2006年03月01日

『クラッシュ』

クラッシュ本年度アカデミー賞作品・監督・助演男優賞など6部門にノミネートされている『クラッシュ』。『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本家ポール・ハギスが監督兼脚本を担当する、人種差別をテーマにしたオムニバス映画ですが、これほど地味ながらこれほど素晴らしいと思える映画でした。

人種差別問題がアメリカほど大きくない日本に住んでいる私たちにとって映画を観て正直に思うのは、アメリカ・ロサンゼルスに蔓延る人種差別というのはちょっとやそっとで拭えるものではないということ。そして旧ユーゴのような民族紛争は起こらずとも、代わりに日常的に差別が生活に密接しているというアメリカの悲しき現状。
差別というものが「根が深い」とかいう表現ではなく、本当に生活に密着しているように感じられるんですよね。

そして「事故」とう意味ともう一つ「衝突」という意味を持っているこの映画のタイトル「クラッシュ」も映画を見ると凄く意味深です。
というのもこの映画では全て「事故」をきっかけに「衝突」が起こっているんですよね。そして白人、黒人、ヒスパニック系、アジア系、中近東系など様々な人々が人種という壁を必要以上に気にして生きている。本来なら見た目ではなく、その人自身を見ればいいだけなのに、自ら人種という壁を作り上げているように思えるのです。

私も以前仕事の関係でよく在日韓国人の方と話をする機会がありましたが、民族差別を意識する日本人・在日韓国人は少なからず確実にいるんですよね。しかも在日韓国人を蔑視する人もいれば、自分が在日韓国人であることに卑屈になる人もいるという現実。ですから日本で偶然にもこういう経験ができた私には「人種のるつぼ」アメリカの人種差別の現状は多分この映画以上に醜く酷いように思えました。

でも差別主義の警官を演じるマット・ディロンが黒人女性を交通事故から救出する、この映画のポスターにも使われているシーンを思い出すと、もしかしたらこのシーンがこの映画の肝かも知れないと思うんですよね。
そして小さな子供に当たらなかった見えない銃弾のシーン。あれは「小さな子供は大人みたいに肌の色とか気にしない、ただ相手をまっすぐ見て受け入れているよ。」という監督の優しい想いが伝わってくるようでしたよ。

本当にごく当たり前のことなんですが、「心の繋がり」に肌の色も民族も、そして宗教も関係ない。ただ相手をまっすぐ見て受け入れるだけ。こんな簡単なことができない現実をいつか過去のことと話せる日が来てほしいものですよ。

深夜らじお@の映画館は人種差別反対です。

acideigakan at 18:49│Comments(2)clip!映画レビュー【か行】 

この記事へのコメント

1. Posted by ペンギン   2006年08月05日 22:04
アメリカは国内の人種差別がまだまだ問題なんだな・・・とこの映画を見て感じました。
人種や階級の違いによって、態度が変わってしまう・・・見ていて胸が痛くなるシーンがたくさんありました。
植え付けられた考え方というのは本当に怖いですね。
2. Posted by にゃむばなな   2006年08月06日 00:53
ペンギンさん、コメントありがとうございます。

差別意識って恥べきことなのに世界中にあることが悲しいですよね。
鍵屋のエピソードも心打つものですよね。

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