2006年12月29日

『この森で、天使はバスを降りた』

この森で、天使はバスを降りた小品ながら心温まる映画としても非常に評価の高いこの映画。ストーリーもいい作品なのですが、何と言ってもこの邦題がいいんですよね。『海を飛ぶ夢』や『山の郵便配達』などと並び私の好きな邦題の一つなんですが、最近このような素敵な邦題がついた映画が少ないような気がするのは少々残念です。

森の奥深くにある小さな町にやってきた一人の少女が少々無愛想な老女が経営するレストランで働くことになることから始まるこの物語。始めはよそ者である彼女に対して奇異のまなざしを向けていた町の人々も次第に彼女の人間的魅力に惹かれるようになるも、彼女には誰にも言えない暗い過去があったというのを丁寧に見せてくれるところが素晴らしいですよね。

どんな人にも誰にも言えない、言いたくない過去というものがありますよね。それは人生経験が長ければ長いほど、時に複雑化してしまい自分一人では解決しにくくなるものだと思います。多分誰かに話を聞いてもらえれば心も幾分楽になると分かっていても、自分のプライドや大切な人に迷惑をかけたくないという気持ちなどから話せなくなってしまうんですよね。自分一人で悩めば悩むほど視野が狭くなり、より問題が解決しにくくなるのに人間の心って不思議ですよね。

この映画でも主人公の少女だけでなく、彼女が働くレストラン経営者である老女もまた他人には言いたくない秘密を抱えています。でも彼女たちが今まで話したくなかった過去を誰かに話すことができた時、そこに始めて今まで気付けていなかった幸せを知ることができるというくだりはすごく感動しました。

私たちの普段の生活でも、自分一人で悩んでいる時に心配して声をかけてくれる友人に深く感謝した経験は誰にでもあると思います。話を聞いて問題を解決してくれたから感謝したのではなく、ただ単に話を聞いてくれただけで感謝してしまうんですよね。友人の何気ない一言にすごく感動したりしたあの時って、ふと一筋の希望の光が見えてきたような感じがして気持ちが少しずつ明るくなり、何か行動しなければ!と思えるようになりませんか?多分あの瞬間が人間が幸せに気付いた瞬間なんだと思います。幸せって感謝することから生まれる・・・そんなことを教えてもらった素晴らしい映画でした。

深夜らじお@の映画館は明日2006年度のベスト10を発表させていただきます!

acideigakan at 19:50│Comments(0)clip!映画レビュー【か行】 

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