2007年06月30日

『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』

メルキアデス・エストラーダなぜ一人のメキシコ人カウボーイを3度も埋葬するのか?それが一番の疑問でしたが、映画を見ているうちに納得しました。3度の埋葬とは亡き人との過去を整理すること、亡き人を思い出の場所に帰してあげること、そして亡き人と親しかった者がまた明日を生きるために心を整理することであると。

カンヌ国際映画祭で主演男優賞と脚本賞を受賞したトミー・リー・ジョーンズの初映画監督作品ということで以前から気になっていたこの映画。リュック・ベッソンが製作とあって心配はしていたのですが、『アモーレス・ペロス』のギジェルモ・アリアガが書いた、何かしら深いものを感じる脚本のおかげでしょうか、ミニシアター系作品らしい良質の映画だったと思います。

確かに時間軸がバラバラで頭の中で整理しながら見ていかないと追いつけない難解さはあるものの、メルキアデス・エストラーダを故郷ヒメネスに埋葬してあげたいがため、彼を偶然殺してしまった国境警備隊員マイクを拉致しメキシコに連れて行こうとするピートの異常行動はどことなく言い知れぬ寂しさを感じました。

家族のいないピートにとってはメルキアデスはとても大切な友人であり、同時に大切な家族。一方拉致されたマイクは見かけ倒しの仲良し夫婦のため、夫が拉致され行方不明になっても妻は都会暮らしに戻ることばかり考えている薄情者。
人は一人では生きていけない生き物と言われますが、それは別に家族を持たなければいけないとかそういうものではなく、大切な人のために小さなことであれ何ができるかと考え行動することだと思いました。
旅の途中で出会った盲目の老人が死ぬことではなく癌で来れない息子を信じて待つことを選んだくだりも、小さなことかも知れませんがとても大切なことだと思いました。

またラストでピートがマイクに対してメルキアデスに許しを乞うように脅すくだりも、ピート自身が話に聞いていた通りのヒメネスという場所を見つけられなかったことに対して罪悪感を抱き、亡き友人メルキアデスに許しを乞うているような感じさえ受けましたね。ですから解放されたマイクがピートに向かって「一人で大丈夫か?」と声を掛けるくだりもピートの孤独感をより強く感じましたよ。

昨今ついにホットペッパーを配り、日本語で「いてっ!!」とまで言い出したトミー・リー・ジョーンズですが、もしかしたら彼こそが一番孤独というものを理解しているのかも知れませんね。そうだとするとあのCMもどことなく孤独な男の哀愁みたいなものを感じてしまいますよ。

深夜らじお@の映画館は埋葬されるときは1度で十分です。

acideigakan at 20:03│Comments(2)clip!映画レビュー【ま行】 

この記事へのトラックバック

1. メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬  [ ☆彡映画鑑賞日記☆彡 ]   2007年06月30日 21:28
 『約束は必ず守る 絆で結ばれた友情 人生を変えた一発の銃弾 約束を抱え美しき故郷を目指して』  コチラの「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」も3/11に公開になっていたんですが、何とか終了ギリギリに観て来ましたぁ〜♪コメディからシリアスなドラマはては...
2. メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬  [ しーの映画たわごと ]   2007年12月07日 15:22
トミー・リーはずっと好きなおっちゃんです。彼の初監督作品。バリーペッパーも出演でしょ。そして、何と言ってもこの意味深タイトルでしょ。(笑)期待しちゃいます。

この記事へのコメント

1. Posted by miyu   2007年06月30日 21:33
リュック・ベッソン製作でしたか〜。
にしても、にゃむばななさんがお好きな
メル・ギブソン監督といい
クリント・イーストウッド監督といい
このトミー・リー・ジョーンズ監督といい
骨太の映画を撮る俳優出身監督が多いですよね。
トラバさせてもらいますね〜。
2. Posted by にゃむばなな   2007年06月30日 21:50
miyuさん、コメントありがとうございます。

そうですね、最近は監督業もこなしている俳優さんの作品が面白くて面白くて。
特に名前を挙げていただいた3人の作品は凄く好きです。

ただ同じ俳優出身でもロン・ハワード監督作品は最近面白くないので、少し残念です・・・。

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