2007年04月16日

『戦場のピアニスト』

戦場のピアニスト実在のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの実体験を綴った回想録を基に、ゲットーで母親を亡くされるなどの過酷な体験をされたロマン・ポランスキー監督が描いた、カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品。
この映画を見て再び戦争をしたいと思える人が果たしているのか?というくらいに見る者の心に響く名作だと思います。

1939年のナチスのポーランド侵攻によりユダヤ人居住区に強制収用されたピアニストのシュピルマン。ピアニストとして有名だった彼は仲間の助けもあってゲットー行きを免れます。その後も心優しき人々の助けを借りてナチスの目から隠れる逃亡生活を送るシュピルマン。仲間のユダヤ人がナチスと戦い命を落としていく中でも一切戦わず、ひたすら逃げることに徹していた彼はある日一人のナチス将校に見つかってしまいますが・・・というお話です。

この映画には『シンドラーのリスト』にはあまり存在していなかったリアルな視点で描いたシーンが数多くあります。
例えば駅前広場に残されたたくさんのカバン、2階から突き落とされる車椅子の老人、質問をしただけで射殺される人々、そしてシュピルマンが塀を乗り越えた時に目にした廃墟の街。
これらは文献や残された映像だけでは決して描けない、体験した者にしか知りえない世界です。

実際『シンドラーのリスト』の時も監督のオファーがあったというポランスキー監督。しかしその時は奥様の事件のこともあってまだ心の整理もついていないということで断ったそうです。
監督としては凄く忌まわしい過去だからこそ、しっかりと向き合えた時にメガホンを取りたいと思われたのでしょう。事実この映画には監督の凄まじい想いが映画全体に漂っていますし、その監督の想いを主演のエイドリアン・ブロディが体現しているところが本当に凄いです。彼のアカデミー主演男優賞もこの映画を見れば納得。
でも授賞式で喜びのあまり、ハル・ベリーの唇を無理矢理奪うのはいかがなものかと思いますが・・・。

深夜らじお@の映画館はこの映画をもっと多くの人に見てもらいたいと心から願います。

acideigakan at 21:31│Comments(8)clip!映画レビュー【さ行】 

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この記事へのコメント

1. Posted by YUKKO   2007年04月17日 00:28
遠くの方からカメラをかまえて、ひいた映像でとった廃墟となったワルシャワは声を失うくらいリアルでした。センチメンタルな部分を廃して描いているところが、余計に胸を打ちました。でも、ポランスキー監督はアメリカには入国できないのですよね!
2. Posted by にゃむばなな   2007年04月17日 20:50
YUKKOさん、コメントありがとうございます。

過酷な体験をされているのにも関わらず、感情的にならずに描いているところが本当に凄いですよね。
でもそんな素晴らしい映画を撮れる監督が犯罪者のためアメリカに入国できないんだから…才能ある人はよく分からん!です。
3. Posted by ちゃぴちゃぴ   2007年04月18日 01:20
確か、シンドラーを観た後、これを観たのですが、
こっちの方が「涙」度高かったですし、ぐぐっと来たモノがありました。
逃げ回ってる映画といっちゃぁそうなんですけどね。
音楽が、媒介してるのもよかったですね。
4. Posted by おらんうーたん   2007年04月18日 01:41
音を出すことなくピアノを弾くシーン、そしてラストのナチス将校とのアイコンタクトが深く印象に残っています。戦争とがいかに愚かなことか再認識させてくれる名作ですよね。
5. Posted by にゃむばなな   2007年04月18日 22:12
ちゃぴちゃぴさん、コメントありがとうございます。

逃げ回っているからこそ、そこに人間らしいリアルさがあるところがこの映画の凄いところだと思います。
実体験した者にしか描けない世界でしたね。
6. Posted by にゃむばなな   2007年04月18日 22:14
おらんうーたんさん、コメントありがとうございます。

あの音を出さないピアノ演奏のシーンは何ともいえない美しさがありましたね。
芸術のみならず、愛することの素晴らしさと戦争の愚かさを知らしめた素晴らしい映画だと思います。
7. Posted by ホーギー   2008年07月21日 01:15
こんばんは、ホーギーです。
この映画は、実在したポーランドの名ピアニストのシュピルマンの体験を基にしていることと、監督ポランスキー自身も本作同様の体験をしていることから作品にとてもリアリティがあり、素晴らしい映画だと思います。
全体的にダークな雰囲気の中で、唯一の光であり、また、キーポイントであるピアノの名曲がとても心に響きます。
当時の時代背景や歴史についてもっと理解を深めることにより、この映画をもっと深く理解することができるような気がします。
ということで、これからもどうぞよろしくお願いします。
それとTBもお願いします。
8. Posted by にゃむばなな   2008年07月21日 10:57
ホーギーさんへ

ポランスキー監督だからこそ撮れた作品でしたね。
監督自身の思いを全て投入したそのパワーが素晴らしい感動を生んでくれたのだと思いますよ。

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