2007年03月27日

『復讐者に憐みを』

復讐者に憐みを復讐三部作の衝撃の第1作目、『オールド・ボーイ』の原点と聞いてから見てみましたが、これが救われない映画でしたね。映画自体が悪いのではなく物語りが救われないのです。復讐が復讐を呼ぶ負の連鎖にかなり気分悪くなったことを覚えていますが、ミニシアターの隠れた秘作とも言うべき独特のよさのある映画だとも思いましたね。

この映画の救われない世界観。それはまず先天的聴覚障害を持つ少年リュウと同居している重病の姉という設定です。姉が薬が欲しくてもがき苦しんでいる時にその叫び声が聞こえない弟は楽しそうに食事をしているシーンがある時点で「この監督のセンスを疑うわ!」と思ってしまいました。同じく聴覚障害を持つ男を主人公とした『レイン』でもそんなシーンはありませんでしたもん!ほんとにあのシーンは気分が悪くなる、でも凄く印象的なシーンでしたね。

そして他にも肝臓の闇取引で騙されたリュウが行う復讐や自分を解雇した会社社長の娘の誘拐するもその娘を事故死させてしまうことで始まる社長の復讐など、どれも救われない世界が連鎖するのが見ていてとても辛いです。
日本でも高度経済成長の影で多くの悲しい事件が起こっていたように、韓国でも同じような悲しい事件が起こっていたのでしょうね。この映画を見ていると弱者を痛めつけることで経済成長が保たれていたような感じがしましたよ。

いつの時代も復讐が復讐を呼び、不幸が不幸を招く。血は血で洗われ、憎しみは憎しみをより成長させる。負の連鎖は一度始まると関係者を全て不幸に陥れるまで終らない、そんな恐ろしく悲しい世界観を十二分に味わえる映画だと思いました。
『オールド・ボーイ』でもそうでしたが、こんな映画を撮れる監督はやはりパク・チャヌク監督以外にはいない!そういう思える奇作と言える映画だと感じた作品でしたよ。

深夜らじお@の映画館は復讐三部作が大好きな映画ファンです。

acideigakan at 18:00│Comments(8)clip!映画レビュー【は行】 

この記事へのトラックバック

1. 「復讐者に憐れみを」  [ 「青と緑の真ん中」 ]   2007年03月27日 21:55
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『JSA』、『オールド・ボーイ』、『親切なクムジャさん』、『渇き』などでしられるパク・チャヌク監督作品 『オールド・ボーイ』、『親切なクムジャさん』と共に復讐三部作と呼ば...

この記事へのコメント

1. Posted by あかひ   2007年03月27日 22:03
主人公が聴覚障害者で重病の姉がいる・・設定からして重いですが、青年が純真で前半は救われているような気がします。
後半肉親が死んだ事で復讐者になる彼らは人間というより「復讐する者」としてそれだけを目的にしています。誰でもこんな鬼になれるのかもしれない・・。
「最終的に家族を守るのは自分の体力だ」、と体を鍛えている人を知っていますがそうなのかもしれないですね〜。究極的には。
2. Posted by にゃむばなな   2007年03月27日 22:10
あかひさん、コメントありがとうございます。

「復讐する鬼」になる人間の姿は悲しくもあり、そして虚しくもあるものでしたよね。

家族を守るために体を鍛えていらっしゃるご友人の方もそれはそれで素晴らしいと思いますが、そういう究極論に辿りつかなければならない世界は本当に嫌なものだとも思いましたね。
3. Posted by ミツ   2007年03月28日 14:31
こんにちは!

気になっている事なんですけど、最初からパク・チャヌクは“復讐三部作”の構想があって撮り始めたんでしょうか?僕は『オールド・ボーイ』がウケて、ちょうど前作も同じテーマだったから、こうなりゃもう一本撮って三部作にしてしまおうっていう“後付け”だと思っているんですが(笑)そこらへんはどうなんでしょうか?にゃむばななさん、知ってます?
4. Posted by にゃむばなな   2007年03月28日 22:57
ミツさん、コメントありがとうございます。

私も詳しいことは知りませんが、『親切なクムジャさん』の俳優起用から察するには、付け焼き刃的に三部作にしたとは思えないですね。
少なくとも『復讐者に憐みを』を撮り終えてから監督の中に三部作構造ができ、偶然日本のコミック『オールド・ボーイ』に出会ったのではないでしょうかね?

私はそんな気がしてますけど、真相はどうなんでしょうね?
5. Posted by miyu   2007年08月18日 21:23
「オールドボーイ」はまだ観てないのですが、
あたしもこの復讐3部作は好きです。
確かにストーリーに救いはないんですけどね〜。
あの救いのなさはラース・フォン・トリアー監督作品にも
通じるところがありますね。
6. Posted by にゃむばなな   2007年08月18日 21:53
miyuさん、コメントありがとうございます。

この復讐三部作は『オールド・ボーイ』と『復讐者に憐みを』を見てから『親切なクムジャさん』を見ると、ひとしおの感動があると思いますね。

確かにこの救いのないストーリー、ラース・フォン・トリアー作品に通ずるものがありましたね。
7. Posted by なな   2010年01月05日 23:02
こんばんは!

そうですね,奇作という表現は
ぴったりかもです。
負の連鎖をこれでもか!と描いてますね。
聴覚障害者のリュウだけでなく
小児麻痺の男性も印象的に登場させていますが
弱者や障害者に対する監督の目線は
もちろん優しくもないのですが悪意もなく
ただ冷静に訴えているだけのようにも感じました。
そういえば「殺人の追憶」にも
容疑者の中に知的障害者がおりましたね。
8. Posted by にゃむばなな   2010年01月06日 20:23
ななさんへ

社会的弱者の描き方がある意味ストレートなんですよね。
それでもって人間の負の部分もストレートに描いている。
これがこの映画の凄いところなのかも知れませんね。

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