2007年06月05日

『ティアーズ・オブ・ザ・サン』

ティアーズ・オブ・ザ・サンアメリカはやはり偽善の国なのか?そんな感想まで持ってしまう、そんなに物語の内容は面白くない映画です。
ですからこの映画を見る際は是非『トレーニング・デイ』や『ザ・シューター/極大射程』のアントワ・フークア監督の力量そのものに注目してみてください。特に軍隊の描き方がこれまでの戦争映画などと比べても明らかに細かいです。そこがこの映画の、いやこの監督の凄いところだと思うのです。

物語自体は深刻な内戦状態にあるナイジェリアでアメリカ人の救出にあたった任務成功率100%を誇る特殊海兵隊のウォーターズ大尉が、ジャングル奥地で難民の治療を行っているリーナ女医の「難民を見捨てることはできない」という言葉に影響され、7人の部下と30人近くの難民とともに隣国への越境を目指すというものです。
昨今ソマリアなどで平和維持活動を称して出兵しては失敗しているアメリカが、あまり報道されないが私共は命を賭けてこんな人道的なこともしているんですよ!という声が聞こえてきそうな偽善っぽい内容です。ですからそんなに深い感動は一切ありませんでした。

しかし、この映画が凄いところは上記にもあるように軍隊の描き方が実に忠実で細かいことです。例えばウォーターズ大尉含め8人の海兵隊が一時的な敵の足止めをするため一列に並んで発砲しているシーンで、端にいる兵士から一人ずつ頃合を見ては後退していく際に隣の仲間の肩を叩いて合図するところは、従来の軍隊を扱った『プライベート・ライアン』などの作品では全く描かれていなかった部分です。
軍隊の性質を考えればそんなことは当たり前なのですが、それが実際に描かれているのを見ると戦闘シーンがよりリアルに見えてくるんですよね。兵士一人一人が仲間をいかに大切に思い、必ず全員生きて帰国することを望んでいる様がよく分かります。

このフークア監督自身がどのような趣味嗜好を持っていらっしゃるのか、それとも軍隊でのご経験が少しばかり長いのかは知りませんが、ああいう細かなところまで描いている監督さんは世界の映画界を見てもこの監督さんぐらいではないかと思います。
一度この監督さんが本格的に戦争映画に挑んだらどうなるのか?それが一番楽しみになった、そんな映画でした。

深夜らじお@の映画館は戦争が嫌いですが、戦争映画はよく見ます。

acideigakan at 18:30│Comments(6)clip!映画レビュー【た行】 

この記事へのトラックバック

1. ティアーズ・オブ・ザ・サン 映画アニメ好きです  [ 木村拓哉の画像送ります ]   2007年07月10日 10:59
【映画】 『ティアーズ・オブ・ザ・サン』ティアーズ・オブ・ザ・サン, ティアーズ・オブ・ザ・サン ブルース・ウィリス (2007/06/27) ソニー・ピクチャーズエンタテインメント この商品の詳細を見る. ナイジェリアでクーデターが起き、反乱軍によって大統領一家が殺され同国...
2. ティアーズ・オブ・ザ・サン  [ ☆彡映画鑑賞日記☆彡 ]   2009年09月03日 20:39
 コチラの「ティアーズ・オブ・ザ・サン」は、元々は「ダイ・ハード4」となるハズだった脚本をやっぱりブルース・ウィリスが主演で映画化した戦争アクションです。共演は、モニカ・ベルッチ。途中で「こんなアメリカ人いるか?」みたいに言われてたけど、アメリカ人の役で....
3. ティアーズ・オブ・ザ・サン  [ Yuhiの読書日記+α ]   2009年09月05日 23:27
 アメリカ海軍特殊部隊シールのウォーターズ大尉(ブルース・ウィリス)は7人の戦術スペシャリストを率い、司令官の絶対的な信頼を得ていた。今回、ウォーターズに与えられた新たな任務は、「内戦下のナイジェリアから、アメリカ国籍の女医リーナ・ケンドリックを救出せよ」...

この記事へのコメント

1. Posted by YUKKO   2007年06月05日 22:45
私はそのような軍隊の動きは記憶にないのです。とにかくモニカ・ベルッチが演じるリーナが自分の患者を救うために、結局兵士たちを犠牲にするって事が許せなくって、憤慨しました。難民に元大統領の息子がいるのを隠していた事も許せなくって映画館でげんなりした記憶があるのです。今度又見る事があったら確認します。
2. Posted by にゃむばなな   2007年06月05日 23:11
YUKKOさん、コメントありがとうございます。

あの女医さんの大間違いすぎる信念の貫き方は私もかなり憤慨しましたね。
兵士も難民も同じ命なのに何を考えてんねん、こやつは!でしたよ。

でも私はそんなことよりも軍隊の描き方だけが記憶に残っていたので、YUKKOさんのコメントを読んで忘れていた部分を思い出しましたよ。
3. Posted by ミツ   2007年06月07日 01:21
こんばんは!

もう内容はほとんど覚えていませんが、ブルース・ウィリスが難民を救おうと決意したことに説得力が皆無だったのはよく記憶しています。肝心の状況設定が、そんな乱暴だったんですから、早々に見限ってしまいましたよ。

これが最初は『ダイハード4.0』用の脚本だったのは有名な話ですが、予定通りにゴーサインが出なくてホントに良かったですよ。
4. Posted by にゃむばなな   2007年06月07日 23:28
ミツさん、コメントありがとうございます。

あぁ〜そういえば、これが『ダイ・ハード4.0』の脚本候補っていう話がありましたね。懐かしいですわ!
5. Posted by miyu   2009年09月03日 20:41
うんうん、あのシーンはクライマックスだけに
とても印象的でしたけど、確かにあれって
実際にはありそうだけど、他の映画なんかでは
あまり観ないですよね〜。うんうん。
6. Posted by にゃむばなな   2009年09月03日 21:55
miyuさんへ

「リアルな戦争映画」という触れ込みは数あれど、ああいう細かなところまで描かれている映画は少ないですよね。

ああいうシーンはやっぱり本物の軍人さんをアドバイザーにしているんでしょうかね。

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