2008年03月25日

『セブン・イヤーズ・イン・チベット』

セブン・イヤーズ・イン・チベット今や北京オリンピックの開催すら危ぶまれているほど世界的な大問題にまで発展したチベット問題。この一連の問題に火をつけたのはやっぱり先日中国でライブをした際のビュークの発言だったのかな?と思ってしまいます。一日も早くこのチベット問題が平和的に解決することを願うと共に、映画ファンとしてはこの映画で描かれている中国の支配が及ばない頃のチベットに戻ってほしいことも願ってしまいます。

この映画は実在したオーストリアの登山家の実体験を基にした原作を映画化したものだそうで、公開当時はレオナルド・ディカプリオ主演の『タイタニック』と公開時期が重なっていたこともあってか、イケメン対決だなんて宣伝もされていたそうです。
でもこの映画はそんな安っぽい映画ではなく、『愛人/ラマン』や『スターリングラード』『トゥー・ブラザーズ』など言葉の少ない世界で想いを相手に伝える演出を得意とするジャン・ジャック・アノー監督の魂の作品だと私は思います。

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ師は毎回前ダライ・ラマ師の死後、彼の生まれ変わりを探しては幼き子供を新しいダライ・ラマ師として選んでいるそうで、生まれや家柄などは全く関係なしだそうです。もしこれが家柄重視だったりすると無駄な争いが増え、チベット仏教の教えもいつかは途絶えてしまうんでしょうね。でも今でもチベットの人々が信仰深いのはひとえに宗教の世界に人間の欲望という汚きものが少ないから安心して仏様に願いを託せるのでしょう。

そんな純粋な世界がこの映画ではブラッド・ピット演じる登山家と幼きダライ・ラマ師との交流やチベットの風景の美しさで表現されているのが実に心に残ります。どんなきれいな言葉や格好いい決めセリフよりも大切なもの、それこそが相手を敬う精神なんだと思います。
相手が子供だろうが、宗教の最高指導者であろうが、異国の登山家であろうが相手を敬う気持ちがあれば自然とそれは言葉や行動に出てくるもの。世の中にはきれいな言葉だけ並べ立てて言葉とは正反対のことをしている人が腐るほど多いなか、こういった交流というものはとても大切にしなければならないものだと思いました。

これから4月になり新社会人も増えるとともに、新人いびりをする最低な人も増えると思いますが、相手を敬う心があれば新人であろうとベテランであろうと特に大きく態度を変える必要はないはず。オリンピック成功を目指しながらチベットを軍事力で無理矢理押さえつけようとしている中国、国民の老後を保証する言っておきながら年金制度を破綻させてた日本の社会保険庁など相手を敬う気持ちを忘れた人たちの行動は本当に人として最低だと思います。
心の交流に必要なもの、それが何なのかを教えてくれるこの映画を今のこの時代、たくさんの人が見るべきだと切に思う今日この頃です。

深夜らじお@の映画館は一度チベットに行ってみたいです。

acideigakan at 18:00│Comments(8)clip!映画レビュー【さ行】 

この記事へのトラックバック

1. セブン・イヤーズ・イン・チベット  [ ☆彡映画鑑賞日記☆彡 ]   2008年03月25日 23:19
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2. 【DVD】セブン・イヤーズ・イン・チベット  [ 新!やさぐれ日記 ]   2008年05月03日 11:02
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4. セブン・イヤーズ・イン・チベット  [ 悠雅的生活 ]   2011年07月24日 22:10
大洋に勝る徳。

この記事へのコメント

1. Posted by miyu   2008年03月26日 00:11
相手を敬う、尊重する。
それさえ出来れば、本当に簡単で
シンプルな事なのに、物事って複雑になりますよね。
おっしゃるように平和的に解決されるといいですよね。
2. Posted by にゃむばなな   2008年03月26日 21:45
miyuさんへ

こんな当たり前のことなのに、それができないばかりにこんな世の中になっている。本当に悲しいことですよね。
3. Posted by sion   2008年03月30日 14:00
先日はコメント&TBありがとうございました。
この映画は10年前くらいの作品でしたよね。
主演がブラット・ピットというだけで、内容もよく知らないまま映画館へ観にいったのを覚えています。
観終わったあと 邪気が抜けたような・・私も何かしなくては・・と思いました。しかし10年経って思い返してみると、私は何も変わっていません。。
今、毎日のようにチベット問題がニュースで取り上げられていますね。
何も変えたくないチベット民族、変えてしまいたい中国政府・・何かいい解決策はないものなのでしょうかね。

4. Posted by にゃむばなな   2008年03月30日 20:25
sionさんへ

外人さんに道を聞かれて英語で教えることができたときなど、言葉が違う国の人と交流できたときはよくこの映画のことを思い出します。
言葉は違っても心は通じるって本当に素敵ですよね。
5. Posted by 晴雨堂ミカエル   2009年07月14日 12:06
残念ながらチベットには行き辛い状態です。
行った事のある知人の話によれば、けっこう現地の漢族は乱暴で野卑な人が目立っていたそうです。よく中国の第二次大戦モノに粗野な日本人が狼藉をはたらく場面がありますが、まったく同じ事をやっているわけですね。
日本人は漢族と間違われ易く、しばしば睨まれたそうですが、日本人とわかると急に友好的になったそうです。
6. Posted by にゃむばなな   2009年07月14日 15:09
晴雨堂ミカエルさんへ

チベットは凄く魅力ある地域だけに行きたい人も多いはず。
でも中国政府の政策では我々外国人の入国は難しいのでしょうね。

最近のウイグル人に対する愚行もそうですが、中国の少数民族に対する政策は悪策ばかりですよね。
7. Posted by 悠雅   2011年07月24日 22:21
仰る通り、言葉であれこれ説明しなくても伝わる、品の良い美しい作品でした。
自己中心的だった主人公が、相手を尊重し、素直な心で接することを覚え、
やがて、とても穏やかで優しい男になってゆく。
宗教的な指導者であれ、まだ少年と言えるダライ・ラマの風格、慈悲深さなど、
どれをとっても心が洗われるようでした。
それだけに、一方的な支配を強いる場面に怒りを覚え、
心から平和的解決を望まずにはいられません。

8. Posted by にゃむばなな   2011年07月25日 21:12
悠雅さんへ

中国の一方的なやり方に未だに抵抗し続けるダライ・ラマ14世。
考えてみれば、彼は故郷に帰れない身でありながら、故郷を思い、あんな尊い活動をされているんですよね。
その原点を見ると、今の世の中に本当に必要なものは何かが見えてきますよね。

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