2007年03月01日

『アメリカン・ビューティ』

アメリカン・ビューティ不倫、ホモ、銃、ヲタク、ロリコン、麻薬、リストラetc...そしてこの映画のアカデミー作品賞受賞。絶滅したと言われる幻のバラ「アメリカン・ビューティ」と「アメリカの美意識」を掛けた、ある意味はちゃめちゃブラックコメディ映画が高い評価を受けるのだから、本当にアメリカって国は病んでいますよね。

仕事上のライバルと不倫をする見栄っ張りな妻、片時もビデオを手放さない隣人のヲタク少年に興味津々な反抗期の娘を持つレスターは色っぽい娘の友達に欲情し隣人のヲタク少年からはマリファナを仕入れるダメ親父。隣人の下海兵隊員からはホモと睨まれ、娘の友達を思って自慰にふけっていたことで妻と喧嘩した彼はある日ついに暴走を開始。仕事を辞めアルバイト生活始め、そしてついに娘の友達とベッドインする機会が訪れますが・・・という少し奇天烈なお話です。

この映画に出てくる人物はみなどこかしら「倫理」に欠ける人ばかりです。倫理という言葉を使うと少し分かりにくいかも知れませんが、要するに人を思いやる気持ちに欠けているということですね。
生活が豊かになる代償としてよく挙げられる「人を思いやる気持ちの欠如」。不倫やロリコンに走ったり、麻薬や銃に興味が出てくるのも人としてごく自然なことなのかも知れませんが、人はみな「倫理」という枠の中で生きているのですよね。

でも逆に考えるとその枠を取っ払った生活というのはこんなにも清々しい気持ちになれるのか?とも思える映画です。特にケビン・スペイシー演じるレスターの暴走ぶりはよく言えば心のままに、悪く言えば自分勝手な生き方。娘の友達に欲情してガレージで全裸になって体を鍛えることまでするのだからアホな親父ですけど、誰しもが心のどこかで望んでいたりすることばかりをしている彼の生き方はある意味とても素敵です。

枠の中で生きるか、枠を取っ払って生きるか。どちらがより本当の「アメリカン・ビューティ」的な生き方なのか悩むところですが、アメリカン・ビューティというバラよりも美しいラストで、それまで娘の友達に欲情していたレスターが知ることのできた本当の「アメリカン・ビューティ」はとても奥深いものを感じましたね。美意識を持つことはある意味「大人」である証かも知れませんね。

この映画を見たのはまだ20歳くらいの頃でしたが、最近ではこの描かれている現代アメリカの闇が決して他人事ではなく、自分自身にもいずれ当てはまることであるような気がよくしますね。
ということは私もいつかは娘くらいの歳の女の子に欲情するってこと?そういえば『アイ・アム・サム』のダコタ・ファニングちゃんや『SAYURI』の大後寿々花ちゃんに少し熱あげてましたからね〜って、なんでやねん!!

深夜らじお@の映画館は心の闇に理解を示す努力をしています。

acideigakan at 20:00│Comments(8)clip!映画レビュー【あ行】 

この記事へのコメント

1. Posted by YUKKO   2007年03月01日 23:55
私はアネット・ベニングが演じる妻の方に注目して、やはりアメリカは女性でもこんなふうに成功をめざすんだ!と感嘆かつゲンナリした覚えがあります。妻の方の暴走ぶりも凄かったじゃあないですか。
見にいった同僚とこんな女性にはなりたくない!と言い合いました。
私は若くないので言えますが、若さって絶対過ぎ去ってしまうものなので、若さに対するジェラシーと憧れは年齢を重ねるほど強くなるのは確かです。
2. Posted by ちゃぴちゃぴ   2007年03月02日 00:27
あっ〜〜コレ。
安売りで600円くらいで買ったんだけど、まだ観てないやつ。
また観てから、ゆっくりこの記事は読みま〜す。
((((( ̄_ ̄;)サササササッ

もう少し、先になりそうなんだけどね。
3. Posted by あかひ   2007年03月02日 15:51
にゃむばななさんへ
これ好きなんですね〜何とも言えず・・。
私は「何だか好き」というあいまいな感想を持つ映画が多いのですが(これもそうです)にゃむばななさんがいつもハッキリとレビューしてくれるので助かります。(笑)にゃむばななさんの文才でしょうか?
>でも逆に考えるとその枠を取っ払った生活というのはこんなにも清々しい気持ちになれるのか?
そうですね、誰しも知らず知らず枠に縛られて生きているんですね〜。病んだアメリカは日本でも現実のものとなっているようですが・・。枠にはまって生きるか?取っ払って自由に生きるか・・?
わけの分からないコメントになってしまいました。すみません。
4. Posted by にゃむばなな   2007年03月02日 21:49
YUKKOさん、コメントありがとうございます。

ん〜、やっぱり女性には若さに対する複雑な想いがあるんですね。
私だけかも知れませんが、男性には歳を重ねるごとに「老練」という言葉が似合う生き方ができる喜びがありますからね。
若さは無力でもあるとより感じるのは男性の方が強いってことなのかな?
5. Posted by にゃむばなな   2007年03月02日 21:54
ちゃぴちゃぴさん、コメントありがとうございます。

600円ですか!?アカデミーを制した映画が…。
これぞ価格破壊と言わずして何とする!って感じですね。

ちゃぴちゃぴさんのレビューを楽しみにしていますので、これからもよろしくお願いしますね!
6. Posted by にゃむばなな   2007年03月02日 23:03
あかひさん、コメントありがとうございます。

いやいや文才だなんて…ありがとうございます。
この映画は好きか嫌いかはっきりと言いにくい部分も多々あるので、そういう感想は納得いきますね。

こういう病んだ現実が日本でも当たり前になりつつあるのが恐いですよね。
7. Posted by おらんうーたん   2007年03月07日 21:39
自由に生きるという人生の教訓と、アメリカ社会における問題を絡めた傑作ですよね。俳優陣はもちろん演出力の高さに驚かされました。
8. Posted by にゃむばなな   2007年03月07日 21:51
おらんうーたんさん、コメントありがとうございます。

社会派でありながらブラックコメディ映画であるという、邦画ではまだまだ作れないレベルの高い作品でしたよね。
やっぱりサム・メンデス監督はすごいですわ!

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