2010年03月02日

『おとうと』

おとうと現代劇の割には古臭い映画でした。それは描いている内容がではなく、描かれている設定そのものが。個人的には最近の山田洋次監督の作品はどれも俳優の頑張りを監督の脚本と演出がムダにしている気がするのですが、この映画もそれに違わず程度の映画でした。

小林稔侍さん、吉永小百合さん、笑福亭鶴瓶師匠の3人が大阪出身の兄弟という設定ながら、この映画には方言指導の方がいないのか、どうも関西人としては鶴瓶師匠以外の2人の大阪弁のイントネーションがしっくりこないんですよね。何と言うか、微妙にズレているんです。明らかにあまり大阪弁の練習をせずに撮影に臨んでいるのが分かっちゃうんです。

さらに鶴瓶師匠演じる鉄郎は20年くらい前の典型的なコテコテの大阪人、小春の結婚相手の医者は20年くらい前の典型的な冷たい東京人という、懐かしささえ覚える昔の間違ったイメージそのまま。現代劇なのに何この時代錯誤なキャラ設定は?いつの時代やねん!と驚いてしまいましたよ。

そんな違和感を大いに感じながらも映画の内容的はというと、これもどうも違和感が否めないんですよね。要はどこにでもいる身内にも爪弾きされてしまうゴンタクレさんを中心とした家族愛が描かれているのですが、私には理解が難しいところがちらほらとあるんですよね。

例えば小春の結婚式で酔っ払った鉄郎を結婚式をぶち壊すという最悪の状況になるまで放置していながら、ぐちぐち文句を言うあの家族。最悪の状況になる前に何とかできたでしょ?
また吟子姉さんも点滴に入れるペットボトルの液体が焼酎であることくらい匂いで分かりますでしょ?

結局この映画って最後で石田ゆり子さんのセリフにあったように逝く時にどれだけたくさんの人に愛されていたかでその人の幸せが決まるということなんでしょう。でもそれをどこか回りくどく見せられたような感じで、吟子と鉄郎の子供時代のエピも映像どころかセリフでもほとんどなかったためにこの姉弟愛も深みがあまり感じられなく、そのためラストのボケてしまった絹代おばあちゃんを用いた皮肉も私にはあまり効いてきませんでした。

まぁそんな訳で山田洋次監督の演出と脚本に不満を覚えつつも、相変わらずの山田組の俳優陣が醸し出す「ご近所さん的雰囲気」や吉永小百合さんの自然な存在感、鶴瓶師匠の「次元が違う演技」は素晴らしかったです。
そして個人的にはこの映画で改めて蒼井優さんと加瀬亮さんの自然な演技力に見せられてしまいましたね。やっぱりこの2人はいい役者さんですわ。

深夜らじお@の映画館は中居正広さんの出演シーンがちょっと嬉しかったです。

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この記事へのコメント

1. Posted by KLY   2010年03月02日 19:54
何というか余り多くを語りたくない古さでした…。監督の脚本と演出が無駄にしているという意見に私も全く同意です…。
2. Posted by にゃむばなな   2010年03月02日 21:01
KLYさんへ

個人的にはそろそろ山田洋次監督には引退をお願いしたいと失礼ながらにも思ってしまうことがあるんですよね。
もう少し「現代」的な映画を撮ってもらいたいものですよ。
3. Posted by rose_chocolat   2010年03月02日 22:41
いい話だとは思いますが、最後までちぐはぐな感覚が抜けませんでした。残念。
4. Posted by ジョニーA   2010年03月02日 23:26
>蒼井優さんと加瀬亮さんの自然な演技力〜

ほんとほんと。この二人を主役にした番外編
(実質そっちが本編になるも良し!!)に
期待しちゃいますね〜〜〜。なんやったら、
優ちゃんが次々と好きな人を変えてゆく、と
いう「男はつらいよ」の男女逆ヴァージョン
のシリーズにしてくれても許す!
5. Posted by にゃむばなな   2010年03月03日 17:02
rose_chocolatさんへ

そうそう、いいお話なんですけどね。
これも監督の演出に目新しさがないからなんでしょうかね?
6. Posted by にゃむばなな   2010年03月03日 17:05
ジョニーAさんへ

蒼井優ちゃんと加瀬亮さんの2人での番外編は是非期待したいですよ。
まぁ逆「男はつらいよ」ヴァージョンもいいかも知れませんが、個人的には優ちゃんの笑顔をずっと見ていたいです。
7. Posted by kajio   2010年03月04日 00:30
ディア・ドクターと比べたら“あの程度”の脚本なのに、松竹からの依頼&山田監督&吉永さんとの共演というブランド性に転びまくった鶴瓶師匠には、がっかりさせられました…
8. Posted by にゃむばなな   2010年03月04日 09:19
kajiOさんへ

俳優としての成功を狙っている鶴瓶師匠にとっては、この松竹・山田監督・吉永さんの組み合わせは絶好の出世材料だったのでしょうね。
やはり鶴瓶師匠はしたたかな方ですよ。
9. Posted by latifa   2010年09月07日 15:55
こんにちはー。
「ご近所さん的雰囲気」
確かにこの部分だけは、とても良かったし、楽しく見れました。
でも、、、どうも私には合わない映画でした・・・。残念でした。
10. Posted by にゃむばなな   2010年09月07日 17:55
latifaさんへ

山田洋次監督アレルギーの映画ファンは結構多いですからね。
描きたいことは理解できても、描き方が性に合わない。
そんな古い監督の典型的存在ですから。

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