2005年12月17日

『男たちの大和』

男たちの大和終戦60周年を迎えた今年に相応しい映画かどうか、映画を観る前は不安半分期待半分でした。というのも監督があの『北京原人』を撮った佐藤純彌監督だけに不安は戦艦大和級!しかも製作が角川春樹さん、主題歌が長渕剛兄貴。もしかすると偏った映画になるのではないか?もしかしたらバケる映画になるのではないか?そんな不安と期待を持って見てみると、これは本当に熱き魂のこもった映画だと思いました。中途半端なところなど一切なし。この熱の入れ様、お見事です。

太平洋戦争当時、世界最強の戦艦と言われた大和。日本の国力と技術を総決算したその世界一の戦艦はアメリカ軍にとってもかなりの脅威だったそうです。そして日本海軍にとってはまさしく最後の切り札的存在。
そんな世界一の戦艦大和が悲しきことに海上特攻隊として出撃しなければならなかったのは歴史的に見ても非常に残念なことです。しかも援護してくれる戦闘機も一切なしで。

でもこの戦闘シーンがとにかく凄いです。『パール・ハーバー』を彷彿とさせるその凄さは近年の邦画では有り得なかったスケールと迫力。止まない被弾、次々と倒れていく仲間たち。減っていく銃弾。増えていく仲間たちの血。
これまでの邦画ならそんなシーンは興行面とか考えて避けられてきたはずなのに、それが描かれることで、生きて帰れない覚悟を持って大和に乗り込んだ男たちの悲哀が見事に描き出されているんですよね。もうこれが同じ男としてたまらなくいい!これこそが不退転の男が醸し出す悲哀。渋かったですわ〜。

また松山ケンイチさんという若い兵士を主人公にし、その兄貴分的上官として反町隆史さんと中村獅童さんの2人がとても素敵な感じで描かれているのもいいですよね。
2人ともタイプは違えど、ともに男が憧れる理想的な男気があり、まさしく「兄貴!お供します!これからも付いていきます!」的な格好良さがあるんですもん。
その他にも長嶋一茂さん演じる上等兵も格好良かったです。あの死を覚悟する意味を説く姿。生きて帰れない、それがどんなに辛いことか。あんな静かなシーンで見せてくれるんですから、やはり角川春樹氏の熱の入れ様は半端じゃなかったですね。

ただその一方で鈴木京香さんや仲代達矢さんの現代劇はムダに長かったです。戦艦大和が撃沈して、いい頃合で映画が終わってくれれば余韻に浸ったまま映画館を出れたのに、そのせっかくの感動を危うくフイにしてしまうほどで話が長い長い。ちょっと『グリーンマイル』の二の舞になるかと思いましたよ。
ついでに劇中何度も戦争当時の映像が使われていましたが、そのほとんど特別な意味のない使われ様。これもまた『きけ、わだつみの声』の二の舞かと思いました。

太平洋戦争や戦艦大和の歴史などの説明も、日本が真珠湾攻撃を皮切りに大東亜共栄圏を建前に東南アジアを占領したという教科書に書いてあることをムダに丁寧に描いたり、逆に戦艦大和がレイテ沖海戦に参戦していたというあまり知られていない事実をあたかも当たり前のように描いていたりなど、不満点は多々あれど、戦争を知らない私たち現代日本人にとっては是非見ておくべき作品だと思います。

で冒頭でも述べたように終戦60周年を迎えた今年にはそれ相応な映画だと思います。特に昨今小泉政権の愚策のもと、ブッシュアメリカの戦争に日本が巻き込まれようとしているだけに、もう一度平和とは何か?戦争が生み出すものは何か?世界唯一の平和憲法国家に生きる我々だから考えなければならないことではないでしょうか。

深夜らじお@の映画館はいつの時代も戦争反対です。


acideigakan at 15:07│Comments(0)clip!映画レビュー【あ行】 

この記事へのトラックバック

1. 真・映画日記『男たちの大和 YAMATO』  [ CHEAP THRILL ]   2007年04月16日 02:08
4月10日(火)◆407日目◆ 会社の先輩Wさんから『男たちの大和 YAMATO』がつまらないという話を聞く。 日曜にテレビでやっていてそれを見たそうだ。 わりと評判がいいだけに意外。 ボクはそれまでこの作品を見る気がなかったが、 逆に見てみたくなった。 早速、TSUT...

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
昨日の訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

※オススメです♪※
『KANO~1931海の向こうの甲子園〜』主題歌
ぷろふぃ〜る

にゃむばなな

Twitter始めますた
nyamu_bananaをフォローしましょう
livedoor 天気
ちょいとした広告掲載