2008年10月26日

『王の男』

王の男韓国映画界興行収入歴代1位にまで上り詰めたこの作品。儒教の国である韓国で男色、公の場での下世話ネタをここまで描くとは本当に驚きです。そしてそれ以上にコンギル役のイ・ジュンギの美しさ。先日の「アジアイケメン若手スター10人」に名を連ねているだけのことはありましたが、でも彼の場合はイケメンという言葉で片付けたくない「男としての美しさ」がありましたね。

映画の冒頭でコンギルと共に旅芸人をするチャンセン役のカン・ウソンがより男臭いことや、権力者がコンギルを床に呼ぶという男色の世界まで描いているので、てっきりこの「傾国の美男子」を巡る愛憎劇だけかと思いきや、そこにちょっぴりの政治サスペンスとBLの純愛世界。
特に「純愛はBLにあり」という説を『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』『ブロークバック・マウンテン』などのように裏付けつつ、これらの作品とは違い主役2人が精神世界だけで繋がろうとしている様を描く巧さは見事でした。

また韓国史上最悪の暴君と言われている燕山君が壊れていく描き方も巧いですね。始めはストレス解消程度に笑いつつ、そこからその笑い顔が日を追うごとに徐々に不気味になっていく壊れよう。どこかで歯止めは利いていたはずなのにという思いも感じさせつつ、気づいた頃には手遅れだったという『ラスト・キング・オブ・スコットランド』に似た怖さ。

とにかくこのイ・ジュンギの美しさを見た目以上に際立たせるために芸人仲間がみんな汚い見てくれだったり、ネタが下世話ネタばかりだったり、王の側室が美男子に嫉妬したりといろんな要素を散りばめてあるのが巧いなぁ〜と思える作品でした。
そして最後にチャンセンの視覚を奪ってしまうのもコンギルの美しさを永遠に残したいという意味なのか、それとも精神世界の繋がりに視覚情報はいらないという意味なのか、様々なことを考えさせるシーンだったと思います。

昨今何でもかんでも見せる作品が多い中、久しぶりに観客にいろんなことを想像させる意味深な映画でした。
しかし韓国は『グエムル〜漢江の怪物〜』やこの映画など、話題性重視の作品がヒットする日本とは全然違う内容の映画が大ヒットするんですね。本当に近くて遠い国だと思いましたよ。

深夜らじお@の映画館にBL趣味はございません。

acideigakan at 15:44│Comments(2)clip!映画レビュー【あ行】 

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この記事へのコメント

1. Posted by miyu   2008年10月26日 20:48
あたしもこの作品のクオリティの高さには
脱帽した覚えがあります。
観たのは試写会でしたので、もうだいぶ前なのですが、
それでも様々なシーンが記憶に残っています。
2. Posted by にゃむばなな   2008年10月26日 20:58
miyuさんへ

ほんと、この映画のクオリティの高さには驚きでしたよ。
これまでたくさんの韓国映画を見てきましたが、この作品はちょっと異質に感じましたよ。

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