2011年01月09日

『GSワンダーランド』

GSワンダーランドザ・タイツメンの美しい思い出を最後の最後でフレッシュマンズが全部持っていっちゃった!
グループサウンズを知らない世代でも十分楽しめるだけでなく、ザ・タイツメンの4人が奏でる「海岸線のホテル」などの楽曲を聴いていると、凄く温かな気持ちになれるこの哀愁ある青春映画。是非王子様萌えの方はご覧になってください。

日劇に立ちたいというマサオ、ケン、シュンタと歌手になりたいというミク。この男3人と女1人の思惑がGSブームに乗りたい佐々木と梶井の思惑と絡んで生まれたのが「タイツ履いてニュー歌謡」のザ・タイツメンなんですが、まずこの安直すぎる命名が面白すぎます。
しかもマッシュルームカットに白タイツにフリフリ衣装という完全装備で「男性4人組」として売り出しちゃうんですから、まぁ何だかんだあるのは当たり前の話。

でもこの映画はそんな4人が純粋に音楽を追い求める姿を描くような安直な青春映画ではなく、GSという一大ブームを通して「自分のやりたかった夢と自分たちの現状とのギャップに悩む姿」を描いているので、今青春を謳歌している世代よりもかつて夢を追いかけたことのある全ての大人が懐かしみながら心の奥底に仕舞い込んだ熱き魂の夢跡をもう一度思い出すことができるノスタルジーな作りになっているんですよね。

しかもこのノスタルジーな空気をいつも営業会議でザ・タイガースのサリー社長にゴマをする幹部たちにドヤされている佐々木や、かつて音楽で夢破れて裏方に回った梶井を用いてしんみりと感じさせてくれるのがまたいいこと。
特に佐々木を演じた杉本哲太さんのあの哀愁ある演技は最高で、ザ・タイツメンと梶井を黙って優しく「見守ってくれている」という表現がまさにぴったり。

またミクが女性であることを自ら語った後のマサオ、ケン、シュンタのミクを応援するという優しさや4人が共同生活を送っていたアパートを出る時の淋しさといった哀愁が、ミクがソロデビューする時に「祭だ!」と走り回るマサオたちの「夢破れても仲間にまだ夢を追い続けるヤツがいる限り、その仲間を精一杯応援し続ける限り、自分の青春はまだ終わらない!」という熱い魂へと変わっていくのもいい。
ですからザ・タイツメンの解散コンサートも、ミクが売れっ子歌手としてTV番組でも歌うようになった姿にも自然と心が温かくなってくるんです。

なのにそれが最後の最後で「今年の代表曲筆頭候補」として挙げられたのがミクではなく、誰も楽器ができないからヴォイストレーニングを断られ、マサオたちの影武者としてタイツとフリフリ衣装で時にはザ・タイツメンファンやタツオたち即席ロッカーを撹乱していたフレッシュマンズって!
一番夢が叶いそうにないと思われていたオッサン4人組が後方大外から一気に抜き去っていくサラブレッドのように最後の最後で大逆転してましたってオチ。いや~最高ですわ。

深夜らじお@の映画館は王子様衣装だけは御勘弁です。

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acideigakan at 14:00│Comments(4)clip!映画レビュー【さ行】 

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この記事へのコメント

1. Posted by KLY   2011年01月09日 21:54
何分大分前に観たもので忘れかけてるんですが、それでも水嶋ヒロの「俺写ってねぇし!」だけは鮮明に覚えてるんですよね。よっぽど気に入ったんでしょう。
GSはともかくあのタイツはね〜、ご勘弁をですな。(笑)
2. Posted by にゃむばなな   2011年01月09日 21:57
KLYさんへ

あの水嶋ヒロさんの悲しさは何か同情できちゃうんですよね。一人背が高いとああいうことってたまにあるんですもん。
3. Posted by ノルウェーまだ〜む   2011年01月10日 10:33
にゃむばななさん、こんにちは☆
水嶋ヒロが、俳優辞めて作家になるときに言った「自分の方向性と違ってきた」というのが、妙にしっくりくる作品でしたね。
タイミングのいい映画鑑賞でしたね(笑)
4. Posted by にゃむばなな   2011年01月10日 11:35
ノルウェーまだ~むさんへ

ほんと、水嶋さんが作家に専念すると言った時はこの映画の役とリンクするなぁ~と思っていたのですが、最近はエイベックスに移籍して俳優を続けるという噂もちらほら。
方向性がまだ定まっていないのか、それともこの情報自体がガセなのか…。

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