2007年02月03日

『墨攻』

墨攻「10万の敵にたった1人で挑む」というキャッチコピーにどんな知力に富んだ戦いが見れるのかと楽しみにしていたのですが、う〜ん説明不足な箇所が多いうえに詰め込みすぎ感があり、見終わった感想は製作側が作品の世界観をまとめきれていないなぁ〜でしたね。

春秋戦国時代、10万の趙の大軍に囲まれた落城寸前の梁王は攻撃をせずに守り抜く「非攻」と「兼愛」を信念とする集団「墨家」に援軍を求めますが、やってきたのは革離という男ただ一人。しかし彼は梁王に1ヶ月城を守り抜けば趙は撤退すると説明。軍に関する全指揮権を与えられた革離は城を守る数々の準備を始め、やがて攻めて来る趙の大軍を墨家の秘策で次々と凌ぎ続けますが…というあらすじです。

太陽を背にして矢を放ったり、水脈を利用して敵を食い止めたりするなど自然を利用した戦略から、いかにして敵の戦意喪失を加速させるかという心理戦まで様々な籠城戦術がこの映画では披露されるのですが、そこには全く新鮮味がないのですよ。なんせ籠城して戦う映画なら『ロード・オブ・ザ・リング二つの塔』の方が断然面白かったですからね、どうしても比べてしまうんですよ。

そのうえ城を守る準備の様子を映像としてあまり描かないので、言葉で聞いた戦略の結果を映像で見るというのは見ていて面白みがないのも正直な感想でしたね。「なるほど、そういうことか!」っていう感じが欲しかったのに、それがない。つまり知力に富んだ戦略を描いている映画なのに知的さがない感じの映画になってしまっているんです。

またアン・ソンギ演じる巷将軍が何故に革離にそこまでこだわるかとか、梁王がいかにアホな暴君かの説明が少なすぎるのも辛いところです。男たちの熱き戦いを描きたいのか、単に歴史作品を作りたかっただけなのか、全体的に中途半端な出来なんですよね。オープニングのとある少女の話もさほど重要視されておらずでしたもんね。

ただ映画を見ていて思ったのは、いつの時代も人は欲深く愚かであるということ。助けてもらった革離に対して梁王がとった行動や、ラストの巷将軍の前で見せた汚い笑顔。崇高な理想を抱いてもそれを理解してくれる人は数少ない、ほとんどの人は私利私欲のためにその崇高な考えさえも平気で踏みにじる。見ていて非常に腹立たしかったですし、今の世の中にかなり共通することが多く、いかに現代が悪い時代であるかを再認識させられるものでした。

あとなぜアン・ソンギはこの映画に出演したのでしょう?彼でなければならない理由は映画を見ているかぎり全く見当たりませんでしたけどね。

深夜らじお@の映画館は中国の歴史作品では『HERO-英雄-』が最も好きです。

acideigakan at 20:44│Comments(6)clip!映画レビュー【は行】 

この記事へのトラックバック

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「墨家」について詳しくは公式HPへ⇒映画「墨攻」(ぼっこう)いつの時代でも何処の国でもよくある話だが 王が強欲で大バカもんですしかも 側近のジジイが更にずる賢くて 王を良いように操るんですわ。「恩を仇で返す」とは正にこのことですわ。革離が来てくれたおか...
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2000年前の戦乱の中国を描いた同名の人気コミックを映画化した歴史スペクタクル。監督はジェイコブ・C・L・チャン、キャストはアンディ・ラウ、アン・ソンギ、ワン・チーウェン、ファン・ビンビン他。 <あらすじ> 紀元前370年頃、巷淹中(アン・ソンギ)率いる趙の10...

この記事へのコメント

1. Posted by miyu   2007年02月03日 21:55
(〃⌒ー⌒)/どもっ♪
トラバ&コメありがとうございました〜。
なるほど〜全体的に中途半端、
確かにその通りかもしれません。
コレはイマイチ楽しみきれなかったのですよねぇ〜。
さっき世界ふしぎ発見で墨家をとりあげていたのですが、
アンディ・ラウさんも現代に照らし合わせて
観て欲しいって言ってましたね。
2. Posted by にゃむばなな   2007年02月03日 21:57
miyuさん、コメントありがとうございます。

そうなんですよね、現代と照らし合わせて見るなら、もっと色んな意識させるシーンをたくさん盛り込んで欲しかったですね。
3. Posted by ゆかりん   2007年02月04日 20:42
こちらにも・・・
私は結構おもしろかったんですけどね。
アンディ・ラウがかっこいい〜なんて思ってたから評価が甘かったのかもしれませんが、、、
4. Posted by にゃむばなな   2007年02月04日 22:18
ゆかりんさん、コメントありがとうございます。

歴史作品や緻密な戦術映画として期待してしまったのが原因だったのかな〜?
男としては緻密な戦術とか大好きなのでより厳しい評価になってしまったのかも知れませんね。
5. Posted by YUKKO   2007年02月08日 23:55
凄く期待していったのに思い切り肩透かしでした。あまりのぼんくらな王の残虐性ばかりめだって、見ながらしんどかったです。崇高な世界観を期待したんですが、残念です。
6. Posted by にゃむばなな   2007年02月09日 21:31
YUKKOさん、コメントありがとうございます。

そうですね、崇高なものを期待した者には残念な映画でしたね。
中国の歴史モノではどうしても『HERO-英雄ー』と比べてしまうからでしょうかね?

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