2011年09月21日

『2001年宇宙の旅』

2001年宇宙の旅これは十人十色の解釈ができる映画。それゆえに難解に感じるのは仕方ない映画。
完璧主義者スタンリー・キューブリック監督の代表作であり、誰しもが一度は聞いたことのあるあの映画音楽で彩られたこの作品は、一度ではなく何度も見ることでその奥深さが分かる映画の代表作でもあるんでしょうね。

まずこの映画はとにかくセリフが少ないこと。もちろん「人類の夜明け」のくだりは原始時代のサルたちの話ですからセリフがないのは当然なのですが、そのセリフの少なさが難解さを生むと同時に奥深さも生んでいると思うんですよね。

例えば謎の石版「モノリス」に出会って道具を使うことを覚え、その道具で敵を追い払ったサルたち。「道具を使う」と「道具を使って敵を倒し権力を得る」が人類史の始まりであるかのように描くその意味深さ。
しかもそれが原始時代から一気に宇宙の旅へとジャンプ・カットした後の木星探査宇宙船ディスカバリー号内でのシーンでの恐さにも通じているのが素晴らしいこと。

特にディスカバリー号でのスーパーコンピューターHAL9000の暴走が、まるでこの「道具を使って敵を倒し権力を得る」の鏡写しのような展開になっているのが本当に怖いんですよね。
そもそもコンピューターは人間の道具だったはず。それが人工知能を搭載させたことで船長たちの唇の動きで会話を読み取り、そして自分で考えたうえで船員や冬眠する博士たちを殺し、一人生き残った船長を船外へと追い払う。

あの赤いランプが冷静さと非情さを含んだHAL9000の冷たい目のように思え、宇宙空間の暗闇に感じる恐怖が人間の心の奥底に潜む「逃げ場がなくなった時の恐怖」を呼び起こしたとき、改めてスタンリー・キューブリック監督の恐ろしさを味わったような気がしましたよ。

またこの映画で忘れてはならないのは、やはり映像の凄さ。
1968年という技術がまだまだ確立していない時代において、宇宙船内を歩く女性が普通に壁を伝い天井を歩くなどの凄い映像を、あたかも別に特別な映像は撮っていないと言わんばかりにさりげなく見せているというのがこれまた凄いこと。
本来なら「これがこの映画の見せ場なんです」と強調してもいいところを、この映画はそんなことは一切せず、まるで本当に宇宙船内で撮ったかのような映像を見せるそのセンス。これは未だにこの映画以外には存在していないでしょう。

思えばこの映画が公開されたのはアポロ11号が月面着陸に成功する1年前。
僕らが生まれてくるずっとずっと前にはもう、こんな凄い映画が存在していたんですね〜。いやはや、本当に凄い映画ですわ。

深夜らじお@の映画館はポルノ・グラフティの曲を最近聴いていません。

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acideigakan at 21:23│Comments(0)clip!映画レビュー【た行】 

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1. 『2001年宇宙の旅』(1968)  [ 【徒然なるままに・・・】 ]   2011年09月25日 09:00
「2001年」なんて物凄く未来のように思っていたけれど、気が付けばもう過去のこと。続編のタイトルである「2010年」の方が近くなってきちゃいました。 ようやっと宇宙には国際宇宙ステーションが浮かび、折りしも現在、日本人宇宙飛行士が日本の実験施設を設置中。

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