2009年08月24日

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』

オトナ帝国の逆襲まさか「クレヨンしんちゃん」で泣くなんて思いもしませんでした。しかも笑い泣きではなく、感動の涙ですよ。劇場公開当時も全く注目すらしていなかったものの、2001年度アシッド映画館シネマグランプリでリスナー投票で6位に選出されていたので見たところ、涙涙涙ですよ。もうこれは昭和生まれの方は必見の映画です!

映画を見る前はいくら感動できると言っても、所詮「クレヨンしんちゃん」だからと思ってました。世界を再び20世紀の時代に戻そうとする謎の組織の名前がイエスタデイ・ワンス・モアで、その首謀者がジョンとヨーコに見えるのも、しんちゃんを始めとするお馴染みの幼稚園児たちで結成された「かすかべ防衛隊」の面々が繰り出す笑いも所詮「クレヨンしんちゃん」の域を脱しないと思っていました。

ところがしんちゃんが昭和ブームに浸り過去ばかりに気持ちが行ってしまったひろしに靴の臭いを嗅がせて現実に引き戻させるくだりから、涙が止まらなくなるんですよね。正直自分でも驚くくらい、本当に自然に涙が零れ落ちるんです。
多分大阪万博など1970年代を過ごしたことのある方なら私よりももっと泣けるはずですし、実際にこの映画をご覧になられた30代以上の方はみなさん号泣されていたそうです。

その涙が止まらなくなるほど零れ落ちる理由。それを考えると多分昔を懐かしむくらい私も歳を取ったからなんだと思います。
思い返してみれば10代の頃までは未来しか見てませんでした。「懐かしい」なんて言葉を使う機会もほとんどありませんでした。
でも学生時代を終えてどんどん歳を取ると、ついつい見てしまうのは未来よりも「懐かしい」過去。人は歳を取るたびに懐古主義になってしまうものなんですよね。

しかしこの映画はそんな懐古主義にマッタを掛けているんです。しんちゃんという幼稚園児だから未来しか見ていない、いや幼稚園児だから希望しか見ていない存在を通して「俺たちの時代はなぁ〜」という団塊の世代に、「私が若い頃は」と言ってしまう疲れた大人たちに、「過去ばかり見るな!時間は戻らない!未来を見ろ!希望を見つけろ!」と言ってくれているんですよ。
もうこのメッセージが炸裂する東京タワーでのしんちゃんとケンちゃん・チャコちゃんの対決シーンは涙なくして見れません。しんちゃんが傷付きながらも必死に走る姿に、シロも含めた野原家の一致団結した姿に涙なくして見れません。

ですからもう一度言います。昭和生まれの方は是非見てみてください。『20世紀少年』『ALWAYS三丁目の夕日』で昭和を懐かしんでいるくらいなら、この映画でも「あの頃」を思い出してください。
きっとひろしの「俺の人生はつまらなくなんかない!」「家族がいる幸せを、あんたにもわけてやりたいくらいだぜ!」というセリフや、しんちゃんの「きれーなおねえさんといっぱいつきあいたい」で「あの頃の気持ち」に戻れながら涙を流せると思いますから。

深夜らじお@の映画館は原恵一監督を応援し続けます。

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4. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲  [ HEAVEN INSITE's Blog ]   2010年05月14日 01:56
「面白い度☆☆☆ 好き度☆☆」  ひろしの話。  ――映画のドラえもんになると一際輝くのがタケシ・ゴウダなら、クレヨンしんちゃんではそれはヒロシ・ノハラだ。  とワシン

この記事へのコメント

1. Posted by SOAR   2009年08月24日 22:52
タワーを駆け上がっていくしんのすけの映像表現、最初に観た時すごいと思いました。あれはうなりましたよ。こういう手法があったかと。
ひろしの回想シーンも、セリフや効果音なしのBGMだけであれだけの時間を使ってしまう原監督のセンスがすばらしいですよね。

そしてラストで21世紀へ“帰って来た”両親を迎えるしんのすけのセリフの深さにはもはや脱帽です。テレビアニメや原作コミックでは帰宅時に「ただいま」ではなく「おかえり」と言っていつも怒られてる彼ですが、それを逆手に取ってのあのラスト!

戦国大合戦とオトナ帝国は、原監督の最高傑作だと思います!(長文失礼しました)
2. Posted by にゃむばなな   2009年08月25日 17:39
SOARさんへ

いつものTVシリーズで使われているギャグを感動のセリフに転換させる原恵一監督の手腕に唸った映画でしたよね。
「クレヨンしんちゃん」だからということで偏見を持っておられる方にこそ、是非見ていただきたいですよ。
3. Posted by erabu   2009年08月28日 12:36
にゃむばななさん、こんちにわ!

>ですからもう一度言います。昭和生まれの方は是非見てみてください。
全く同感です。
懐かしさに包まれて本当に癒されますよね。
また、観たくなってきました。
4. Posted by にゃむばなな   2009年08月28日 18:04
erabuさんへ

「癒し」とは「懐かしむこと」みたいな雰囲気が素敵でしたよね。
疲れた大人たちほど見るべき映画でしょうね。

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