2014年03月10日

『偉大なる、しゅららぼん』

偉大なる、しゅららぼん偉大なる、ゲップとオナラ。
万城目学ワールド全開。琵琶湖ならではの日向ぼっこをしているかのような「ゆったり」と、関西ならではの人情味溢れる「ほんわか」ストーリー。
見終わった後に何も残らぬのも、さすが万城目学ワールド。このふざけてるんだか、ふざけてないんだか、よく分からん世界が好きかどうかでこの映画の評価も変わりそうな気がする作品でした。

「北斗の拳」世代としては、あの千葉繁先生がナレーションを務める予告編を見てしまうとどうしても興味をそそられてしまうので、仕方なく急遽予定を変更して見てきましたが、いやはや予告編が千葉繁先生なら本編は松平定知アナを起用するとは驚きでしたよ。

しかもナレーションで「歴史が動く」張りの雰囲気を醸し出しておきながら、肝心のストーリーは進むようで進まないこと。
だって振り返れば、単なる日出家の内輪もめですからね。その騒動に最低限の関係者が巻き込まれているだけで、当事者たちの琵琶湖から授かりし特別な力に対する悩みも浅い浅い。

それでも不思議と面白く思えるのがこの万城目学ワールドというもの。
殿様オーラで覆われた日出淡十郎は岳ちゃんのあの高い声質もあってか完全にワガママ坊やという感じが強い、お供の日出涼介はストーリーテラーの役割が中途半端、毒舌・日出清子は凄い実力者の割に大活躍の場がない、ライバル・棗広海は地味だが主役っぽくて脇役にはもったいない、ヒロイン・速水沙月は相変わらずの棒読み演技、師匠・日出濤子は頭脳での活躍ばかりでもったいない、棗潮音は可愛らしいのにピックアップシーンが全くないなど、不満を挙げればキリがないのに、なぜか心を「ほんわか」しながら「のんびり」「ゆったり」とした気分で見れてしまうんですよね。

出来れば日出淡九郎と棗永海の当代同士でいがみ合いをするとか、師匠・日出濤子と弟子・日出涼介の合わせ技とか、棗広海と日出涼介と速水沙月の誤解で生まれた三角関係だとか、もっとあれこれ見たい展開はいくらでもあったのですが、まぁ適度な物足りなさが逆に心地良いと言いますか、程よく可もなく不可もなくでもいいかと思えてくるのです。

ただ先代・淡八郎によって記憶が消され、淡十郎が飲まなかった御神水を飲んだことで八郎潟から授かりしパワーが蘇った源治郎への決着の付け方はどうかと思いましたね。
確かに60年前に犯した日出家の罪は重いです。でも琵琶湖と八郎潟という違いはあれど、同じく湖から特別な力を授かっているのに縄張り云々で水神の龍に源治郎だけ記憶を消され身体は大丈夫、昨日60年前に夫婦になる約束を忘れてしまった恋人を夢に見て幸せだったはないでしょう。

それなら時間を戻す秘術を使うことで棗家の存在そのものが忘れられるという棗広海も源治郎を60年前に戻してあげたら良かったのに。ラストで棗広海が急な転校生として淡九郎や涼介のクラスに帰ってくるのも、何だか自分たちだけはいい想いをしているようで、日本で唯一お城に住んでいる一家なのに、民のことを考える殿様って感じは全くしませんでしたね。

てな訳で器が大きいんだか小さいんだかよく分からん淡十郎が御神水を飲む飲まないで思いの外えらい悩むも、肝心の本編は予告編ほど奇想天外ではなかったこの作品。
でも西国第三十番札所でもお馴染みの竹生島を舞台にしているのが、かつて竹生島を訪れたことのある者としては何とも嬉しい作品でした。
ほんと、万城目学先生の作品は関西ならではの雰囲気があっていいですな。

深夜らじお@の映画館は「ありがとう、かつてナニワのモーツアルトを「映画のオチまで喋りおって!」と怒らせた自称・弁士です。」の登場シーンは出来れば「淳ちゃん警報発令」くらいのものにしてほしかったです。

※お知らせとお願い
【元町映画館】に行こう!

この記事へのトラックバック

1. 劇場鑑賞「偉大なる、しゅららぼん」  [ 日々“是”精進! ]   2014年03月10日 06:11
「偉大なる、しゅららぼん」を鑑賞してきました「鴨川ホルモー」や「プリンセストヨトミ」の原作でも知られる人気作家・万城目学の奇想天外青春ファンタジー・コメディを、岡田将生...
2. 映画『偉大なるしゅららぼん』観てきたよ〜  [ よくばりアンテナ ]   2014年03月10日 19:49
楽しかったわぁ〜〜 予告編で観て期待していましたけれど、期待を裏切らない楽しさでした(*´∀`*) まず、まだ観ていない方には1つアドバイスを! エンドロール中に席を立たれませんように。 ももクロの曲の途中で劇場を出られた方がいらっしゃいましたが、 エン
3. モーゼの十戒でいでよ神龍なのだ。(え)〜「偉大なるしゅららぼん」〜  [ ペパーミントの魔術師 ]   2014年03月11日 17:38
この絵面からして笑える。(^_^;) 特別な力使えます。ただし琵琶湖限定。・・・ちっちゃ。(爆) 頑張れ涼介〜〜・・してその力は何に役立つのだろう? まだ、ふろでつかうダック飛ばすのがせいいっぱい〜(^_^;) 精神を操る日出家と肉体をあやつる棗家の 長きにわたる...
4. 偉大なる、しゅららぼん  [ だらだら無気力ブログ! ]   2014年03月13日 00:20
エンディング、ももクロが歌ってたんだ。気付かなかった。
5. 偉大なる、しゅららぼん ★★.5  [ パピとママ映画のblog ]   2014年03月14日 22:13
「鴨川ホルモー」「プリンセス トヨトミ」などの人気作家、万城目学の小説を原作にした異色作。琵琶湖周辺を舞台に、不思議な力を持つ一族の跡取り息子と彼のお供をする分家の息子が世界滅亡につながる大事件に挑んでいく。万城目原作の映画化作品に出演経験のある濱田岳...
五つ星評価で【★★★いい感じでジャレてる映画】    万城目学の映画は『鴨川ホルモー』『プリンセストヨトミ』に続き3本目だが、 これが一番出来がいいと思う。 氏の小説は ...
7. 『偉大なる、しゅららぼん』  [ 京の昼寝〜♪ ]   2014年03月19日 17:56
□作品オフィシャルサイト 「偉大なる、しゅららぼん」□監督 水落 豊□脚本 ふじきみつ彦□原作 万城目 学□キャスト 濱田 岳、岡田将生、深田恭子、渡辺 大、貫地谷しほり■鑑賞日 3月9日(日)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0
8. 偉大なる、しゅららぼん  [ 花ごよみ ]   2014年03月21日 16:48
万城目学の同名小説を映画化。 濱田岳、岡田将生が主演。 琵琶湖畔の町 石走のお城に暮らす日出一族。 彼等は先祖代々受け継いだ、 不思議な力を持っていた。 分家の息子の涼介は 力の修行をするため石走に… 日出家の城から高校へ通うことになる。 日出家の跡取り息..
「偉大なる、しゅららぼん」は琵琶湖の近くに住む事で偉大な力を発揮できる一族がある日対立する一族との争いの中で突如争いに割って入ってきた人物により両家の存続が危ぶまれ共 ...
10. 映画「偉大なる、しゅららぼん」  [ FREE TIME ]   2014年03月23日 20:52
映画「偉大なる、しゅららぼん」を鑑賞しました。
11. 偉大なる、しゅららぼん  [ 心のままに映画の風景 ]   2014年03月24日 02:08
琵琶湖畔の街、石走。 先祖代々不思議な力を継承してきた日出一族の跡取りで、最強の力を誇るとされる淡十郎(濱田岳)が住む城へ、分家の涼介(岡田将生)が力の修行をするために訪れる。 淡十郎と同じ高校に通うものの、真っ赤な特注制服を着せられ、従者のように扱
12. 偉大なる、しゅららぼん  [ 映画的・絵画的・音楽的 ]   2014年04月02日 06:21
 『偉大なる、しゅららぼん』を渋谷TOEIで見ました。 (1)本作は万城目学氏の原作(注1)を映画化したものながら、クマネズミの生まれ故郷に近い滋賀県の彦根や長浜などがロケ地に選ばれていると聞いて(注2)、映画館に出かけました。  ところで、クマネズミの家から...
13. 「偉大なる、しゅららぼん」  [ ここなつ映画レビュー ]   2014年04月25日 12:48
万城目小説が好きなのか、万城目映画が好きなのか、を問われると、殆どが原作に接する事なく映画を鑑賞する私にとっては、「万城目作品が好きだ」と言う他はない。「鴨川ホルモー」がこれまで観た邦画の中でも最高傑作の内の一つだった私にとって、この「偉大なる、しゅらら
14. 偉大なる、しゅららぼん  [ C’est joli〜ここちいい毎日を♪〜 ]   2014年05月14日 23:16
偉大なる、しゅららぼん '13:日本 ◆監督:水落豊「犬とあなたの物語 いぬのえいが」 ◆主演:濱田岳、岡田将生、深田恭子、渡辺大、貫地谷しほり、佐野史郎、高田延彦、森若香織、田口浩正、大野いと、柏木ひなた、小柳友、津川雅彦、笹野高史、村上弘明 ◆STORY◆...
15. 偉大なる、しゅららぼん  [ 銀幕大帝α ]   2014年11月01日 23:22
2013年 日本 114分 青春/ファンタジー/コメディ 劇場公開(2014/03/08) 監督: 水落豊 原作: 万城目学『偉大なる、しゅららぼん』 主題歌: ももいろクローバーZ『堂々平和宣言』 出演: 濱田岳:日出淡十郎 岡田将生:日出涼介 深田恭子:日出清子 渡辺...

この記事へのコメント

1. Posted by BROOK   2014年03月10日 06:16
万城目ワールドは健在でしたね♪

琵琶湖を舞台にしているものの、
規模が大きいのか、小さいのか、良く分からない展開だとは思いました。
それが万城目作品なのかもしれません…。
2. Posted by Ageha   2014年03月11日 17:41
ゆるい〜とことんゆるいコメディ。
でも悪くなかったと思いますよん♪

滋賀のロケというと
三井寺がやたら使われるみたいですが
今回はなかったような。
でも彦根城をロケで使っちゃうって
すごいですね。(^-^)

ダーリンに竹生島ぜったいつれてってもらうのです!
仕事がら琵琶湖周辺毎日ドライブしてるから
知ってる知ってるって
映画のあの場面この場面さして
いうとりました・・・パンフでですけどね。(^_^;)
3. Posted by にゃむばなな   2014年03月12日 22:44
BROOKさんへ

ほんと、規模が大きいのか小さいのか。
それがまた万城目ワールドですね。
4. Posted by にゃむばなな   2014年03月12日 22:51
Agehaさんへ

竹生島はいいですよ。お寺以外特に何にもないところですが、琵琶湖の真ん中にいる感覚はたまりませんから。
是非堪能されてきてください。
5. Posted by ふじき78   2014年03月16日 22:58
> 時間を戻す秘術を使うことで〜

あの下りは何となく解決しているが、結局、棗が何をやったのか全く分からない。船頭が知らない人に変わっていてもいいと思いますけどね。
6. Posted by にゃむばなな   2014年03月17日 17:16
ふじき78さんへ

あの辺りは何にもなしでしたね。まぁこういう大まかなところが万城目作品なのでしょう。
7. Posted by YUKKO   2014年03月22日 22:40
ホンマにアホラシでした。ゆったりとしてのんびり見る映画でしたね。
8. Posted by kajio   2014年03月23日 02:31
『鴨川ホルモー』の突き抜け方を観ているもので、それと比べたらキャスティングは一応グレードアップしていて、

浜村御大等小ネタもいろいろ仕掛けていたのに中途半端だったが為爽快感が無かったのは非常に残念でした。

パンフレットを読む限り、監督&脚本の方が映画制作が本職ではなかったようなので、

それが大きかった様に思いますが、アスミックも東映も一体何をやってるんだよ?と…

9. Posted by FREE TIME   2014年03月23日 20:55
こんばんは。
万城目ワールド全開の作品でしたね。
一部の高校生役には無理がありましたがw
最後で語られる「しゅららぼん」の意味を語られた部分は、流石に可笑しかったです。
10. Posted by にゃむばなな   2014年03月24日 15:33
YUKKOさんへ

何も求めず、何も残らず。
それがこの作品の神髄かも知れませんね。
11. Posted by にゃむばなな   2014年03月24日 15:36
kajioさんへ

なるほど、映画の肝である監督と脚本家が映画本職ではないのが突き抜け感がない原因でしたか。
やはり浜村御大の扱いといい、分かっている人が映画製作の中心にいないとダメですね。
12. Posted by にゃむばなな   2014年03月24日 15:40
FREE TIMEさんへ

「しゅららぼん」の意味がまさか・・・でしたが、何ならそれだけで30分くらい引っ張っても良かったかもとも思えましたよ。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
昨日の訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

※オススメです♪※
『KANO~1931海の向こうの甲子園〜』主題歌
ぷろふぃ〜る

にゃむばなな

Twitter始めますた
nyamu_bananaをフォローしましょう
livedoor 天気
ちょいとした広告掲載