2011年03月16日

『やがて復讐という名の雨』

やがて復讐という名の雨退屈とまではいかないものの、一本調子の雰囲気が映画の面白みを半減させている。
もっとミステリー要素を強調した作品か、もしくは渋い男の哀愁と切なさを強調した物語として仕立て上げれば、フレンチ・フィルム・ノワールの名作になっていたかも知れないのに。
その辺りが、この映画が未公開になった原因なのでしょうか。

『あるいは裏切りという名の犬』のオリヴィエ・マルシャル監督と主演俳優ダニエル・オートゥイユが挑んだこの作品。
まずこの物語が実話であることが本当に驚きです。

自分の過失による事故で娘を亡くし妻を植物状態にしてしまった酔いどれ主人公のルイが冒頭からバスジャック事件を起こしながらも、その経歴と現在追いかけている連続強姦殺人犯に最も詳しい刑事ということで捜査班から夜勤班に左遷させられる程度で済む。

そのルイがかつて逮捕した連続殺人犯は69歳という年齢と模範囚というだけで獄中で殺人を犯しながらも仮釈放されて、25年前に起こした事件で生き残ったジュスティーヌという女性の命を狙いに行く。

クライマックスに至ってはルイが全てを清算すべく、自分の命と引き換えに全てを消しに亡き同僚の愛銃MR73を持って血の雨を降らせる。

これらの暗くて重く、まるで創作のようなことが全て史実だというのですから、事実は小説より奇なりとはよく言ったものです。

ただこの映画はそんなミステリー要素満載、渋い男の覚悟を決めた行動に魂を熱くさせる要素満載なのに、終始変わらないテンポで描いているので盛り上がりに欠けているわ、しかも細かい描写も結構端折っているので説明不足の点も多いなど、全体的にもったいない構成になっているんですよね。

特にラストなんてセリフも効果音もほとんどなしで重厚な音楽のみで見せる凄く面白いシーンに仕立て上がっているのに、そこでルイの切なさに涙できないのが本当に惜しい。

この接続詞から始まる邦題からも、配給側としては最大限『あるいは裏切りという名の犬』と同じように男の哀愁と渋さを味わってもらえる映画として宣伝したかったのでしょうが、残念ながら作品にそこまでの魅力はありませんでしたね。

フランスでしか作れない雰囲気で、かつ男同士の友情と裏切りや覚悟を決めた男が放つ独特の哀愁と切なさが味わえるのがフレンチ・フィルム・ノワール。
その代名詞的映画『あるいは裏切りという名の犬』の監督と主演俳優で起きた奇跡は一度きりだったということなのでしょうか。

深夜らじお@の映画館は渋い男を描いたフランス映画はやはりある程度の面白さは帯びていると思いました。

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acideigakan at 17:30│Comments(0)clip!映画レビュー【ま行】 

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