2007年08月12日

『イン・ディス・ワールド』

イン・ディス・ワールド世界は一つなのか、それとも複数なのか?
マイケル・ウィンターボトム監督がたった5〜6名のスタッフで作り上げたこのヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作品は、実話を基にドキュメンタリータッチで描かれたこともあってか、見終わったあとの衝撃度はかなりのものでした。ほんと、毎回のことながらこの監督さんの作品はいつも強く心に残ってしまう魅力があるんですよね。

パキスタン北部のアフガニスタン難民キャンプでスカウトした少年ジャマールを主人公に、従兄弟のエナヤットとロンドンへの密入国の旅を危険な陸路で果たそうとする物語なんですが、密入国というものがどれだけ危険なものなのかがこの映画から嫌なくらいに伝わってきます。

密入国がバレれば本国に送り返されるのはもちろん、ペテン師かも知れない密入国業者への高額な謝礼金、銃を装備した国境警備隊の目を掻い潜りながらの越境。そして密封されたコンテナで酸欠のため死んでしまった従兄弟や仲間たち。
平和な生活を送っている我々には想像もつかなかった世界がこの世界には確実に存在しているという事実、改めて自分は難民問題について何も知らなかったことを思い知らされました。

確かにこの世界にはたくさんの人種、言語、宗教が存在していますが、同時にどの国の人もみんな明日への希望を持ち、笑顔を愛しているなどという共通点もあるんですよね。それを象徴するかのようにジャマールがパキスタンの難民キャンプでもトルコでもイタリアでも仲間と共にサッカーをするシーンはすごく印象的でした。
たとえ世界が国境線で分けられていて各地で戦争が起こっていても、人々はサッカーという合言葉のもとで一つになれる。この心を大切にすれば、世界は必ず一つになれる・・・。映画がクライマックスに近づくにつれ、そんな感想を抱きました。

昨今北朝鮮や東南アジアからの密入国者が増え、日本でも難民問題が他人事ではなくなりましたが、平和な世界に住む我々が死と隣り合わせの危険な世界に住む人たちのことに少しでも関心を持たなければいけないという監督の強いメッセージ。世界は複数に分かれていても必ず一つになれる・・・それは無関心から脱却することから始まるものだと教えられた映画でした。

深夜らじお@の映画館はマイケル・ウィンターボトム作品も大好きです。

acideigakan at 18:43│Comments(0)clip!映画レビュー【あ行】 

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