2012年02月17日

『M★A★S★H』

MASHマジメ一辺倒に戦争をやっているヤツの方が狂っている。最前線の野戦病院に必要なのは、軍規よりもマトモな精神を保つためのゲスなオフザケとマティーニとゴルフと賭け事だけ。
ベトナム反戦映画として撮りたかったものの、権力により朝鮮戦争を舞台にして反戦をコメディで訴えたこの傑作。マジメ一辺倒な方ほど嫌悪感を抱くオフザケの連発がとにかく最高に面白い映画でしたよ。

どんな職場や組織でもマジメ一辺倒な方は困り者です。もちろん規律を守ることは大切なことですが、ただ規律というのは基本的に大まかなルール。現場では常に現場のやり方を重視されるべきであり、規律ばかりを重視してしまうと実は仕事の効率が落ち、人間関係が破綻に近づくだけなんですよね。

この映画でも3人の型破り医師ホークアイ、デューク、トラッパーは軍規を無視してやりたい放題ですが、ただ瀕死の兵士たちへの手術に関しては一切の手抜きはしない名医ばかり。看護士との連携も良く、若い医師に対して暴言を吐くこともない。
野戦病院という最前線に近い職場で精神がいつ狂ってもおかしくない状況下の中で、これだけハイレベルな仕事をこなすために何が必要なのかもしっかり分かっている。

つまり彼らのゲスなオフザケは全て極度のストレスに精神が狂わないようにするためのガス抜きであり、そのオフザケのムチャクチャぶりが戦争が人間の精神にもたらすストレスの大きさを表すバロメーターになっているんですよね。

ですから「熱い唇」と名づけた女性将校の熱い夜を軍放送で生中継したり、この女性将校が本物の金髪かどうか確かめるためにシャワー小屋を壊したり、男性的不能を理由に自殺したいと相談を持ちかける歯科医に対して長机で最後の晩餐をした挙句に男好きの帰還ナースをあてがったりとゲスなオフザケを連発しまくってますが、それで彼らの仕事ぶりが落ちた形跡は一切なし。
むしろ九州小倉まで出向いて手術するくらい頼られる名医であるのは、全てオフザケに興じることで自分の精神をセルフコントロールしてきたおかげなんですよね。

そんな彼らを端的に表現したのが後半で描かれる、公民権運動が盛んな時代にも関わらず勝つためだけに黒人医師を呼び込んだ賭けアメフト。
そもそもアメフトというスポーツ自体ルールがあることはあっても、実際のプレーは半ば何でもありの世界。大まかな規律の中で最低限のことを守っていればあとは何でもござれというのは、まさにこのハチャメチャ医師たちがいる野戦病院と同じ。

敵の高速RBを途中退場させるためにどさくさに紛れて注射を打つのも、注射を打つこと自体アメフトではもちろんルール違反ですが、でもきちんと消毒液を塗ってから注射を打つという医師としての仕事ぶりを落とさないプロ根性。
そしてそんなシーンもしっかりと描いているのも、ロバ−ト・アルトマン監督の映画監督としてのプロ根性なんでしょうね。

規律ばかりを重視する人間は実は規律でしか自分を守れない弱いヤツ。
逆に他人が作った規律よりも現場に即した方法を採用できる人間は自分で自分を守れる強いヤツ。
心に余裕が持てなければオフザケも出来ない。オフザケが出来るのは現場の状況を的確に把握している証拠。
主題歌「自殺のすすめ」も心に余裕があるからこそ選曲できたという証拠なんでしょうね。

深夜らじお@の映画館もゲスなオフザケが大好きです。

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acideigakan at 17:32│Comments(0)clip!映画レビュー【ま行】 

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