2007年05月15日

『キプールの記憶』

キプールの記憶古今東西数々の戦争映画があれど、この映画ほど戦争の悲惨さを描いた作品はないと思います。『プライベート・ライアン』も『硫黄島からの手紙』も戦争のリアルさに関してはこの映画には及ばない、それくらい衝撃的な映画です。

スピルバーグやスコセッシが最も畏れた映画監督とまで言われたイスラエルの鬼才アモス・ギタイ監督は御自身の第4次中東戦争での実体験を基にこの映画を製作されたそうです。実際に彼がどのような立場で中東戦争に関わったのかまでは知りませんが、少なくともベトナム戦争に従軍したオリバー・ストーン監督が御自身の経験を基に作った『プラトーン』よりも血生臭く、そして汗と泥で汚れた主人公たちの体に纏わりついた死臭が本当に伝わってくるような恐ろしさがありました。

これまで戦争映画といえば戦場で戦う兵士の視点で描かれたものが大半でしたが、この映画の主人公たちは空軍の救急部隊に所属する若者たち。つまり彼らの仕事はヘリで最前線に降り立ち、負傷兵を担架で運んではまた新たな負傷兵を探し、時には助かる見込みのない者を無情にも置き去りにする毎日を送るということ。
たくさんの敵を倒す訳でもなく、瀕死の負傷兵を医療行為で助ける訳でもなく、ただただ助かる見込みのある者だけをヘリの爆音と銃声が飛び交うなか運ぶだけなんです。

正直な感想としては見終わったあとの気分の悪さは最悪に近いものがあります。しかしそれは映画が酷いのではなく、戦争の悲惨さをかつてないまでにリアルに描いているからなんです。もはやこの映画は反戦映画とかそういうレベルではありません。この映画を見て戦争をしたいと思う人など誰一人としてこの世に存在しないであろうと思わせてくれるほど衝撃度。
耳から永遠に離れないヘリの爆音、泥と血が混ざり合った感じの力強い色彩など、映画のどの部分を見てもこれまでの戦争映画がヌルくみえてしまうくらいの恐ろしさがあるイスラエル映画です。
戦争の悲惨さと無意味さをとことん教えてくれる映画なので、是非体調がよろしい日に見ていただくことを心からオススメします。

深夜らじお@の映画館は戦争が大嫌いです。

acideigakan at 18:30│Comments(0)clip!映画レビュー【か行】 

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