛情は生まれず、友情だけが実を結んだ阿良々木暦がキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと国立競技場で対峙する。1964年の栄光が残る深夜のオリンピック会場で吸血鬼の特性を活かした殺し合いのような殴り合いが続くが、そこで明かされた事実がキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードの「古傷物語」と繋がる。

かつて人間だったキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。彼女が人間に戻すことさえもしてやれなかった一人目の眷属への想い。それを二人目の眷属である阿良々木暦で叶えようとするということはどういうことか。
それはお人好しが服を着て歩いているような阿良々木暦が最も嫌うこと。自分が一度でも近しいと思えた存在がこの世から消えるということ。自分の命を以て阿良々木暦を助けようとすること。

だから阿良々木暦は忍野メメに仕事を依頼する。この不幸な状況を何とかしてくれと。
でも誰もが幸せになる結果は存在しない。誰かが不幸になるか、もしくは誰もが不幸になるか。

阿良々木暦が選んだのは誰もが不幸になる結果。しかしそれは誰も死なない結果でもある。
キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードは伝説の吸血鬼としてのパワーを失った。羽川翼を始めとする人間たちは常に吸血鬼の餌となる危機が存在する世の中で生きるしかない。そして阿良々木暦は完全に人間に戻るという術を放棄した。

誰も死なない結果だが、誰もが不幸になる結果。それはこの一件に関わった誰もが傷物になってしまった結果。
しかし傷物はあくまでも一方から見た視点でしかない。別視点、つまり別の誰かから見ればそれは時に傷物でないと見てくれることもある。もしくはもっと傷物になっている者からすれば、それは傷物でさえもないかも知れない。

だから物語は続く。蟹、蝸牛、猿、蛇、猫に出逢うべく続く。

阿良々木暦が経験した春休みの出来事。それは短時間で見れば不幸の塊だ。しかしこれから始まる新学期も含めた長い目で見れば案外不幸でないかも知れないことを、「化物語」を楽しんだファンは誰もが知っている。

深夜らじお@の映画館はここまでしてもらって羽川翼を選ばない阿良々木暦の鈍感さに恐れ入りました。

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2017年01月10日

第74回ゴールデングローブ賞

アカデミー最大の前哨戦と言われる、アメリカに住む外国人記者が選ぶ第74回ゴールデングローブ賞が発表されました。やはりあの人の影響が濃いと思われる結果になりましたね…。では詳細はイカの通りでゲソ。

【作品賞ドラマ部門】
『ムーンライト』

【作品賞ミュージカル・コメディ部門】
『ラ・ラ・ランド』

【監督賞】
デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』

【主演男優賞ドラマ部門】
ケイシー・アフレック『マンチェスター・バ・ザ・シー』

【主演女優賞ドラマ部門】
イザベル・ユペール『Elle』

【主演男優賞ミュージカル部門】
ライアン・ゴズリング『ラ・ラ・ランド』

【主演女優賞ミュージカル部門】
エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』

【助演男優賞】
アーロン・テイラー=ジョンソン『Nocturnal Animals』

【助演女優賞】
ヴィオラ・デイヴィス『Fences』

【脚本賞】
『ラ・ラ・ランド』

【作曲賞】
『ラ・ラ・ランド』

【主題歌賞】
『ラ・ラ・ランド』

【アニメ作品賞】
『ズートピア』

【外国語映画賞】
『Elle』(フランス)

史上初の7部門制覇を成し遂げたのがミュージカル映画の『ラ・ラ・ランド』という作品。まさに今回はこの映画のための授賞式になってしまいました。
ただ映画界では時代が悪くなるとミュージカル映画が受賞するという傾向があるだけに、これもまた「トランプ現象」の1つなのでしょうか。アカデミー本戦でもこのミュージカル映画の快進撃に注目です!

そして巷で話題をさらっているのがメリル・ストリープのスピーチに対するトランプ次期大統領の大人げないツイッター返答。映画業界がマイノリティーの業界ということを分かっての差別発言なのか、分からずの暴言なのか。今後の映画界への影響も懸念されます。

てな訳で一層アカデミー賞のノミネート内容も気になる第74回ゴールデングローブ賞の結果でした。

深夜らじお@の映画館は2月24日『ラ・ラ・ランド』公開初日は休みを取ろうと考えています。

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2017年01月09日

日本インターネット映画大賞2016日本映画部門

洋画部門に続き、日本インターネット映画大賞日本映画部門にも参加します。

【作品賞】
1位『この世界の片隅に』 5点
2位『セトウツミ』 4点
3位『ヒメアノ〜ル』 3点
4位『映画聲の形』 2点
5位『怒り』 1点
【コメント】
アニメ映画に秀作が豊富だった2016年。その影で大作以外に秀作が揃いに揃っていたのは今後の日本映画界に明るい未来が待っている証拠なのでしょうか。

【監督賞】
片淵須直監督『この世界の片隅に』
【コメント】
よくぞこのような素晴らしい映画を撮ってくださった!感謝感激です!
【最優秀男優賞】
大泉洋『アイアムアヒーロー』
【コメント】
一つのことしか出来ない、しかもその才能を披露する場が限られている普通の男がヒーローになる。それがとてつもなく格好いい!
【最優秀女優賞】
宮沢りえ『湯を沸かすほどの熱い愛』
【コメント】
「サンタフェ」の頃が懐かしい。もう立派な「お母ちゃん」だ!
【ニューフェイスブレイク賞】
竹原ピストル『永い言い訳』
【コメント】
だって存在感が凄いんだもん…。
【音楽賞】
『この世界の片隅に』
【コメント】
「悲しくてやりきれない」は名曲です!

【勝手に選ぶナイス企画賞】
『この世界の片隅に』
【コメント】
「君の名は」と聞くよりも「聲の形」を知るよりもこの映画を見よ!


この内容(以下の投票を含む)をWEBに転載することに同意します。


てな訳でこれで2016年の映画を振り返る企画は終了です。

深夜らじお@の映画館の2016年は邦画も存分に楽しめた一年でした。

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2017年01月08日

日本インターネット映画大賞2016外国映画部門

今年も日本インターネット映画大賞に参加します。2016年を洋邦分けて映画を振り返ってみます。

【作品賞】
1位『シング・ストリート 未来へのうた』 5点
2位『エクス・マキナ』 4点
3位『サウルの息子』 3点
4位『ルーム』 2点
5位『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』 1点
【コメント】
ミニシアター系のオスカー作品が軒並み高評価だった2016年。ビッグネームが出ていない作品ほど、実は本当に面白い映画だと改めて思えた一年でした。

【監督賞】
ネメシュ・ラースルー監督『サウルの息子』
【コメント】
若干39歳の新鋭監督が世界に問う。悲劇の史実を物語化してしまっていいのかと。
【最優秀男優賞】
ジェイコブ・トレインブレイ『ルーム』
【コメント】
若干9歳にしてこの凄さ。マコーレ・カルキンの二の舞にはならないで!
【最優秀女優賞】
アリシア・ヴィンキャンデル『エクス・マキナ』
【コメント】
だって人工知能でも美しいんだもん…。
【ニューフェイスブレイク賞】
ジェイコブ・トレインブレイ『ルーム』
【コメント】
だって9歳にしてはしっかりしているんだもん…。
【音楽賞】
『シング・ストリート 未来へのうた』
【コメント】
2016年はこの映画以外はあり得ない!

【勝手に選ぶ野心作賞】
『スティーブ・ジョブズ』
【コメント】
会話劇だけで見せるこの巧さが素晴らしい!


この内容(以下の投票を含む)をWEBに転載することに同意します。

てな訳で明日は邦画部門の発表です。

深夜らじお@の映画館は基本洋画中心の映画ファンです。

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2017年01月01日

1月戦線映画あり!

あけましておめでとうございます。2017年もよろしくお願い致します。
大晦日も元日も仕事の身としては、全く新年になったという実感がない状態でこの記事を書いておりますが、気が付けば今は正月映画の真っ只中。なのに、普通にワクワクしないのはやはり目玉作品がないせいか、それとも夏の終わりからまだ続く某アニメ映画の大ヒットぶりのせいなのか。
ともあれ2017年も映画人生に残る傑作・秀作に出逢うべく、今年も映画館通いを続けたいと思いますので、皆さまどうぞ今年もよろしくお願い致します。

そんな訳で新春最初の記事は恒例の1月公開の注目作をピックアップしたいと思います。

【1/6〜】
●『傷物語稽箏貶咫
ついに前日譚の物語が終わる。

【1/7〜】
●『人魚姫』
チャウ・シンチー監督の新作だと!?
●『アンダーワールド ブラッド・ウォーズ』
いつの間にシリーズは第5弾になっていたのだ…。

【1/14〜】
●『静かなる叫び』
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督最新作。

【1/21〜】
●『ザ・コンサルタント』
昼は会計コンサルタント、夜は殺し屋。でもベン・アフレックは賢そうには見えない。
●『新宿スワン供
まだやりますか…。
●『沈黙-サイレンス-』
マーティン・スコセッシが遠藤周作原作を映画化。

【1/27〜】
●『ドクター・ストレンジ』
新たなるマーベルヒーローは魔術師か!?
●『マグニフィセント・セブン』
アントン・フークワ監督が『荒野の七人』をリメイクだと!?
●『エリザのために』
第69回カンヌ映画祭監督賞受賞作。
●『スノーデン』
オリバー・ストーンがスノーデン事件を描くのか…。
●『アンチポルノ』
園子温監督最新作。

【1/31〜】
●『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』
アドルフ・アイヒマン逮捕の裏にある真実。

てな訳で1月の注目作は
『沈黙-サイレンス-』
『静かなる叫び』
『スノーデン』
『ドクター・ストレンジ』
『マグニフィセント・セブン』

深夜らじお@の映画館も共に2017年もよろしくお願い致します。。

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2016年12月31日

2016年のベスト10です。

「PPAP:People Pick up an Animation Pictures.」とばかりに『君の名は。』が興行収入200億円突破を達成し、あの『シン・ゴジラ』さえもがその存在感を薄くされた2016年。
個人的には「PPAP:Precious Pictures Are Priceless.」が信条なので、「神ってる」なんて安易な言葉で評価されるような映画よりも、こんな映画に出逢って「びっくりぽんや!」という作品にこそ、もっと注目が集まって欲しかったですね。

一方で今年は映画界において素晴らしき才能たちの旅立ちが多かったのも事実。アラン・リックマン、アントン・イェルチン、アッバス・キアロスタミ、ジーン・ワイルダー、ジョン・ポリト、カーティス・ハンソン、ビル・ナン、アンジェイ・ワイダ、キャリー・フィッシャーと挙げるとキリがないこと。

さてそんな「トランプ現象」が今後の映画界にどのような影響を及ぼすのかも気になる2016年の総決算として、年末最後の恒例企画であるベスト10を発表させていただきます。

1位『この世界の片隅に』
見終わると他の映画と同じ扱いをしたくない。昭和20年を生きておられた全ての先人に感謝したい。それは今も昔も変わらず続く「みんなが笑顔で過ごせるのが一番」という日常生活の大切さを知った証。この日本映画界における屈指の稀有な傑作は間違いなく「特別な作品」に相応しい映画だ!

2位『シング・ストリート 未来へのうた』
恋をした時、この映画が愛おしくなる。この映画で描かれる恋も応援したくなる。そしてこの映画で流れる全ての楽曲がそれらの恋を彩る。背伸びしても届きそうで届かない。けれど掴みたい恋と夢。人生は諦めない限り、いつでも青春真っ只中だ!

3位『エクス・マキナ』
人間は恋をする。けれど人工知能は恋をしているフリをする。それを否定したいと思えた時、何を以て相手を「人」として認識しているのかが問われる。美しさの影に恐ろしさが潜む。それが女性だけではない時代がすぐそこにまで来ているのだ。

4位『セトウツミ』
ただ喋るだけの青春。けれどその喋りが漫才を基本とする関西の喋りなら、この映画はもはや「セトウツミ」というコンビのネタを思う存分味わう作品だ。ボケ、ツッコミ、ネタフリ、スカシ、天丼、言葉遊び、オチ。その全ての面白さがここにはある!

5位『サウルの息子』
ホロコーストは「悲劇の物語」ではない、「悲劇の史実」だ。それを若干39歳の新鋭監督が音で見せる、想像力から来る臭いで見せる。尊厳を奪われることがどういうことなのか。この崇高な作品が静かに語っている。

6位『ルーム』
子供の成長と片付けるにはあまりにも勿体無い、小さな少年が必死に闘い、徐々に広げていく心の「ルーム」。その嬉しさに思わず涙が頬を伝う。若干9歳の俳優ジェイコブ・トレインブレイくんの素晴らしき才能には脱帽です。

7位『ヒメアノ〜ル』
とんでもない映画だ!見終わるともう家族に麦茶2つ持ってきてなんて頼めないよ…。コミカルなラブストーリーも、残忍なシーンの数々も、全てはあのラストで流れる涙のためだったなんて…。どうか私のクラスメイトでは誰も森田のようにはなっていませんように…。

8位『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
無名の戦士たちよ、フォースと共にあらんことを…。これが『Ep検Э靴燭覆覺望』へつ続く勇気と希望だったのか。ルークたちの活躍の土台にはこんなにも涙する戦士たちの想いがあったのか。レイア姫が旅立たれても、ルークよ、後は頼んだぞ!

9位『映画聲の形』
コミュニケーションは簡単な想いを伝えられない、簡単な言葉を聞き取ってあげられない、そんな後悔の繰り返し。でもそのコミュニケーションを止めない理由は何か。それを知った時、コミュニケーションは言葉以外でも出来ることを知る。けれどあの言葉を「月」と聞き違えるのはアカンやろ〜。

10位『怒り』
千葉、東京、沖縄で行き場のない怒りが彷徨う。行き場のない怒りが別の感情へと変化する。その時、愛が生まれる。後悔が生まれる。嫉妬が生まれる。情けなさが生まれる。そして感情を向ける相手のいない怒りが強さに生まれ変わる。そんな重厚なドラマだ。

あと2016年を語る上で外せない次点作品を3本だけ。
11位『ハドソン川の奇跡』
全く無駄のない96分間で容疑者が英雄へと変わる。
12位『ブリッジ・オブ・スパイ』
愛国心が正義を踏みにじってもいいのか。
13位『湯を沸かすほどの熱い愛』
誰の心にも「お母ちゃん」は必要だ!

てな訳で、何と邦画が5本も入るとは洋画基本の身としては珍しいと思えた2016年。でも相変わらず大半はミニシアター作品なんですけどね。
ともあれ今年もたくさんの面白い映画を見させていただいた一年でした。

そして今年も多くの方々に支えていただき、本当にありがとうございました。来年もまたいい映画をたくさん見れますように、本年同様よろしくお願い致します。
それではみなさん、良いお年を!

深夜らじお@の映画館の今年の記事はこれにて終了です。みなさん、ありがとうございました。

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