2011年04月09日

『ザ・ライト -エクソシストの真実-』

ザ・ライトハンニバル・レクターは悪魔よりも怖い。
エクソシストの見習い青年を主軸にした悪魔祓いの映画を見に行ってこんな感想になるなんて、ちょっと肩透かしでした。
そりゃ配給会社もこの程度の内容なら大した興行収入が見込めませんから、震災に考慮したという形で公開延期にしたくなる気持ちもよく分かる映画でした。

未だに欧米では最も怖い映画として選ばれ続けている『エクソシスト』を連想して見に行くと、あれれ?な肩透かしばかりのこの映画。
人物描写は中途半端、キリスト教の対悪魔という闇の部分や神秘性の描き方も中途半端、ついでにホラー映画としても中途半端で、これなら同じキリスト教の神秘現象を描いた『スティグマータ/聖痕』の方が面白かったです。

ただこの映画は実話を元にした作品ですから、単にエクソシストの見習い青年が師匠の教えの下で頑張る分かりやすい話ではなく、リアルに悪魔の憑依現象と統合失調症との違いはエクソシストが見抜くしかないなど、常に科学と宗教が対峙しながらも、科学で証明できないことが現実に起こっている神秘性も少なからず描いているのは結構面白いと思えるところ。

でもその神秘性を高めるためのホラー要素がこの映画では弱いんですよね。例えば16歳の妊婦の悪魔祓いはそこそこ面白いものの、赤い目のラバを見たという少年の話からはどの悪魔祓いも描き方が浅すぎて面白味なし。
特にメインであるはずのルーカス神父が悪魔に憑依されるくだりは全く怖くありませんでしたね。

だって悪魔に憑依され始めた時のルーカス神父には「ハンニバル・レクターが帰ってきた!」とばかりにあの虚ろな目と不気味な表情に震え上がりましたが、完全に悪魔に憑依されて目元が黒カビが生えたようなメイクになったルーカス神父にはそんなゾクゾクとした怖さが全く存在しないんですよね。

つまり神の御名のもとで倒すことのできる悪魔よりも、常に拘束具で縛り上げるか地下牢に閉じ込めるかしないと誰であろうと文字通り喰われてしまう、神の御名でも抑えることのできないハンニバル・レクターという恐怖の方がはるかに怖く感じるんです。

なので悪魔よりも怖いハンニバル・レクターの後に、ハンニバル・レクターよりも怖くない悪魔との戦いを見せられても、全然怖さも面白さも伝わってこないんですよ。
まぁこれはアンソニー・ホプキンスをキャスティングしたがための失敗だと思いますので、実話のルーカス神父は決してハンニバル・レクターに見えることはなかったのでしょうけど・・・。なんかちょっともったいない気がしましたね。

てな訳でルーカス神父が悪魔に憑依された時に思わず「ザビエル神父よりもクラリス・スターリングを呼べ!」と心の中で叫んでしまったのは私だけではないような気がした、そんな中途半端さが最後まで否めない映画でした。

深夜らじお@の映画館はハンニバル・レクターよりも怖い存在を知りません。

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この記事へのコメント

1. Posted by yukarin   2011年04月09日 22:58
こんばんは♪
クラリス・スターリングを呼べ!は笑ったー、確かに(笑)

TBはこちらには入らないみたいですけどにゃむばななさんからはちゃんと来てました...うーむ^^;
2. Posted by BROOK   2011年04月10日 07:42
展開的には嫌いではないのですが、
何だか“イマイチ”な部分も結構ありました。
展開に抑揚がないというか・・・。


>ザビエル神父よりもクラリス・スターリングを呼べ!

笑ってしまった♪

3. Posted by mig   2011年04月10日 09:37
スティグマータ懐かしいな。
わたしはあっちも全然怖くなかったんだけど、、、
悪霊の怖さだったら「エミリーローズ」が怖かったなぁ。
本作はアンソニーホプキンスがやっぱらい素晴らしいですね。
4. Posted by    2011年04月10日 09:44
こんにちは。
そうなんですねー。
ちょっと期待していただけに残念です。
中途半端は一番ダメですね。
5. Posted by にゃむばなな   2011年04月10日 21:08
yukarinさんへ

やっぱりハンニバル・レクターにはクラリス・スターリングですよ。
彼女でないと彼は止めれませんから。

それにしてもTBはどないなっているんでしょうね?
6. Posted by にゃむばなな   2011年04月10日 21:11
BROOKさんへ

私も展開的にはきらいではないのですが、どうも全体的にいまいち盛り上がりに欠けるんですよね。
これならクラリス・スターリングを呼んでいる方がよかったかも?ですよ。
7. Posted by にゃむばなな   2011年04月10日 21:19
migさんへ

『スティグマータ』は怖い映画ではなかったのですが、あの神秘性をきちんとはらんだ雰囲気が好きだったんですよね。
『エミリーローズ』は未見なのでまた見てみます。
8. Posted by にゃむばなな   2011年04月10日 21:21
亮さんへ

ほんと、中途半端はあきませんよね。
私もそこそこ期待していただけに、残念でしたよ。
9. Posted by KLY   2011年04月11日 22:23
通った!

確かにあのハンニバルの寒気がするような怖さはありませんでした。まあある意味悪魔憑きってどこか非現実な部分を感じなくもないからかもです。なんせハンニバルはマジでいそうですもん。(苦笑)
コリンがもうちょっと頑張ってくれたらクライマックスも盛り上がったと思うのですが、アンソニーを相手にしたら欲張りなのかな…。
10. Posted by にゃむばなな   2011年04月12日 07:38
KLYさんへ

相変わらずのlivedoor不調でご迷惑をお掛けしてます。

で、この映画についてですが、やはりハンニバル・レクターのようなリアルな怖さの前では非現実的な悪魔の怖さは弱いですよね。
本当にああいうレクターみたいな存在っていそうですもんね。
11. Posted by えふ   2011年04月13日 17:59
なんかどさくさにまぎれて公開延期されてもな〜(苦笑
ただでさえ新作上映が少ないのに。。。

実話といわれても、どこまで実話なのか?
ちょっとうさんくさい気がするのですが(苦笑
12. Posted by にゃむばなな   2011年04月13日 20:27
えふさんへ

確かに胡散臭さの残る実話映画化でしたね。
多分実話部分は少なく、多くはデフォルメされているんでしょうね。
13. Posted by たいむ   2011年04月15日 20:31
この映画の内容は恐くないのだけど、アンソニーってだけでなんだか恐いんですよー。
レクター博士のトラウマですね、これはやっぱ。
14. Posted by にゃむばなな   2011年04月15日 21:09
たいむさんへ

多分そうでしょうね。
『羊たちの沈黙』を見た全ての人がアンソニー・ホプキンスに対してハンニバル・レクターのトラウマを抱えているから、この映画は彼だけが怖く見えるんでしょう。
恐るべしレクター博士!

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