2012年03月28日

『トロール・ハンター』

トロール・ハンターノルウェー発モキュメンタリーの怪作、現る!
おバカ学生映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』と見せない面白さを追求した『クローバーフィールド』のおいしいところだけを足して2で割ったのでボロが出まくっています程度の映画なのに、何だこの面白さは!
これは「別の意味で」全世界を揺るがす衝撃的な記録映像です!

差出人不明の246時間に及ぶ記録映像が通信社に送られてきた。これはその映像をまとめたものである。信憑性を1年掛けて専門家が調べたら事実であると判明した。そんな重々しいテロップから始まるこの映画、いや記録映像。
要は熊の密猟問題の取材を機に大学生3人組が出逢った男は政府からの依頼で家畜に被害をもたらす北欧伝説の妖精トロールを駆除するハンターで、その密着取材の映像をまとめたのがこの記録映像というだけなのですが、これがまぁいろんな意味で面白いこと。

例えば政府からの裏仕事だからと頑なに取材拒否をしていたハンスがこの仕事を辞めたいから一部始終を撮って世間に流してくれと取材を快諾したりといったツッコミどころや、ただの岩場がトロールたちの戦場跡地だの送電線と鉄塔がトロールのテリトリーを現す境界線になっているだのといった製作サイドの勝手な妄想が盛り沢山。

また深夜手当がない、トロールを駆除したらトロール保安機関に報告書を出す、マイケル・ムーアの取材根性が云々といった現実味を出すための演出もしっかりとあるなど、記録映像全体を通して「そんなアホな」の一言で片付けちゃうと面白味がないことを、観客に「そう信じるのもアリかな?」と思わせる面白さが散りばめられているんですよね。

さらに緊張感と本気で死を覚悟するほどの恐怖感が物凄い、計4回もトロールに遭遇するくだり。これがもうたまらんのです。
ハンスが不恰好な鎧を着て巨大な注射器を持って血液採取に挑む2度目の遭遇や無計画に巣に入ってしまったがためにトロールたちに追われたあげくカメラマン大学生を失う3度目の遭遇はちょっとやりすぎ感がありましたが、存在自体を疑っていた大学生たちが初めてトロールを目の当たりにする1度目の遭遇やマウンテンキングという巨大トロールとの対決を迎える4度目の遭遇は面白い以上にめちゃ怖い!

緊張を煽るように聞こえてくる怒号、揺れる木々、そして「トロールだ!」と叫んで舞い戻ってくるハンスを追う様に森の中から現れる頭が3つある怪物。森の中に逃げ込んだのはいいものの、見つかれば即食い殺されるかも知れない緊張感と恐怖感の中で暗視カメラに映るすぐ近くにいるトロールの姿。作り物だと分かっているのに作り物以上の怖さがあるためか、駆除用の太陽光フラッシュで石化したトロールを見て興奮する大学生たちの姿にも余計にリアルさを感じずにはいられない1度目の遭遇から心臓バクンバクンですよ。

そしてちょっとしたアトラクションよりも怖い、車でトロールの股の下を通り抜けようとする「踏まれる〜!」「尻尾に当たる〜!」「手で振り払われる〜!」という4度目の遭遇は声を出してしまいそうなくらいの緊張感と恐怖感。
で、無事に巨大トロールを始末したところで急に現れる政府機関に追われる大学生たちと迫ってくるトラックに「記録された映像はここまでだった」というテロップで終わるかと思いきや、本物のイェンス・ストーテンバルグ首相がトロールの存在を会見で明かしたり、EDロールで「この映画では、一切トロールを虐待していません」というオマケ付き。

いやはや、レディースデイなのに女性客ゼロで男性客4人といった注目度の低さですが、この映画は見逃したらもったいない怪作でしたよ。

深夜らじお@の映画館はもしかしたら果敢にもあの怪物に噛み付いた犬がいた可能性があるので、トロールが狂犬病に感染した原因も知りたいです。

※お知らせとお願い
【元町映画館】に行こう!

この記事へのトラックバック

1. トロール・ハンター/Trolljegeren  [ LOVE Cinemas 調布 ]   2012年03月28日 20:21
ノルウェーにすむ伝説の妖精トロール。そのトロールが人間に被害を与えた場合に彼らを退治するというハンターに密着し、トロールの知られざる秘密を克明に描き出すモキュメンタリー。主人公のハンターを演じるのはノルウェーのコメディアンであるオットー・イェスパーセンが
2. トロール・ハンター / Trolljegeren/ TROLL HUNTER  [ 我想一個人映画美的女人blog ]   2012年03月28日 21:46
ランキングクリックしてね ←please click ノルウェー在住、妹yueのオススメの話題のノルウェー映画、ついに日本上陸 yueのネタバレなしレビュー ノルウェー本国、サンダンス映画祭でも話題、日本の配給会社も 上映権を奪い合った?らしい。 今月公...
3. トロール・ハンター  [ 風情♪の不安多事な冒険 Part.5 ]   2012年03月29日 16:08
 ノルウェー  アドベンチャー&ミステリー  監督:アンドレ・ウーヴレダル  出演:オットー・イェスパーセン      ハンス・モルテン・ハンセン      トマス・アルフ ...
4. トロール・ハンター  [ ダイターンクラッシュ!! ]   2012年03月29日 23:28
2012年3月27日(火) 20:00〜 TOHOシネマズ日劇2 料金:1300円(シネマイレージデイ) パンフレット:未確認 『トロール・ハンター』公式サイト ノルウェー産モキュメンタリー。 「トロールは存在した!」という記録映画。ノルウェー政府は、トロールをテリトリーと呼
5. トロール・ハンター(2010)★★TROLLJEGEREN  [ 銅版画制作の日々 ]   2012年03月30日 19:19
 本当に、本当にいる!好き度:=50点 気になる映画リストに挙げていなかった本作を鑑賞して来ました。かなり期待度上げて観たのが悪かったのか?う〜ん私的にはそこまでという感じでした。 ネタばれになりますが、もちろんトロールは実際存在しない?というより北欧...
6. トロール・ハンター  [ だらだら無気力ブログ! ]   2012年03月31日 22:41
キリスト教徒の匂いって、どんなの? 気になるわ。
7. トロール・ハンター 評価★★★55点  [ パピとママ映画のblog ]   2012年03月31日 23:55
ノルウェーの森に住むと古来より言い伝えられている伝説の妖精、トロールの謎に迫る異色作。取材中に、政府機関に雇われた“トロール・ハンター”と出会った学生たちが、ハンターと行動を共にしながら、トロールの生態や政府の陰謀を暴き出す。 あらすじ:ノルウェー・ヴォ..
8. トロール・ハンター  [ 映画的・絵画的・音楽的 ]   2012年04月07日 21:39
 『トロール・ハンター』をTOHOシネマズ日劇で見てきました。 (1)本作は、ネットで面白いと騒がれていて、また北欧5カ国の中ではこれまで見たことがなかったノルウェー映画ということでもあるので、レイトショーの1回上映(午後8時〜)ながら映画館に足を運んだところで...
9. トロール・ハンター  [ いやいやえん ]   2012年08月14日 10:47
本当にいるかもしれないなあ。というより、いたらいいなあと思わせられる本作。 ハンターの仕事は深夜・危険手当なしときついものらしいけれど(しかも国内にハンターは一人しかいない)政府の隠蔽工作とか、微妙な「らしさ」が現実味を与えていると思う。トロール保安
10. トロールとキツツキ  [ Akira's VOICE ]   2012年12月29日 11:45
「トロール・ハンター」 「キツツキと雨」 
11. トロール・ハンター : こんな”陰謀”って、素敵じゃん!  [ こんな映画観たよ!-あらすじと感想- ]   2013年01月27日 14:47
 ”陰謀”といえばフリーメーソン、こんな日本では常識(?)と思えることは世界では非常識だったりします。まあ、世界で一番有名な秘密結社っていうことじたいが、なんだか笑え
12. 【トロール・ハンター】藤岡弘、探検隊 出動せよ!  [ ジョニー暴れん坊デップの部屋 ]   2013年03月21日 02:46
※ブロ友・にゃむばななくんの、2012年度年間ベスト1に輝いた作品である。DVD借りてきたっ! eiga.com 作品情報 『トロール・ハンター』 ■解説:トーベ・ヤンソンが生んだ人気キャラクター「ムーミン」のモデルとしても知られる、北欧に伝わる伝説の生物トロ
13. トロール・ハンター  [ こわいものみたさ ]   2013年05月19日 22:46
『トロール・ハンター』  TROLLJEGEREN 【製作年度】2011年 【製作国】ノルウェー 【監督】アンドレ・ウーヴレダル 【出演】 オットー・イェスパーセン/グレン・エルランド・トスタード/ヨハンナ・...
14. 【映画】トロール・ハンター…そういやぁ「ホビット」買ったまま観てないや  [ ピロEK脱オタ宣言!…ただし長期計画 ]   2013年05月19日 23:23
昨日2013年5月18日(土曜日)は夕方からちょびっとだけ会社に行って、溜まったHDDの中身とレンタルしていた「白雪姫と鏡の女王」を観ただけの一日。…そういえば久しぶりに中学時代の友達(&その小さい娘さん)にも会ったなぁ。 この日、北九州市門司区南部では、20時から..
15. トロール・ハンター/オットー・イェスパーセン  [ カノンな日々 ]   2013年12月28日 10:18
けっこう前評判が良くて日本での公開時、観に行きたかったのですが観そびれてしまった作品です。たぶん風邪をひいていたこともあってスルーしたんだっけかな?ノルウェーの森に住 ...

この記事へのコメント

1. Posted by mig   2012年03月28日 21:55
こんばんは、
わーい、楽しめたんですね★

レディースデイで女性ゼロの男性4人悲しい〜
でも都内ではけっこう盛り上がってるようですよ、ツイッターだと面白かったの声が圧倒的だし♪
こっちではTVスポットも流れてます。

こういう拾い物的映画が全国できっちり上映されればいいんだけどな〜。
2. Posted by にゃむばなな   2012年03月28日 22:29
migさんへ

私はこの映画を兵庫県では1館しか上映されていないTOHOシネマズ西宮OSで見てきたのですが、まぁ〜注目度は凄く低いですね。
でもこの映画は本当に面白い!
関西ではこのTVCMは流れているのかな〜。
3. Posted by KLY   2012年03月28日 23:05
そうそう、あの勝手な妄想がまたおかしいんですよねぇ。でも男子は子供の頃友達と遊びながらそういう妄想を全員で共有しながら○○ごっことかをしたものです。トロールは彼の地の人々にとっては現実の世界で妄想を伴ったまさに妖精。それを映像にするとこうなるんでしょうね。
これは見逃したら勿体無いです。
4. Posted by ノルウェーまだ〜む   2012年03月29日 08:56
にゃむばななさん☆
わお!大絶賛ですね〜
私もレイトショーでなければ観に行くのに、遅い時間にこの手の映画じゃ、レディースは行かないでしょうね・・・
ますます観に行きたくなっちゃった。
5. Posted by にゃむばなな   2012年03月29日 17:07
KLYさんへ

個人の妄想と伝説の妖精をくっつけてしまう。
この発想の勝利ですね。
大真面目にトロールは本当にいる!と言っているところが何ともいい感じでしたわ。
6. Posted by にゃむばなな   2012年03月29日 17:09
ノルウェーまだ〜むさんへ

この映画の上映規模の小ささは本当にもったいないです。
レイトショーだけにせず、もっと多くの人に見てもらえるようにしてもらえないものですかね〜。
7. Posted by yukarin   2012年08月21日 13:24
にゃむばななさん大絶賛ですね〜
やはり大画面とテレビサイズでは違うのかな〜大絶賛とはいきませんでしたが面白かったです。
8. Posted by にゃむばなな   2012年08月21日 22:22
yukarinさんへ

スクリーンで、しかもほぼ情報なしに見たというのが大きかったかも知れませんね。
こういうバカ映画はやはりスクリーンで情報なしで見るのが一番ですよ。
9. Posted by ジョニーA   2013年03月21日 23:57
宣伝の人の「これは紛れも無く記録映画なんですよっ!」というノリが、
イマイチ本気じゃなかった気がします。それこそ、藤岡弘、隊長を巻き
込んで、「探検隊スペシャル」的な特番をバンバン創るくらいの決め打ち
が欲しかったですねーーー。まぁ、真面目な一部の人たちの反感を買う
ことは覚悟して、ということにはなったんでしょうが・・・
10. Posted by にゃむばなな   2013年03月22日 17:33
ジョニーAさんへ

なるほど〜、厳しい評価はこの手の作品への愛の現れですね。
一部の人たちの反感を買うことを恐れなければ、もっと面白い映画になっていたのかも知れない訳ですね。
11. Posted by かのん   2013年12月28日 23:17
ホントにこれは面白かったですね。モキュメンタリーでは傑作の部類かも。やっぱり世界観をしっかり構築しているから作品としての説得力があるんでしょうね。
12. Posted by にゃむばなな   2013年12月30日 01:32
かのんさんへ

ほんと、モキュンメンタリーでこの作品を越えるのは難しいというくらいに面白かったですよね。
とにかく見せ方といい、世界観の構築といい、素晴らしいの一言ですわ。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
昨日の訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

※オススメです♪※
『KANO~1931海の向こうの甲子園〜』主題歌
ぷろふぃ〜る

にゃむばなな

Twitter始めますた
nyamu_bananaをフォローしましょう
livedoor 天気
ちょいとした広告掲載