2008年09月06日

『七人の侍』

七人の侍時代劇映画は数あれど未だにこの映画よりも面白い時代劇映画に出会ったことがないと断言できるほど、製作から50年以上経っても間違いなく面白いと感じるこの映画。スティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカスを始め、世界中の映画関係者に多大なる影響を与えたことでも有名ですが、最近では渡辺謙やチャン・ツィイーなどアジアのスターを集めて新解釈でリメイクしようという動きもあるとか。でも新解釈でリメイクしてもオリジナルを超えることはできないでしょうね。

この映画が今なお素晴らしいと思える理由、それはこの映画には主観というものが今の映画と比べても結構薄いところだと思います。つまり主人公に感情移入させる手法を取るのではなく、常に観客にも七人の侍、農民、野武士など映画全体を意識させる作りになっているところだと思うのです。

例えばこの映画では戦いのシーンは基本的に遠巻きで撮っていることが多いです。本来なら主人公たちをアップで撮って見せるところを、黒澤監督は俳優たちにカメラの位置を一切教えずに半ば隠し撮りのような形式で撮っていたそうです。
これによりカメラに映るところだけ演技をしていればいいという考えを俳優たちの頭から排除させ、どこにカメラがあるのか分からない分、四方八方に注意を払いながら演技をしなければならないようにした結果、あのような緊迫感ある映像が撮れたそうです。

その他にも野武士襲来のシーンを馬が駆ける脚の部分を重点的に見せることでよりスピード感と、野武士が迫ってきているという緊張感を一気に演出するなど、とにかくこの映画は物語の展開の面白さ以上に、観客も映画の一部とばかりに細部まで計算された演出が非常に面白い映画だと思います。
上映時間207分と長い映画ではありますが、映画は観客に見せるものであり、観客として見るものでもあるという、この微妙なニュアンスを黒澤監督はしっかりと理解されていたのでしょうね。私は207分間全くダレることはありませんでした。

黒澤明監督作品は全て見ている訳ではありませんが、それでも間違いなくこの映画は黒澤監督の最高傑作であり、日本が世界に誇れる映画でもあると思います。
もし今こんな演出ができる映画監督がいるかと言われれば、おそらく世界中を探しても一人としていないのではないでしょうか。それくらいに凄い映画だと思います。

ちなみに55年前の今日はこの映画がヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞された記念すべき日だとか。果たして宮崎・北野・押井の3監督が出品している今年のヴェネチア国際映画祭の結果はどうなるのでしょうか?

深夜らじお@の映画館は菊千代と聞けばチャンバラトリオを連想してしまいます。

acideigakan at 18:47│Comments(4)clip!映画レビュー【さ行】 

この記事へのトラックバック

1. 七人の侍  [ ☆彡映画鑑賞日記☆彡 ]   2008年09月07日 10:12
 コチラの「七人の侍」ですが、タイトルを耳にした事がないって人はひょっとしたらいないんじゃないか?って位の言わずと知れた故黒澤明監督の名作ですよね。実は観た事がなかったのですが、ついに観ました!  お話としては、戦国時代の貧しい農村では収穫後に来る野武....
2. 七人の侍  [ シェイクで乾杯! ]   2008年09月19日 00:44
5 戦後わずか9年でこの映像、凄まじい脚本。一部の隙も無駄も無い。
3. 黒澤明パート2  [ Akira's VOICE ]   2009年05月27日 17:50
中〜後期の作品。 
4. 七人の侍  [ 5125年映画の旅 ]   2010年04月03日 07:40
戦国の時代。とある農村に収穫を略奪しようとする野武士の影が迫る。農民達は野武士を撃退するために侍を雇うことを決意し、4人が侍探しに町へ下りた。勘兵衛という浪人に惚れ込んだ農民は用心棒の仕事を依頼するが、勘兵衛は「40の野武士を相手にするには最低でも7人....

この記事へのコメント

1. Posted by えめきん   2010年04月03日 07:44
こちらにもお邪魔します。

日本映画界が胸を張って誇れる、時代劇映画の大傑作ですよね。世界中のクリエイターが絶賛していることが、この映画の高い完成度を証明しています。

>アジアのスターを集めて新解釈でリメイク
そういえばそんな話もありましたね。でも、今観ても全く古臭さを感じない作品をリメイクしてもあまり意義はないような気もします。
2. Posted by にゃむばなな   2010年04月03日 13:37
えめきんさんへ

この映画は本当にどんなに時代が変わっても傑作と断言できる名作ですよね。
リメイクもしないでほしい、本当に世界に誇るべき映画ですね。
3. Posted by さすらい日乗   2016年07月22日 14:41
5 これは戦国時代のお話ではありません。
太平洋戦争に、なぜが徴兵されずに終わった黒澤明にとっての戦争への参加なのです。
だから、本当にリアリティのあるものになったのだと思います。
4. Posted by にゃむばなな   2016年07月24日 00:47
さすらい日乗さんへ

そうなんですか、知りませんでしたよ。
やっぱり偉大なるクリエイターにはいろいろあるものなんですね。

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