2007年10月14日

『マーシャル・ロー』

マーシャル・ロー厳戒令を意味する「マーシャル・ロー」ですが、ニューヨークで勃発したテロ事件にFBI、軍、そしてCIAまで絡むというこの映画は1998年に製作され日本で公開されたのは2000年4月。つまり9.11以前に作られた作品なんですよね。

今のこの時代に見れば先見性があったとか言われるのかも知れませんが、当時は中東圏の一部過激派のテロ行為などアメリカの敵ではない!何なら『トゥルー・ライズ』のように戦力の差を見せつけてやる!というのが当たり前の空気でした。
湾岸戦争が終わって以降、映画界での悪役も冷戦時代の旧ソ連からアラブ民族に移行していたとはいえ、あくまでも一部の過激派が車や爆弾を用いての地上戦が主でアメリカ本土が攻撃されるなんてことはまさに映画の世界だけのことでした。
それがまさかハイジャック機でWTCに突っ込むなんてことが起こるとは・・・。現実がフィクションを超えてしまっていることに何よりも恐怖を感じます。

ただこの映画で描かれているのは、NYが心底凍りつく様子よりもわずかな情報で人種差別などの野蛮行為に動いてしまう人間の愚かさが中心なんですよね。
映画後半でアラブ民族がみんな一ヶ所に集められるシーンがありましたが、第二次大戦中では日系人が収容所送りにされたり、日本でも関東大震災直後は朝鮮民族に対するデマによる虐殺や差別が行われていたという史実もあることですから、こんなことは現実に起こっても不思議ではないと思っていました。

でも上記でも述べたように現実がフィクションを超えてしまった今、実際にアラブ人が一ヶ所に集められるなんてことがなかったと安心できる一方で、『キングダム〜見えざる敵〜』でもあったように個人を見ずに暴言や差別発言をしていることなんて、きっと私たちが想像する以上に日常茶飯事で行われていることなんでしょう。

またアネット・ベニングの台詞でもありましたが、テロ組織なんてとかげの尻尾と同じで切ってもまた新しいのがはえてくる。つまりテロとの戦いを終わらす方法なんてそう簡単には見つからないってことですよね。
この映画が日本で公開された2000年から7年経っても未だテロを撲滅させる糸口が見つかっていない事実と、『キングダム〜見えざる敵〜』と同じように指導者的立場にある者が暴走しかねない現実。
あくまでフィクションなのに9.11以降のこの時代に見るとますます平和が遠のくような気になってしまう映画に見えてしまうことに驚いた作品でした。

深夜らじお@の映画館は社会派映画は結構好きです。

acideigakan at 14:10│Comments(0)clip!映画レビュー【ま行】 

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