2013年01月06日

『宇宙人王(ワン)さんとの遭遇』

宇宙人王さんとの遭遇イタリア発、ストレスとブラックユーモアたっぷりな異色のSF映画、ここに現る!
世界中の映画祭で称賛と論争の嵐を巻き起こしているだけあって、これはブラックユーモアが大好きな方や濃い映画ファンだけしかオススメできない怪作。特に昨今、某国に対して嫌悪感を抱いている方はこの映画のラストでの宇宙人王さんのセリフを聞くとニヤけてしまうと思います。

とある謎の国家機関から急を要する案件ということで、2時間2000ユーロで中国語の通訳を依頼された女性翻訳家のガイアがとある場所に連れていかれるるOPから独特の緊張感を持つこの映画。
さらに彼女が尋問という名の通訳をする相手は暗闇の中で表情も伺えない段階でもこの緊張感が続くのですが、いざ灯りが付いて小太り顔で顎が小さいという中途半端にブサイクなイカ野郎宇宙人王さんが現れると、この映画に漂うのは異様な閉塞感というか、地下室という密室だから感じるものとは別のストレスに変わるんですよね。

恐らくこのストレスの発信源は、友好目的で地球に来たと語る礼儀正しい宇宙人王さんに対して、尋問を行う局長のキュルティが「侵略目的で来た」と言わせたいがために取る回りくどく高圧的な態度だと思うのです。

世界の公用語は英語なのに母語として使っている人口が最多とはいえ王さんが交流のために選んだ言語が中国語という疑問にも触れず、また心優しいガイアの忠告も無視して電気ショックによる拷問も行う慈悲の欠片もないキュルティ。
そりゃ、こんな「言いたいことがあるなら回りくどく言わずにストレートに言えや」と思えるような態度を繰り返すキュルティを見ていれば、ガイアが危険を冒してまで王さんを助けたいと思う姿にも納得するものです。
しかも王さんが初めて接触した地球人でもある黒人女性アモニーケまでもがSPに顔を殴られたガイアを助けたとなれば、王さんは友好的な宇宙人だと思ってしまうものです。

ところがガイアが地下室を出て見た光景は宇宙人によって破壊されていくローマの街。そして階段が登れないというので手を貸してあげた、隣にいる王さんから放たれたのは「お前はバカだな」という予想外の言葉。

この瞬間、私の中であの地下室で感じたストレスの本当の姿も、宇宙人王さんが中国語を話す理由も全て理解出来ました。
そう、この映画が描いているのは「世界から見た現代中国の姿」。つまりあの宇宙人王さんこそが現代中国そのもの。

一見礼儀正しく見えるものの、実は常に本性を隠し、時が来たら世話になった相手でも平気で裏切る。そのうえ尖閣問題での会見でも分かるように、常にストレートな言い方は回避し回りくどく高圧的な態度ばかり取る。
そんな中国に対して慈悲深い態度を取るとどうなるか。その答えがこの映画だと思うんですよね。なるほど、中国って世界からこういう風に見られているのね。あぁ〜なんてブラックなラストなんでしょ♪

てな訳でこの映画を見終わった後に思うことはただ一つ。人間以外に対しても本当に「拷問反対」でいいの?

深夜らじお@の映画館はブラックユーモアたっぷりな映画が大好きです。

※お知らせとお願い
【元町映画館】にて『宇宙人王(ワン)さんとの遭遇』は1月11日まで上映中。

acideigakan at 15:10│Comments(6)clip!映画レビュー【あ行】 

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この記事へのコメント

1. Posted by ちゃぴちゃぴ   2013年01月14日 01:41
遅らばせながら、
おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今年も相変わらず、グダグダですみません。

ブラックですよねぇ。
民間レベルで、実際に中国式に振り回されてますので、他の国の人もそう思ってるのかというラストは、妙にニヤリとしてしまったものです。
通訳介しての仕事のやりとりだと、大事なとこをきちんと通訳してくれてないとかもありますし、「通訳」っていうのも、ミソですね。
ブラックユーモアは、私も好きです。
個人同士の付合いだとそうでもないところはあるんですが、集団だと確かにエイリアンに近いものは感じます。(^v^)フフフ
2. Posted by にゃむばなな   2013年01月14日 14:22
ちゃぴちゃぴさんへ

こちらこそ今年もよろしくお願いします。

中国って本当に自分勝手な国ですが、そのイメージは万国共通なんですね。
仕事でも中国人の自分勝手さに振り回されるって、ある意味悲劇ですよね。
3. Posted by にいな   2013年01月29日 18:28
恩を仇で返すヤクザ国家。
信用している相手を平気で裏切るゆすり国家。

王さんの姿こそまさに、中国そのものでしたね。決して信用してはならない。情け心を持ってはいけない。再認識させられました。

世界中の嫌われ者中国とは関わっちゃいけませんね。
4. Posted by にゃむばなな   2013年01月29日 22:08
にいなさんへ

中国は日本だけでなく世界にも普段からあんな態度を取っているんだなと改めてこの映画を見て思いましたよ。
ほんま、あの国にだけは情け心を持ってはいけませんね。
5. Posted by yukarin   2013年01月30日 15:57
こんにちは♪
中国語を話す宇宙人の設定が面白かったです。
ラストの台詞にはつい笑ってしまいましたが、、、。
王さん=中国なんですね(汗)
6. Posted by にゃむばなな   2013年01月30日 20:55
yukarinさんへ

これが世界が感じる中国の姿なんでしょうね。
いや〜日本だけがこう思っているんじゃなくて、何だかホッとしましたよ。

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