2007年02月12日

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』

ダンサー・イン・ザ・ダーク悲劇マニアであるラース・フォン・トリアー監督がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したこの作品。見終わった後の衝撃と気分の落ち込み具合は恐ろしいほどのもので、聞けば映画館で見てDVDを買ったはいいものの勇気が出ずに見れないという人が多いとか。実は私も試写会で見てからDVDでもう一度見るまでに半年ほど時間の掛かった一人なんです。

この映画における衝撃、それは映画の構成やドキュメンタリー風な映像よりも主演のビョークだと思います。
私はこの映画で始めて彼女のことを知りましたが、彼女の楽曲や遠くまで響き渡る歌声は本当に凄い。世の中には様々な「歌姫」と呼ばれる女性歌手がいますが、本当の「歌姫」は彼女しかいないと思わせるほど。実際映画を見てからビョークのアルバムを聴きましたが、一風変わった曲調ながらもその心の奥底にまで伝わる衝撃は他に類をみないものでしたね。

そのビョークの凄さが一番味わえるシーン、それがアカデミー主題歌賞にもノミネートされた「I've seen it all」が使われている、鉄橋を走る貨物列車でのシーン。
この映画は息子の視力手術の費用を稼ごうと必死になる、自らも視力を失いつつある女性が主人公ということでミュージカルシーンは全て彼女の妄想シーンになるのですが、特にこのシーンは格別に凄い。

苦しい生活とやがて訪れる盲目の恐怖を全て打ち消すかのような色鮮やかで清々しい風景と楽しく歌って踊れる喜び。それまでのドキュメンタリー風な映像からミュージカルシーンだけは固定カメラできっちりと見せる構成術に、もはや何も考えれずに映画に見入ってしまいました。

そして彼女に何度も訪れる悲劇、また悲劇。監督に「人でなし」と言いたいくらいの悲劇の数々にかなり滅入ってしまいましたが、それでもそれ以上にあの唐突なる絞首刑で幕を閉じるこの映画を見終わった時の衝撃は凄いものでした。

決して「おもしろいから」という理由ではオススメできない映画ですが、絶対に言えるのは「見て損はなし!」「心行くまま滅入ってください」の二つ。
ビュークとラース・フォン・トリアー監督の才能のおそろしさを十二分に味わっていただける映画だと思います。

深夜らじお@の映画館は歌姫はビョークだけと信じている一人です。


ちなみに監督が主役をビョークに選んだ理由は、彼女が自分の息子を撮ろうとしたパパラッチを空港で殴り倒した映像を見たかららしいです。
またオファーを受けたビョークは数日間山にこもって考えた末に引き受けたそうです。
やっぱりこの2人は「変人」ですね・・・。

この記事へのトラックバック

1. ダンサー・イン・ザ・ダーク  [ ☆彡映画鑑賞日記☆彡 ]   2007年02月20日 22:46
 コチラの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は、2000年のカンヌ映画祭のパルム・ドールと女優賞を受賞した作品です。悲劇性の強い人間ドラマでありながらミュージカル映画とちょっと異彩を放つ映画です。  ラース・フォン・トリアー監督の「奇跡の海」、「イディオッツ」....
2. 映画 ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000) ミュージカル映画は嫌いだけれど・・・?  [ ザ・競馬予想(儲かるかも?) ]   2009年10月19日 20:39
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この記事へのコメント

1. Posted by my cinema paradise   2007年02月12日 21:48
5 初めまして、初コメントさせてもらいます。
この映画、ほんまにヘコみますよね。観てる間ずっと、どこかで救われる・報われるシーンがないか、ずっと探してしまう位ヘコみますよね。
自分がドン底に落ちてるときに観ると、逆に下には下が…的な考えで、ちょっと元気でるかもしれませんが…
2. Posted by ミツ   2007年02月13日 18:15
こんばんは!

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』は当時映画館で観ましたよ。しかも昼に観てしまったばっかりに、その後ずっと憂鬱になってしまいました。故にこの映画を人に奨める時は「夜観た方がいいよ。昼なんかに観たら一日何もする気にならないから」と言うようにしています(笑)

ビョークの演技は素晴らしかったんですが、変態監督ラース・フォン・トリアーのおかげで、もう二度と女優をやることは無くなってしまったんですよね。そうまでさせるって、一体どんな監督だよって話です(笑)
3. Posted by にゃむばなな   2007年02月13日 19:50
my cinema paradiseさん、コメントありがとうございます。

へこんでいる時に見ればよりへこむことのできる映画ですよね。
でもへこみすぎて浮上できずって感じもありますけどね(笑)
4. Posted by にゃむばなな   2007年02月13日 19:54
ミツさん、コメントありがとうございます。

ビョークとフォン・トリアー監督の間にそんなことがあったんですね。互いに灰汁の強いもの同士ですからね〜。
それにしてもあのビョークに勝るフォン・トリアー監督の恐ろしさが気になりますね。
5. Posted by miyu   2007年02月20日 22:51
もうひとつTBさせてください。
コレは確かに滅入る作品ですよね。
でも、ラース・フォン・トリアー監督の
作品ってあたしは結構好きですね。
悲劇の中の美しさだったり、
そこで初めて見える人間の本性だったりに、
とても惹きつけられてしまいます。
とは言えこの映画まだ1回しか観てません(´▽`*)アハハ
6. Posted by にゃむばなな   2007年02月20日 23:39
miyuさん、コメントありがとうございます。

確かにこの監督の作品には独特の美しさがありますよね。
私はこの映画と『奇跡の海』しか見ていませんが、それでもフォントリア監督の映画は好きです。
でも2回目を見る勇気がなかなか出ないものばかりですけどね(笑)
7. Posted by ディープ・インパクト   2009年10月19日 20:46
 こんにちは。実はラース・フォン・トリアー監督作品を観るのはこの映画を観るのが2度目ですが、直ぐに『ドッグヴィル』を観ました。ちなみに彼の映画で初めて観た作品は『奇跡の海』です。
 実は『奇跡の海』も最近観たところなので、今僕が最もはまっている映画監督です。
 それにしても、にゃむばななさんの言う通りビョークの歌声は素晴らしいですね。確かにこの映画を観て元気は出ませんが(笑)
 でも悲劇の中に少しの希望を見せてくれるこの映画も僕は好きな映画です。
8. Posted by にゃむばなな   2009年10月19日 21:04
ディープ・インパクトさんへ

ビョークの素晴らしさを映画で感じるなら、この映画以外にはありえないくらいでしたね。
決してこの映画を見て元気になることはありませんが、それでも人間の生命力の強さというのでしょうか、物凄いものを感じたのだけは確かでした。
9. Posted by ノルウェーまだ〜む   2011年03月14日 02:31
にゃむばななさん、トラコメありがとうございます。
ビョークの盲目的に息子を愛する姿がこの役に確かに被りますね〜
彼女のリズムに乗りにくいのに、なんとも引き込まれる美しい歌声にすっかり虜になってしまいました。
「心行くまで滅入ってください」確かに!
10. Posted by にゃむばなな   2011年03月14日 17:58
ノルウェーまだ〜むさんへ

この映画はビョークに始まりビョークに終わる映画でしたね。
ほんと、彼女の歌声には引き込まれますよ。

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