2007年11月21日

『ホワイトアウト』

ホワイトアウト真保裕一先生の原作を映画化し、日本版『ダイ・ハード』と銘打たれて公開されたこの作品は、auの大バックアップのもと豪華キャストでさぞかし面白い作品を見せてくれるのではと期待した映画ファンを見事に裏切ってくれる出来でした。
それまで『東京ラブストーリー』や『振り返れば奴がいる』で織田裕二さんにまだマシなイメージを持っていた私もこの映画以降、彼の作品を見るたびにこの悪夢が蘇ってきます。

そもそも「ホワイトアウト」とは猛吹雪で視界ゼロとなることだそうで、雪山では最も危険な状態の一つとされているそうです。
で雪山の大きなダムを舞台にしたこの映画はテロリストがダムを乗っ取ることで河口の街に洪水という名のカードを用いて取引を持ち掛ける設定がすごくおもしろく、本来なら籠城している方が不利なはずなのに、逆に取り囲んでいる警察の方が不利な状況に追い込まれている様にすごくワクワクしました。

でもこの映画で楽しめたのはここまで。そこからがこの映画は全然面白くないのです。
まずジョン・マクレーン並みに織田裕二さん演じる富樫が孤軍奮闘してテロリストと戦うのですが、『ダイ・ハード』と違ってこの映画では富樫が今どこにいるのかという説明が一切ないのです。敵との距離が近くなればなるほど観客はその緊迫感にドキドキしますが、この作品はそういう状況把握のシーンが皆無ないので、いきなり敵が現れては戦うなど緊迫感の欠片も楽しめないのです。

さらにこの映画の大スポンサーとなっていたauの、しかも当時一番斬新な?というか変わったデザインのケータイをドアップで映したりするなど、スポンサーさんに気を遣いすぎなシーンも目につくんですよね。いったい製作陣は観客とスポンサーのどしらを向いて映画を撮っているのか疑問に思うほどでしたよ。

またヒロインの松嶋菜々子さんもはっきり言いまして邪魔でした。婚約者の親友を知りもせずにあんな危険地帯に赴くなんて、完全な足手まといになっとるだけじゃないですか!

そして極めつけはラスボスであるはずの佐藤浩市さん。彼ほどの名優がこの程度の映画に出演した挙句、何ですかあの最後の行動は?
それまでの綿密な計画が嘘のようにバカげた三流アクション作品になったかのようなくだりに、思わず「ここでスクリーンがホワイトアウトしてくれ!」って思いましたよ。

さてそんなこんなで同じ雪山を舞台にした『ミッドナイト・イーグル』と織田裕二さん主演の『椿三十郎』もどうなんでしょうか?
ちょっと心配なのは邦画冬の時代を見てきた世代だけなのかな?

深夜らじお@の映画館は寒いのが嫌いなので雪山には行きたくないです。

acideigakan at 18:00│Comments(2)clip!映画レビュー【は行】 

この記事へのコメント

1. Posted by ミツ   2007年11月21日 20:23
僕はこの映画の最大の欠陥は富樫を一度ダムから脱出させてしまったことだと思っています。閉鎖的な空間で否応なしに巻き込まれるのがウリなんですから、一度でもそこから「逃げようと思えば逃げられる」状況を作った時点で醒めてしまいました。それなのに逃げない選択をさせて、ドラマチックにしたかった狙いも分かりますが。
2. Posted by にゃむばなな   2007年11月21日 20:58
ミツさん、コメントありがとうございます。

そのご意見、すごくよく分かります。
『ダイ・ハード』と比べても生ぬるく感じてしまうのは、そういう「逃げれる」余裕を作ってしまったからでしょうね。

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