2008年03月23日

『8Mile』

8Mileこの映画が公開された当時のエミネムは白人ラッパーという珍しさだけでなく、その類稀なる存在感でまさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。そんなちょっと売れている歌手を主役にした安っぽい映画かと思って見ると、映画としての出来の素晴らしさとエミネムという存在感に誰もが圧倒されるのではないかと思います。

まずこの映画を見た映画ファンの誰もが改めて感心してしまうのはカーティス・ハンソンという監督の巧さ。『L.A.コンフィデンシャル』や『激流』など編集の巧さで観客を映画の世界に引き込むその手法はこの映画でも確実に生きていましたね。
エミネムが演じる主人公ジミーが目標とするラップバトルは傍から見れば単なるけなし合いにしか映りません。でもそれを私生活で溜まった鬱憤を晴らす舞台として、そして8Mile先に進むためのきっかけとして、ジミーが今ある力を全てここに注ごうとする大舞台として描く巧さは本当に素晴らしいと思います。
特に出番前にトイレで集中力を高める時の静かな緊張感。壁の向こうでラップバトルが行われるなか、全ての想いと持てる全ての力を集約しようとする彼の姿が非常に印象深かったです。

この映画はエミネムという人物の半生を描いたとも言われているそうですが、実際どこまで真実に迫っているのかは分かりません。憎むべき母親、自分を裏切った恋人、近くて遠い8Mile先の世界、そして自分の実力を信じながらも疑ってしまう自分自身の弱さ。この映画で描かれている主人公ジミーはすごく等身大であり、同時に未だに大統領選にも大きく絡む貧困という社会問題に苦しむ貧しき人々の現状ではなく心情を描いているので、単なるサクセスストーリーとして完結していないところがとても好印象でした。

何かを成し遂げたいと思う全ての人に見ていただきたい映画であるとともに、ラップという音楽に偏見を持っている人にも是非見ていただきたい映画。そして映画を見終わるとこの映画でアカデミー主題歌賞を受賞したエミネムの「Lose Yourself」がすごく耳に残ると思います。

深夜らじお@の映画館はこの映画でエミネムが好きになりました。

acideigakan at 14:16│Comments(2)clip!映画レビュー【あ行】 

この記事へのコメント

1. Posted by YUKKO   2008年03月23日 22:06
エミネムの魂の詩でしたね。
でも、実母、元妻、会社スタッフまで訴訟を起こされたそうで、激しい家庭環境ですね。
この映画を見た時はアメリカの家庭って壮絶なところがあるのね・・・なんて思いましたが、最近の日本の事件見たら日本の家庭での虐待なんていっぱいあるようで、背筋が寒いです。
2. Posted by にゃむばなな   2008年03月24日 00:17
YUKKOさんへ

エミネムも大変な人生を歩まれてきたんだなぁ〜と思える映画でしたね。
昨今家族ないによる悲惨な事件が多数ありますが、できればこういう不幸なことはこれ以上起こらないでほしいものです。

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