2012年11月28日

『危険なメソッド』

危険なメソッドデヴィッド・クローネンバーグらしくない映画。ゆえに睡魔との闘いを強いられる。
精神科医の大家ジークムント・フロイトと心理学者カール・グスタフ・ユングの友情に決別をもたらせた女性精神分析家ザビーナ・シュピールラインとの関係を会話劇だけで描いるからでしょうか、何も起こらないのが不満に変わってしまう映画でした。

フロイトが提唱する精神分析とユングの主張する精神分析がどう違うのか。実はこの映画を見るまでは全く理解していませんでしたが、この映画を見て何となく分かったような気がします。
要は偶然など信じず神の存在までをも精神分析の中に組み込むのがユング、偶然は偶然と割り切るのがフロイトといったところでしょうか。

そんな2人の師弟関係にも似た友情に亀裂を入れたのが、ザビーナという女性の存在。
とは言っても別にドロドロとした三角関係に陥った訳ではなく、ユングとザビーナが医者と患者から愛人関係になってしまったことでユング自身が揺らいでしまい、やがてフロイトとの主義主張の違いを容認できなくなって決別という流れなんですが、しかしどういう形であれ、やはりいつの時代も男の友情は一人の女性によって引き裂かれるんですね。何だか悲しいなぁ〜。

とまぁ、デヴィッド・クローネンバーグ作品ということを知らずに見れば、多少会話劇に睡魔が襲って来ようとも楽しめる映画だと思うのですが、いざデヴィッド・クローネンバーグという名前を意識してしまうと、「ありゃ?意外と何も起こらんかったなぁ」と残念に思えてしまうんですよね。

特にユングに奔放なアドバイスをする、ヴァンサン・カッセル演じるオットー・グロスが登場した時には、「このグロスがクローネンバーグ作品によくある主人公を闇の世界へと誘うきっかけになるのか」と期待していたのですが、その後もユングが戻れない世界へと堕ちていくこともなく、ちょっと期待外れでしたね。
でもこれは史実なので、逆にそういう期待をする方が間違ってはいるんですけど。

あとオーバーアクトなのか名演技なのか判断が微妙なところのキーラ・ナイトレイ演じるザビーナの症状が判明した後に「ぶってぶって姫」シーンは多少あったのですが、リアルな「ぶってぶってお漏らし姫」シーンがなかったのも残念なところ。デヴィッド・クローネンバーグなら「ぶってぶって【お漏らし】」までしっかり描いてくれると思っていたのですが、まぁこちらは倫理的に期待する方が間違っているのかも知れませんね。

てな訳でデヴィッド・クローンバ−グ作品だから何かが起こるという先入観も捨てないとあきませんなと思えた映画でした。

深夜らじお@の映画館は淫語攻めを好む派です。

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この記事へのコメント

1. Posted by かのん   2012年11月28日 21:56
こんばんは。
セリフの内容がなかなかすんなりと理解できないところが多いだけに睡魔にも襲われやすいですね。

それゆえなのでしょうか、ぶってぶってのシーンはインパクトが強くて目が覚めました(笑)。
2. Posted by mig   2012年11月29日 10:04
おはようございます。

クローネンバーグらしさはなかったけど
惹き込まれましたよね、キーラが素晴らしい。
あんなゴリラ顔もものともせず、、、
3. Posted by にゃむばなな   2012年11月29日 17:36
かのんさんへ

ほんま、あのシーンだけは凄く印象的ですよね。
しかもこの監督だけに、そういう方面に流れてほしかったと思っちゃうんですよね〜。
4. Posted by にゃむばなな   2012年11月29日 17:37
migさんへ

きれいな女優さんが演技のためとはいえ、あんなゴリラ顔をするなんて…。
あれこそ女優魂というのでしょうかね〜。
5. Posted by ノルウェーまだ〜む   2012年11月29日 18:07
にゃむばななさん☆でも睡魔におそわれちゃったのですね。
よかったー
私だけかと思っていたのです。

ユングは充分暗部に引っ張り込まれたと思いましたが、クローネンバーグ作品ならもっとすごくなる予定だったのですね・・・
6. Posted by mori2   2012年11月30日 01:17
こんばんわ。
吾輩も睡魔と猛烈に闘いました。少し負けたかも(^^;?
いやあ、しかしキーラ嬢の“ぶってぶって姫”だけで吾輩は充分ブッ飛びましたよ。
“お漏らし姫”まで出てきたら、大変ですよ(^^;。
7. Posted by mezzotint   2012年11月30日 19:27
にゃむばななさん

今晩は☆彡
お久しぶりです!
わかります。睡魔に襲われるというのは、、、。何だかセリフが難しくて
その割には今一つ面白さなかったですものね。クローネングバーグ監督なので期待大で観たらこんな結果でした。
眠らなくてもつまらなかったですよ!
8. Posted by にゃむばなな   2012年11月30日 20:16
ノルウェーまだ〜むさんへ

いや〜これは睡魔に襲われる方も少なくはないでしょう。
特にクローネンバーグらしさがなかなか来ないことで襲ってくる睡魔への対応は辛いですもんね。
9. Posted by にゃむばなな   2012年11月30日 20:22
mori2さんへ

確かに「お漏らし姫」まで出てきたら大変だとは思うのですが、あの展開で、しかもクローネンバーグ作品となれば、思わず期待しちゃったんですけどね〜。
やっぱり倫理的に無理ですよね。
10. Posted by にゃむばなな   2012年11月30日 20:26
mezzotintさんへ

その気持ち、凄くよく分かります。
やっぱりクローネンバーグ作品ですからね。この難しいセリフの先におどろおどろしい世界が…って期待しちゃいますし、それがないとより難解なセリフが難解に感じるんですよね〜。
11. Posted by オリーブリー   2012年12月01日 01:09
映画の中で盛り上がっても、哲学的なセリフについていくのは辛かったです(苦笑)
特に始めの方のキーラは見物でしたね。
12. Posted by dai   2012年12月01日 12:41
こんにちは。

冒頭でおっしゃられているデヴィッド・クローネンバーグらしくない映画

これに尽きますね。彼らしさがなくただ単に単調に感じてしまいました
13. Posted by にゃむばなな   2012年12月01日 15:21
オリーブリーさんへ

ほんと、劇中で使われている用語自体が難しいですからね。
これで何も起こらない展開は正直ちょっとキツかったです。
14. Posted by にゃむばなな   2012年12月01日 15:32
daiさんへ

やっぱりデヴィッド・クローネンバーグはいつでもデヴィッド・クローネンバーグでいてほしいですよ。
そうでないと彼独特の面白さを期待している映画ファンは淋しい思いをしますからね。
15. Posted by q   2012年12月01日 22:49
なかなか面白い人間の世界
史上凄い精神理論同志のインモラル
クローネンバーグとしては
お上品だったか・・・も
にゃむサンが睡魔に襲われたなら
このオバカqの見解は問題無いわ
マイケル・ファスベンダーの苦悩姿って、素敵だったわ
16. Posted by にゃむばなな   2012年12月02日 10:21
qさんへ

この映画で睡魔に襲われた方は少なからずいらっしゃるみたいですね。
やっぱりそれはクローネンバーグ作品への期待の反動といったところなんでしょう。

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