2013年07月09日

『クンドゥン』

クンドゥンチベットの精神的支柱、ダライ・ラマ法王14世。彼が屈しない限り、チベットが本当の意味で中国の一部になることはこの先もあり得ない。
マーティン・スコセッシ監督の隠れた名作・異質な野心作として評判でありながら、中国政府の圧力によりアメリカでの拡大公開さえ叶わなかったこの作品。当然中国での上映も禁止されていますが、個人的には1999年の日本公開当時から凄く見たかった作品であり、その期待に十二分に応えてくれた作品でした。

第二次世界大戦時まで独立国家状態であったチベットがどうして現在は中国の一部になっているのか。そしてダライ・ラマ14世はなぜインドでチベット亡命政府を樹立して抵抗しているのか。
その答えはこの映画を見ると全て理解できるのではないでしょうか。

そもそもチベット仏教及びチベット社会の最高指導者であるダライ・ラマ法王は世襲制ではなく輪廻転生により亡くなった先代が別の土地で新たな命として誕生する習わし。ですから普通の少年が何の情報もない状態で先代の遺品を言い当てることが出来れば、その少年こそが先代の生まれ変わりとして選ばれ、最高指導者としての修行が始まる。
でも逆に言えば、これは何の因果もない少年にチベットの安寧が任されるということでもあるんですよね。

ただ若きダライ・ラマ14世にチベットの安寧全てを任されているというプレッシャーを感じることがないのは、自分は皆のために存在しているという素晴らしき仏教教義が彼に浸透しているおかげなのでしょう。どんな時も冷静沈着でありながら、周囲の者の意見には常に耳を傾け、そして自分よりもチベットの利益を最優先に考えて苦汁の決断も下す。

そんな清らかなダライ・ラマ14世青年だからこそ、逆により汚く見えるのはチベットを中国の一部にしようと数々の卑怯な手段で画策してくる毛沢東を始めとする中国人民解放軍ですよ。

中国にだけ有利な十七ヶ条協定を押しつけ、直接交渉をしてくる将軍は法王猊下の前でも礼儀をわきまえない。またダライ・ラマ14世の長兄には実弟を暗殺せよと脅し、法王猊下の生家にも中国語で書かれた標語でプロパガンダを強要するだけでなく、反乱分子のチベット人を同胞のチベット軍により掃討させ、そしてダライ・ラマ14世本人には暗殺を匂わす招待状を送りつけるんですもん。

今や五星紅旗の赤色は革命に身を投じた英雄たちの血の色ではなく、中国によって搾取されたチベットを始めとする多民族が流した血の色。
もし天安門に肖像画が掲げらるほど人民から慕われていると政府が吹聴している毛沢東がダライ・ラマ14世ほどの立派な方であるならば、果たして「敬意を込めてお伺いします。あなたは誰ですか?」という質問に「私はただの男、仏に仕える一介の僧侶。善を行い、自己にめざめる努力を続けている者です。」と答えることが出来るでしょうか。

何度も来日されているダライ・ラマ14世も今年で御歳78。既に54年も故郷の土を踏まれていないにも関わらず、積極的に世界各地を回り、チベットのために尽力されているこの御仁と、周辺各国との摩擦を積極的に起こす現指導者。
どちらが世界のために、そしてチベットのために必要なのか。それはこの映画を見なくても分かることですが、ただこの映画を見るとより強く断言出来るようになるのではないでしょうか。

深夜らじお@の映画館はチベットの解放を応援します。

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acideigakan at 17:23│Comments(0)clip!映画レビュー【か行】 

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