2007年01月02日

『パプリカ』

パプリカ他人の夢の世界に入る・・・始めは『ザ・セル』みたいな静かでちょっと分かりにくい映画かな?と思いましたが、非常に明るくて楽しい、奥深さのあるおもしろい映画でした。
原作者が『時をかける少女』の筒井康隆先生ということで期待して見ましたが、筒井先生よりも今敏監督の凄さに感服しまくりの90分でした。あの支離滅裂で規則性もなく抽象的で他人には説明しにくい【夢の世界】をよくぞここまで丁寧に映像で描いたことには素晴らしいとしか言い様がないです。

他人の夢に入り込み精神的治療をする目的で作られた「DCミニ」というサイコセラピー機器が何者かに盗まれ、悪用される事件が発生。他人の人格さえも破壊してしまう恐ろしさ故に犯人を探すサイコセラピスト千葉敦子と彼女のもう一人の人格である夢探偵パプリカ。夢という支離滅裂な世界での予測不可能な事象の連続の中で夢と現実が次第に交差していくという物語。

深層心理やトラウマなどが映像化されてしまう夢の世界って人間にとっては最も幸せを感じる世界であり、また最も恐怖を感じる世界であると私は思います。
例えば好きな人に想いが通じたりする夢を見た時はいつまでもこの世界に浸っていたいと思ってしまいますよね。逆に現実世界なら難なくこなせることが夢の世界でうまくできず、心の底から恐怖を感じて目が覚めたという経験は誰にでもあると思います。
いい夢を見続けたいから現実逃避している人、悪い夢を見たくないから現実に固執している人。人によって考え方は様々ですが、夢か現実のどちらか一方に偏ってしまうことってすごく危険で悲しいことですよね。どちらかに偏っても心の幸せなんて得れないのに、今の世の中はどちらかに偏った人ばかり。もっと現実も夢も楽しまないといけない、そんな気がしましたよ。

あとこの映画を見ていると世の中は常に何かと何かが均衡してなりたっているということがよく分かりますね。例えば男性と女性がいて始めて社会が成り立つ、自由な発想とそれに伴う責任があって始めて自分が認められる、夢と現実があって始めて自我が形成されるなど、どれもどちらか一方が欠けるとダメになってしまうものばかり。だからこそどちらも大事にしなければならない。そんな大切なメッセージが隠されていた映画でした。
いい夢を見て、楽しい現実を味わうことの素晴らしさ。今日ほど柳沢慎吾さんの「いい夢見ろよっ!」が心に響いた日はないですね。

深夜らじお@の映画館は心の幸せを望んでいます。

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この記事へのコメント

1. Posted by ジグソー   2007年01月03日 05:30
どうも!
ご覧になりましたか!

どうやら結構気に入ったようですね!

夢の世界観は見事でしたよね。
あのユーモラスのような恐怖は言葉にできない何かゾクゾク来るものがありますよね!

『ザ・セル』いっつも見ようか悩んでましたが、今度観てみます。
2. Posted by にゃむばなな   2007年01月03日 14:38
ジグソーさん、コメントありがとうございます。

ユーモラスな恐怖、まさにその通りですよね。そこが『ザ・セル』とは大違いなんですよね。
『ザ・セル』はストーリーより映像重視な作品なので、あまり期待せずに見ることをオススメしますよ。
3. Posted by 睦月   2007年01月03日 22:05
あけましておめでとうございます!
今年もどうぞよろしくお願いいたします!

≫今日ほど柳沢慎吾さんの「いい夢見ろ
よっ!」が心に響いた日はないですね。

ウハハハ!すみません、ウケました。
たしかにそうですよね。
慎吾さんもいいこと言います♪

とても斬新でとても奇抜な世界観。
私、すごく楽しんで観れました。
ジャパニーズアニメのすごさを改めて
感じた1作です!
4. Posted by にゃむばなな   2007年01月04日 14:42
睦月さん、コメントありがとうございます。

こちらこそ今年もよろしくお願いいたしますね。
斬新で奇抜な世界観こそが夢の世界。それを見事に描き出したジャパニメーションはやっぱりすごいですね。
是非アカデミーでも評価されてほしいですよ。
5. Posted by orange   2007年01月05日 00:12
こんばんわ☆
コメント&TBありがとうございました。
今敏の頭の中って沢山、引き出しがあるのだろうなという事を感じる作品でしたね。
『東京ゴッドファーザーズ』も素晴らしかったのですが、この作品の持つディテールや夢の中身の映像感覚にはすっかり呑み込まれてしまいました。
こういう怖さというものもあるのだなと映画館で驚きました♪
6. Posted by にゃむばなな   2007年01月05日 20:33
orengeさん、コメントありがとうございました。

ほんと今敏監督の頭の中の引き出しってすごいですよね〜。あんな抽象的な世界を90分間も映像として描ける人なんて世界広しと言えども、そうはいませんよ。
宮崎アニメがなんぼのもんじゃい!と思える作品でしたね。
7. Posted by ミツ   2007年01月19日 02:41
こんばんは!
コメント&TBありがとうございました!

確かに『ザ・セル』とコンセプトが一緒ですね。でももうそちらの記憶は、牛が輪切りになるシーンしか覚えていませんが(笑)

今敏作品のクオリティーの高さには、毎度毎度感心してしまいます。もう開始数分で、「あー、もう今回も面白い!面白い!」とニヤニヤしながらスクリーンを観てしまいました(笑)
まだまだ押井守、庵野秀明、富野由悠季、宮崎駿などの巨匠と比べると、ネームバリュー的には劣りますが、作品の全体的なクオリティーで比べたらまったく負けていませんからね。何より、ハズレの作品が未だに存在しないのが凄過ぎます。
8. Posted by にゃむばなな   2007年01月19日 19:44
ミツさん、コメントありがとうございます。

あら〜、奇遇ですね。私も『ザ・セル』で記憶に残っているのはその牛のシーンぐらいですよ(笑)

また今敏監督の知名度の低さと作品評価の高さのアンバランスには私も納得がいかないです。宮崎より今、押井より今ですよ。
あっ、別にいくよさんくるよさんのことではありませんよ。
9. Posted by 悠雅   2010年10月10日 17:38
こんにちは。
NHK BSが今監督追悼番組として、この作品を放送してくれました。
今まで観る機会もあったはずなのに、何となくスルーしてしまいましたが、
もっと早く観てればよかったです。

日本のアニメーションって、凄い実力だなぁ、と改めて感心しつつ、
面白い題材のお話にすっかりハマって観てました。
もしこれを先に観てたら、『インセプション』を観た時に、思い出したんじゃないかと思います。
10. Posted by にゃむばなな   2010年10月10日 19:41
悠雅さんへ

『インセプション』が凄い映像と評価されていても、所詮それは実写世界での話。
アニメーションの世界では既に描かれているものであるということを、もっとたくさんの方に知っていただきたいですよ。
そのためにもこういう映画はたくさんの方に見ていただきたい!

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