2012年08月31日

『あの日 あの時 愛の記憶』

あの日あの時愛の記憶史実を基にした映画だから感動はできるが、これが史実を基にした映画でなかったら感動はできなかったかも知れない。
ナチスの強制収容所を脱走したものの生き別れになったポーランド人青年とユダヤ人女性が32年後に偶然再会するという「事実は小説より奇なり」を映画化したこの作品。劇的なドラマのはずなのに抑え過ぎた演出が仇になったようにも感じる映画でした。

1976年のニューヨーク。一人のユダヤ人女性ハンナが偶然立ち寄ったクリーニング店で偶然見かけたのは、偶然アメリカで放送されたポーランドのTV番組に映る32年前の1944年に自分が愛した男性であり、自分の命を救ってくれた恩人トマシュ。
こんな偶然に偶然が重なったことで再会という希望の光を得た1976年のハンナを主軸に1944年と1976年が同時進行で描かれるのですが、正直なところ事実は劇的なのに映画は全然劇的ではないんですよね。

これは実在する1組の男女を描いているがゆえの遠慮なのか、それとも監督の意図した演出なのかは分かりませんが、ハンナとトマシュがどうやって出会ったのかも描かれず、いきなり愛し合いながら脱走計画を練るところから始まるので、何となく気持ちが乗っていかないというところもあるんですよね。

さらに政治犯でもあるトマシュがナチス将校の制服を着てハンナを強制収容所から連れ出す際の緊張感は素晴らしいものの、その後のトマシュが行方不明になってからのハンナを描くシーンがちょっと長いこと。
特にユダヤ人を嫌うトマシュ母との葛藤シーンが意外と長く感じられるため、ソ連軍に連行されるトマシュ兄夫婦の悲哀もちょっと控え目な感じがしてしまうんですよね。

つまりはトマシュとハンナの愛の深さ、ナチスに占領されソ連にも好き勝手されたポーランドの悲しみ、その悲しみの中でも起こるユダヤ人差別といった悲しみなど、様々な人たちの心の葛藤がさほど深くは描かれていないために涙腺が緩んでこないのです。

またハンナがアメリカで結婚した優しき夫がトマシュの元へ行きなさいと理解ある行動を取る心の機微も描かれておらず、映画としては全体的に淡々としたイメージになってしまうのがもったいないところ。なので上映中に寝ている人もちらほらいましたよ。

ただお互いに相手は死んだものだと思っていたのに、偶然に偶然が重なって電話でお互いの生存を知り、実際にポーランドで再会を果たすあのラスト。
車の前で待つトマシュ、バスから降りてきたハンナ。共にそれぞれ家族を持ち子供もいる2人が再会した時にどんな表情をするのか、どんな話をするのかは全て観客の想像に任せる〆方は凄く余韻があっていいと思いますが、この余韻をもっと強烈なものにするためにも、やはり本編はもっと劇的に描いて欲しかったですね。

深夜らじお@の映画館にも再会したい女性が何人かいます。

※お知らせとお願い
【元町映画館】に行こう!

acideigakan at 21:46│Comments(0)clip!映画レビュー【あ行】 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
昨日の訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

※オススメです♪※
『KANO~1931海の向こうの甲子園〜』主題歌
ぷろふぃ〜る

にゃむばなな

Twitter始めますた
nyamu_bananaをフォローしましょう
livedoor 天気
ちょいとした広告掲載