2014年04月30日

『たまこラブストーリー』

たまこラブストーリー苦いコーヒーは青春の味。
餅の食べ過ぎで太った喋る鳥がいないだけで、こんなにも可愛らしい純愛ラブストーリーが出来上がるなんて…。さすが京都アニメーション!
深夜TVアニメ「たまこまーけっと」の映画化というよりも、タイトル通り「ラブストーリー」一本勝負で一本の映画を作り上げたと言っても過言でないこの作品。京都駅での糸電話を思い出すだけで心が温かくなりますよ〜。

進学、就職、留学。人生で初めて大きな岐路に立つ高校3年生。進学希望の常盤みどり、建築学科希望の牧野かんな、留学志望の朝霧史織、東京の大学で映像を勉強したい大路もち蔵に対して、何となく実家の餅屋を継ぐことしか考えていない北白川たまこ。

誰もが高校3年生の時に経験する、周りの友人が自分よりも真剣に将来のことを考えていることに対する焦りや置いてけぼり感。
高校を卒業すれば、みんな離れ離れになる。それは淋しいけれど、目標に向かう仲間を止めることは出来ないと自分に言い聞かせつつ感じる、この淋しさの要因は自分の将来が見えていないからだという事実。

そんな時に訪れる幼馴染からの突然の告白。もち蔵の想いをどう受け止めればいいのかと悩めば悩むほど募る焦り、そしてバトンを始め何事も巧く行かず自分だけ取り残されているように感じてしまう。
まさに将来への不安と人間関係の変化を「成長」という2文字で巧くリンクさせているところが、さすが京都アニメーション。

もち蔵の気持ちをちゃんと受け止めなきゃと頭では分かっているけれど焦りだけが募るたまちゃんと、そんな幼馴染を見て告白を後悔するもっちー。
お向さんの開かない2階のカーテンに2人のもどかしさを映し出し、ミルクや砂糖を入れない苦いコーヒーに成長することのほろ苦さを味あわせる。
もう丁寧に心の機微を描いた演出がたまらなく素晴らしいこと。この混じりっ気なしの純愛ラブストーリーが可愛らしくて仕方ないこと。

しかも思い切って夏休みの短期留学に挑む史織、高所恐怖症克服のため木登りを頑張るかんな、百合の想いを捨てるため親友にもっちー転校の嘘をつくみどり、吾平の想いを「でも必ず帰って来いよ」で代弁する豆大と、たまちゃんやもっちーの成長を優しく見守ってくれる周囲の存在も忘れずにしっかりと描かれているのも嬉しいこと。

マイペースなたまちゃんも時に妹あんこちゃんに着せたセーラー服のスカーフを直す母性をのぞかせ、片思いで青春を終わらせそうな不憫なもっちーも不安で涙目になるたまちゃんをしっかりと支える。
だからこそ、ちゃんと伝えなきゃならない自分の気持ち。

東京の大学に行く前に東京の高校に転校するはずないでしょ!という普通に考えればわかる嘘も信じてしまうたまちゃんが糸電話を握りしめ向かう京都駅。
新幹線や在来線などが混在せずシンプルな構造の駅でも、焦るたまちゃんにとっては凄く広い場所に感じてしまう、物語的には最高のロケーションで迎える最高のクライマックス。

携帯電話でもない、メールでもない、直接伝えるでもない、たまちゃんともっちーだからこその糸電話で伝える「私ももち蔵、大好き」の一言。
思わずもっちー、おめでう〜!と涙ながらに拍手しちゃいそうなこのラストシーン。その後、2人はどうなったかなんて野暮なことは一切描かず、観客の想像に任せる〆方もまさに「ラブストーリー」一本勝負で挑んだ京都アニメーションの覚悟と作品に対する優しさが滲み出ていましたよ。

てな訳で次はチョイちゃんとメチャ王子の恋路かなと期待しつつ、その恋路をどう料理するかは全てデラちゃん次第なんでしょうけど、ピーチ餅やデラちゃん餅をおしり餅やおっぱい餅に見せるデブ鳥だけに、さてどうなることやら…と想像することが楽しくなるこの作品。
TVアニメ第2期の放送も楽しみになってきましたよ。

深夜らじお@の映画館はインフルエンザで学級閉鎖中の他のクラスに無断でロッカーを増やそうと企むかんなちゃんのキャラクターが一番のお気に入りです。

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 京都アニメーション原作・制作。2013年放送のアニメ「たまこまーけっと」の後日談を、テレビシリーズと同じく山田尚子(監督)×吉田玲子(脚本)×堀口悠紀子(キャラクターデザイン・総作画監督)の「けいおん!」トリオで映画化。 高校卒業を間近に控えたある日、

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