2007年08月01日

『プライベート・ライアン』

プライベート・ライアンスティーブン・スピルバーグ監督が母親を想い作った映画が『E.T.』なら、これは父親を想い作った映画だと言われています。映画全体を見ても女性が登場するシーンが極めて少なく、より戦争というものをリアルに描こうとすているところが本当に素晴らしいと思います。

まず何と言ってもあの約30分に及ぶ、オープニングのオマハビーチでの戦闘シーンが圧巻です。人が次々と、しかもいとも簡単に死んでいく様子をハンディカメラを用いた撮影技法のおかげでしょうか、見ているうちに言葉にできないくらいの恐怖を感じました。「ママ、ママ」と泣き叫びながら死んでいく兵士や吹き飛んだ自分の腕を持ってさ迷う夢遊病な兵士。生き残るためには死んでいく仲間さえも見捨てなかればならない、そんな過酷な状況に戦争の恐ろしさを嫌というほど感じました。

そして3人の兄が戦士したライアン二等兵を探しに行く8人の生き残り兵士たちの苦悩も見事でした。あの恐ろしい戦場を経験した彼らからしてみれば軍命とはいえ、どこぞの馬の骨とも分からない青二才を助けにいく理由なんてありませんもん。しかもどこにいるかよく分からない彼を探すためには敵陣を通っていくことも余儀なくされるわけで、もちろん犠牲者も出てくるのは当然。
そりゃより「俺たち何してんねん?」という気になってしまいますよね。

でもそんな彼らがライアン二等兵の人柄に惚れて、勝てない戦いと分かっていながらとある橋を守るためゲリラ戦に挑む様は男心を熱くさせてくれましたね〜。
エドワード・バーンズ演じる粋なライベンやバリー・ペッパー演じる孤高の狙撃手ジャクソンもすごく魅力的なんですが、決して彼らを『パール・ハーバー』みたいな陳腐なヒーローとして描いていないところにすごく好感を持ちました。
特に通訳として同行していたジェレミー・デイヴィス演じるアダム伍長の存在は大きかったと思います。人は戦争だから侠気と化して銃で敵を撃てる訳で、普通は彼のように銃を持ちながらも撃てないのが当たり前です。そんな彼をこの物語に加えることで、よりストーリーにリアル感が増し、その分観客の反戦に対する想いがより強くなったのだと思いましたね。

とにかくこれぞ戦争映画史に残る世紀の大傑作と賞賛される映画です。是非スピ監督ももう一度このような作品を撮ってほしいものです。

深夜らじお@の映画館は戦争大反対です。

acideigakan at 18:00│Comments(4)clip!映画レビュー【は行】 

この記事へのコメント

1. Posted by にいな   2007年08月01日 21:30
私もコレ試写会で見たんですが忘れられないです。

捕らえられた敵兵が命乞いの為に心にもないアメリカへのお世辞『ベティ・ブープダイスキ』などを言い続けていたシーンが泣けました。後に彼がアダム伍長とすれ違うシーンがありますよね。あのなんとも言えない息苦しい間がたまらなかったです。

ちなみにこの映画でバリー・ペッパーに惚れました
2. Posted by にゃむばなな   2007年08月01日 22:07
にいなさん、コメントありがとうございます。

そうそう、あのシーンは本当に息苦しかったですよね。捕虜を殺したらダメなのは分かっていても、あんな過酷な状況にずっといればそんな制約も無視しはじめますよね。恐ろしいものですよ、人間ってヤツは!

ちなみにバリー・ペッパーはこの映画以降、どの役柄を演じてもこのジャクソンより格好よく見えないのはちょっと残念です。
3. Posted by YUKKO   2007年08月02日 22:09
音が印象的でした。最初の30分間やドイツ軍の戦車が最初音だけで近づいてくるところなど。でも、やはり最後はアメリカはえらいよ!ってメッセージが読み取れて私はチョッと感動も薄れました。
4. Posted by にゃむばなな   2007年08月02日 23:06
YUKKOさん、コメントありがとうございます。

音響の素晴らしさは映画館で見なければ味わえないものでしたよね。
セピア色の星条旗といい、映像も素晴らしかったと思いましたね。

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