2008年09月21日

『プレッジ』

プレッジ語る映画よりも感じる映画の方が好きだというショーン・ペン監督がジャック・ニコルソンを主演に迎えて描く暗く重いサスペンス。正直他のサスペンス映画と比べても謎は完全に解かれないまま終わってしまうこともあってか、分かりにくいという評価も多々あるそうです。
でもこの映画で描かれているのは犯人は誰かという謎解きではなく、むしろ見えない犯人像と遺族との約束に人生を狂わされる老刑事の狂気。それは決して頭で理解できる世界のものではないんですよね。

定年退職を6時間後に控えた老刑事の元に突然舞い込んできた少女強姦殺人事件解決にあたるという設定を聞いたときは久しぶりに『セブン』いたいな映画が見れるとワクワクしていたものの、実際に映画を見てみると老刑事がその遺族との約束に必要以上に取り付かれ、狂人化していく様を描いているのには正直ちょっと戸惑いました。
なんせ前半は面白そうな感じが映画全体から漂っていたんですから。

でも容疑者としてベネチオ・デル・トロが逮捕されたあたりから、この映画は徐々に精神世界とリンクし始めるんですよね。そして容疑者自殺で事件は解決したと喜ぶアーロン・エッカートを始めとする周囲と犯人は他にいるはずだから事件はまだ解決していないと読むジャック・ニコルソンの間に漂う大きな溝が時間を追うごとに段々濃くなっていくんですから、見ている途中からもはや事件解決は期待できないと思っていました。
で最後は道に面したブランコを見張り続けて・・・ですもんね。そりゃ見終わった後、重い気分になるのは当たり前ですよ。

ただ私がこの映画を見た5年以上前とは違い、小さな子供が事件に巻き込まれることが多発している今の時代にこの映画を見ると、これまた違う感想になると思います。
というのも考えてみればここ数年で小さな子供が巻き込まれた未解決事件がどれだけあることか。今市の事件や最近では福岡の事件もそうですが、秋田の事件だって始めは未解決になるかもと言われていたくらいでしたよ。

これだけ情報が氾濫しながらも、社会がかつてのようなコミュニティーではない分、安全が全て警察任せになっている現代。氾濫する情報が真実を隠し、繋がりの薄くなった地域社会が犯人の炙り出しを阻害している昨今。私たちの想像以上に闇は大きくなっており、それが少しでも闇に触れてしまった人の心にまで侵食する恐ろしさ。
ショーン・ペン監督はそんな恐ろしき狂気の世界をこの映画で描きたかったのではないでしょうか?
そう考えるとショーン・ペン監督のセンスは素晴らしいと思います。関西では今週末から公開予定の『イントゥ・ザ・ワイルド』も楽しみになってきましたよ。

深夜らじお@の映画館の心も今は闇に覆われつつあります。

acideigakan at 13:57│Comments(2)clip!映画レビュー【は行】 

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1. 映画 プレッジ(2001) 男には約束を守る義務がある、しかし・・・(悲)  [ ザ・競馬予想(儲かるかも?) ]   2009年11月29日 20:30
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この記事へのコメント

1. Posted by ディープインパクト   2009年11月29日 20:36
『プレッジ』観ました。物凄く良かったです。女の子が赤い服を買ってしまう所から緊迫感が増しました。
それに普通は犯人が迫り来るサスペンス映画が多い中で、この映画は逆に犯人に近づいてしまう緊迫感がありました。
それにこの映画のショーン・ペンの監督としての力量は凄いですね。
彼は俳優としても素晴らしいですが、これからも監督業にもっとチャレンジして欲しいですね。
2. Posted by にゃむばなな   2009年11月29日 23:01
ディープインパクトさんへ

ショーン・ペンは感じる映画が好きらしいので、この映画もサスペンスでありながら、描いていることは精神的なサスペンスが中心でしたからね。

ラストの終わりのない捜査とも思えるところも秀逸でしたよ。

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