2008年05月31日

『茶の味』

茶の味この映画を見ていると、日々いろんなことに追われている今の生活が無意味に思えてしまいます。田舎で暮らす一見普通に見えるけれど実はみんなそれぞれに悩みを持っている春野一家を淡々と見せているだけなのに凄く心が落ち着くというか、こんな場所でこんなにのんびりと暮らすことこそが本来自分のあるべき姿なんじゃないかなど、いろんなことを自問自答させてくれる映画でした。

クエンティン・タランティーノ監督もその才能に注目しているという石井克人監督。私はこの映画が石井作品初体験だったのですが、映像が非常にきれいな割りには決して映像だけに走っていないところに凄く好感を持てる監督さんだと思いました。
特にCGやアニメーションに関しては額から電車が走り出すなどの突飛な映像も多々ありますが、あくまでもそんな映像は主人公たちの心情を客観的に描く手法の一つ。CGやアニメーションに関して何か勘違いしている多くの映像作家さんには是非見ていただきたい映画ですね。

またストーリーもどことなく『リトル・ミス・サンシャイン』のような家族もの。
恋に悩む長男の一、時折現れる巨大な自分自身という幻想にどう対処すべきか悩む妹の幸子、アニメーターとしての復帰に奮闘する母親の美子、妻の仕事復帰を素直に認められない父親のノブオ、初恋の人に未練タラタラな叔父のアヤノ、漫画家としての仕事に行き詰るノブオの弟の一騎など、みんな誰にも相談することなく自分自身の世界の中で悩んでいるのですが、そんな家族の中でもマイペースに生きるおじいちゃんがとても面白いんですよ。

一見周囲のことなど気にもせず、三角定規の歌を歌いながら踊ったり、漫画家の一騎とともに「山の歌」をリリースしたりと如何なくマイペースぶりを発揮してくれるんですけど、そんなマイペースさの裏には家族を見守っている優しさが溢れているところが凄く素敵でした。特に葬式後におじいちゃんの部屋で見つけた家族一人一人を描いたあのパラパラ水彩画。どれも特別な姿ではなくごく日常のことなのに、そこには家族それぞれに必要な前向きな心、笑顔などが確実に描かれていたのにはちょっと感動してしまいました。

決して大笑いさせてくれたり、感涙させてくれたりする映画ではありませんが、この映画を見ているとこんな自然豊かな場所で日向ぼっこしたり、田園風景をのんびり眺めたり、囲碁を打ったりする暮らしがいいと思えることこそが日本人として生まれて良かったと感じる瞬間なんだと思いました。普段の生活では日本茶を味わうときくらいしか日本人として生まれて良かった〜なんて思えることがないので、私も今の生活を改めるならいっそのこと、こんな生活にしてしまおうかな?と思っちゃいました。
現代社会の慌しくストレスと脂肪ばかりが溜まる生活に疲れた方は是非見ていただくことをオススメする映画でしたね。

深夜らじお@の映画館はこれから徐々に復帰に向けてリハビリしていきます。

acideigakan at 18:22│Comments(2)clip!映画レビュー【た行】 

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この記事へのコメント

1. Posted by ヨゥ。   2008年05月31日 21:09
お久しぶりです。
あたしも先日観たばかりです。
温かい雰囲気に包まれていて、水彩画のラストには涙してしまいました。
なんだか心が柔らかくなる映画でした。

2. Posted by にゃむばなな   2008年05月31日 21:26
ヨゥ。さんへ

心が温かくなる映画って本当にいいですよね。
こういう映画こそ多くの人に見てもらいたい作品ですよ。

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