2008年12月18日

『ブロークン』

ブロークン映像の美しさ以外全てにおいて中途半端。鑑賞後にはそういう感想しか出てきませんでした。『フローズン・タイム』のショーン・エリス監督の新作ということで期待はしていたのですが、う〜ん残念。この監督も映像だけに走る監督に成り下がってしまうのでしょうか?

鏡を一つのキーワードにしたこの映画。となると否が応でももうすぐ公開される『ミラーズ』と比べてしまうのですが、描かれているのは『ミラーズ』が「鏡に映る自分」に対して、この映画は「鏡の向こう側の自分」というもの。つまりは鏡の向こう側に自分が住んでいる世界とよく似た世界があるということ。

この設定に関してはなかなか面白いと思いましたが、ところがこの映画にはなぜ鏡の向こう側の世界から来たのか?何が目的なのか?などの説明が一切ないのです。しかも『ミラーズ』と決定的に違うのは「鏡を見る恐怖」がないこと。
つまりはホラー映画としてもサスペンス映画としてもどちらも中途半端なんです。

もう一人の自分がいるという恐怖なら、ドリュー・バリモア主演の未公開作品『ドッペルゲンガー』みたいに怖がらせてほしいです。
自分がこの世界の人間でないかも知れない恐怖なら、ゲイリー・シニーズ主演の『クローン』のように途中で一度観客をダマしてほしいです。
そしてクローンを題材にした『6デイズ』と同じとしか思えないあのオチ。途中で読めてしまいましたし、本当に酷いです!そもそも自分が犯した罪くらい覚えておけよ!って思いましたよ。

映像全体が黒を基調としながら、地下鉄車両のドアや主人公のチェロシーなど黒ずんだ赤色も印象的に見せる映像感覚は本当に素晴らしいと思ったのですが、できれば鏡を割れば向こう側の世界の自分がこちらの世界にやってくるよという恐怖をもっと観客に思わせるくらいに、何なら鏡を見ることに恐怖を抱かせるくらいにしてほしかったですね。期待していただけに、ちょっと残念です。

ちなみに欧米の作品は未だに風呂場での殺人シーンはどれも『サイコ』もどきばかりなのもちょっと幻滅でした。逆に言えばそれだけ『サイコ』という作品が映画史に残るほどの作品ということなんでしょうけど、そろそろ「もどき」は止めてもいい頃ではないでしょうか。

深夜らじお@の映画館はもう一人の自分がいたら、2人でイタズラに命を掛ける生活を送りたいです。

acideigakan at 18:00│Comments(6)clip!映画レビュー【は行】 

この記事へのトラックバック

1. ブロークン The Broken  [ 佐藤秀の徒然\{?。?}/ワカリマシェン ]   2008年12月18日 18:10
公式サイト。ショーン・エリス監督、レナ・へディ、リチャード・ジェンキンス、ミシェル・ダンカン、アシエル・ニューマン、メルヴィル・プポー、ダレン・エリオット・ホームズ、ウルリク・トムセン、スタン・エリス。全てはけたたましいガシャーーン!で始まる。この映画の....
2. ブロークン  [ 猫の毛玉 映画館 ]   2008年12月18日 18:57
『ブロークン』 The Brøken 2008年・イギリス=フランス ファッション・フォトグラファーとして成功したショーン・エリスが監督・脚本した長...
3. ブロークン/The Broken  [ 我想一個人映画美的女人blog ]   2008年12月19日 00:41
今年の2月公開になった『フローズン・タイム』の監督、ショーン・エリスの最新作{/kaminari/} 『フリーズン・タイム』が面白かったので、その監督が撮るミステリーチックなサスペンスってコトで ちょっと期待してました、来月の公開を前にちょっとだけ早く試写で鑑賞{/hik...
4. ブロークン  [ 映画三昧、活字中毒 ]   2008年12月21日 04:15
■ テアトルタイムズスクエアにて鑑賞ブロークン/THE BROKEN 2008年/イギリス、フランス/88分 監督: ショーン・エリス 出演: レナ・ヘディN..
5. ブロークン(2008英/仏)  [ CINEPHILIA〜映画愛好症〜 ]   2009年01月04日 17:37
(今回は、私の印象を“フィクション”形式でお送りします。あらすじは一番下をご覧ください) 親戚のオバサンにお見合いをすすめられた。 気乗りしなかったが、写真を見てピンときた。 「この人こそ、私の理想のだんな様だわ」 一度も会ったことのない男の子
6. ブロークン  [ 空想俳人日記 ]   2009年02月01日 09:59
鏡よ鏡 もうひとりの そこに自分  ファッション・フォトグラファーとして活躍するショーン・エリスが2004年に手掛けてその年のアカデミー賞にもノミネートされた短編作品を長編化した異色のロマンティック・ストーリー、それが「フローズン・タイム」。原題「CASHBACK...
7. ブロークン(DVD)  [ パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ ]   2009年06月09日 00:11
2 一流ファッション誌などで、国際的に活躍する英国のフォトグラファー、ショーン・エリス。2005年のラブ・ストーリー『フローズン・タイム』で、長編監督デビューを飾った。脚本・製作を兼ねて挑んだ長編第2作に当たる本作は、作風をガラリと変えてドッペルゲンガー(...
8. ブロークン [DVD]  [ 映画鑑賞★日記・・・ ]   2009年06月09日 12:39
原題:THE BROKEN公開:2008/11/15製作国:イギリス/フランス PG-12上映時間:88分監督:ショーン・エリス出演:レナ・ヘディジーナ、リチャード・ジェンキンス、ミシェル・ダンカン、メルヴィル・プポー、アシエル・ニューマン鏡の中の世界は、もう一人の見知らぬ<自分>....

この記事へのコメント

1. Posted by mig   2008年12月19日 00:44
にゃむばななさん★

こんばんは〜、
あ、ちょうど入れ違いで鏡の映画のレビューupしてたんですね(笑)

なんか、読めるオチでしたよね〜。
うん、「ミラーズ」の方が面白かったですー。

そうそう、「猟奇的な彼女」のNY版観たんですが
やっぱりオリジナルのチョン・ジヒョンの可愛さは格別ですねー^^
2. Posted by 佐藤秀   2008年12月19日 09:47
これ、いっぱいダブルが出てきた時点でホラーじゃないですよね。精神分析の世界だから怖さはなかったです。
3. Posted by にゃむばなな   2008年12月19日 16:56
migさんへ

こういう映画は途中でオチが読めるとキツいですよね。
ショーン・エリス監督も映像だけに走る監督に成り下がってしまうのでしょうか。ちょっと心配です。

いつの間にかDVDスルーされてました「猟奇的な彼女inNY」
75万ドルのリメイク料払ってDVDスルーは淋しいものですよね。
4. Posted by にゃむばなな   2008年12月19日 16:57
佐藤秀さんへ

主人公のダブルだけでよかったと思いましたよ。
みんなダブルになったら何も怖い要素がなくなってしまいますもんね。
5. Posted by yukarin   2009年06月09日 12:46
こんにちは♪
怖がりの私としてはまぁまぁでした。
にゃむばななさんのようにたくさん鑑賞されてる方には今ひとつなのかもしれませんね。
6. Posted by にゃむばなな   2009年06月09日 15:54
yukarinさんへ

『フローズン・タイム』のショーン・エリス監督だからと期待し、また先に『ミラーズ』を見てしまったのが原因で、私は楽しめなかったのだと思います。
確かに怖いといえば怖い映画なんですが・・・『ミラーズ』には適いませんでしたね。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
昨日の訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

※オススメです♪※
『KANO~1931海の向こうの甲子園〜』主題歌
ぷろふぃ〜る

にゃむばなな

Twitter始めますた
nyamu_bananaをフォローしましょう
livedoor 天気
ちょいとした広告掲載