2010年04月08日

『鉄男 TETSUO』

鉄男これぞ日本のカルト映画を代表する凄い映画。恐怖、暴力、セックス、不条理、息苦しさなどがたったの67分に詰まりに詰まった傑作です。カルト映画が苦手な方にはもちろんオススメしませんが、映画の面白さを知りたい方には激しくオススメできる映画だと思います。

1989年の作品でありながら全編白黒映像というこの映画。まずこの白黒映像が全編に渡って見事な効果を醸し出しているんですよね。
特に主人公の男の体を侵食していく金属をもしカラー映像で見せられていたら、おそらくここまでの恐怖を感じることはなかったでしょう。白黒映像というフィルターを通すからこそ観客の目には何か得体の知れないモノに見える恐ろしさ。
しかも血飛沫のシーンも多々あれど、そのシーンに嫌悪感を感じないのもこの白黒映像のおかげ。本当に観客を見事にこの世界観に引き込むために計算された撮影方法ですよ。

そしてこの恐怖を大いに煽る編集の巧さもこの映画の素晴らしいところ。特に何度もコマ送りで見せる男とヤツとの追いかけあい。前半の金属に侵食された中年女から追い掛け回されるシーンは普通に見せているのに、ヤツが出てきたくだりからはコマ送りで見せる追いかけあいの繰り返し。これがまた藤岡弘版「仮面ライダー」を見ているかのような、チープがゆえの独特の怖さが感じられるんですよね。
つまり悪夢のような、自分ではどうにもこうにも抗えない怖さに加え、不条理な世界にいる怖さ。これらがこの映画には全編に渡ってあるんですよね。

また前半で現実世界と深層心理世界を繰り返すように見せたり、役者の表情よりも荒れた息づかいや頬を伝い流れ落ちる汗で不条理な世界を強調してみせたりするなど観客の心理を巧く恐怖へと誘導する一方で、ドリルとなった男根を何度も見せるなど監督の誰にも遠慮しない芸術家魂を感じるシーンもあるので、本当にストーリーを追い求めたい方やカルト映画が受け入れられない方が見ると苦痛以外の何物でもない映画に見えるかも知れません。
でも面白い映画というのは脚本がいい映画ともう一つ、撮影・編集・演出・音楽などで観客を作品の世界観に引き込む映画もあるということを知るには、この映画はまさに申し分のない傑作だと思います。

深夜らじお@の映画館はテツオよりもニシダ派です。笑い飯に関して言えば。

acideigakan at 18:25│Comments(0)clip!映画レビュー【た行】 

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