2015年01月24日

『KANO〜1931海の向こうの甲子園〜』

KANO決して諦めない。さすれば釘を打たれたパパイヤは立派な実をつける。
こんな野球映画を待っていたのです。上映時間185分が短いと感じるほど濃密な高校野球映画を待っていたのです。これぞ野球が好きな人たちが作り上げた、国境も民族も関係ない感動作。
映画館にも吹き荒れる「天下の嘉農」旋風を体感せよ!

地元で1勝もしたことのない弱小チーム・嘉儀農林野球部が鬼監督・近藤兵太郎に導かれ、第17回夏の甲子園で準優勝に輝いた史実を描き、2014年の台湾では日本観光に夏の甲子園での試合観戦まで組み込まれるほどの大ヒットを記録したこの作品。

まずこの映画が素晴らしいのは、顧問に王貞治・郭源治といった日本でも大活躍した台湾の英雄を迎えたり、台湾を世界一の親日国に導いた最大の功労者・八田與一先生をストーリーに絡ませたりすることで、「台湾代表校が勝った」ではなく「嘉儀農林が旋風を巻き起こした」作品として作り上げたことでしょう。

日本人・漢民族・原住民の混成チームでありながら、特にチームに内紛が起こることもなく、ただただ楽しく野球をしていた嘉儀農林野球部。
でも勝つ喜びを知らないチームはもちろん負けた悔しさも知らないので、いつまで経っても勝てないチームのまま。

ただ卒業、失恋、引っ越しの危機と部員たちがそれぞれ野球が出来る喜びや有難さを感じ、自分自身や大切な人のために勝ちたいと思い始めると、台南は台北に勝てないというジンクスを実力で跳ね除ける快進撃と同時に描かれる烏山頭ダムの完成が嘉儀農林をも台湾の希望の象徴へと昇華させていく。これが高校野球ファンにはたまらなく涙腺を刺激してくれること。

しかも甲子園での戦いが始まれば、後に南方戦線に送られる前にライバル校の練習場を見に行った札幌商の錠者投手にスポットを当てることで嘉義農林の精神的強さを描いたり、差別的取材をしていた記者がいつの間にか嘉儀農林贔屓になっていたりなど、試合結果ではなく試合内容で観客の心を鷲掴みにした様子もしっかりと描いてくれる。
選手役の俳優陣は全員野球経験者なので試合シーンはどれも見応えがあって感動的なうえに、『海角七号 君想う 国境の南』でもお馴染みの中孝介さんたちの主題歌も涙腺を緩めてくれる。

そして決勝戦での対戦校が中京商ということもあってか、打席に入る呉明捷投手の背中越しに観客席を見せることで「日本文理の夏はまだ終わらな〜い!」と同じ感動を呼び起こさせてくれる。銀傘から球場の形まで甲子園そっくりに作り上げたセットで日本の高校野球ファンまでもが満足する要素を全て見せてくれる。
もうこんな素晴らしい野球映画に誰が感動せずにいられましょうか。

勝者も讃えるが、敗者も讃える。決して諦めない者には最大限の賛辞を贈る。それが日本と台湾が大事にしている野球というスポーツ。

ベイブ・ルースに「広すぎる」と言わせた甲子園のフェンスに直撃打球を打ち込んだ蘇正生が記名する嬉しさ、勝つ喜びを知らぬまま卒業した先輩2人の台湾からの応援など、青春映画に定評のある台湾だからこそ、2013年WBC予選で東日本大震災の支援に対する感謝プレートにマウンドでの円陣お辞儀で応えてくれた台湾だからこそ、そして八田與一先生の功績を今もなお大切にしてくれている台湾だからこそ作り上げることの出来たこの感動作。
是非映画館で「天下の嘉農」旋風を体感してみてください!

深夜らじお@の映画館は甲子園のある兵庫県に生まれ育ったことを生涯誇りに思います。

※お知らせとお願い
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八田與一先生の功績に関してはこちらで


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2. KANO 〜1931海の向こうの甲子園〜  [ だらだら無気力ブログ! ]   2015年01月25日 23:36
上映時間185分は長過ぎ。
3. 『KANO 〜1931海の向こうの甲子園〜』 (2014)  [ 相木悟の映画評 ]   2015年01月26日 00:19
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{{{[http://eiga.com/movie/80143/ eiga.com 作品情報 『KANO 1931海の向こうの甲子園』]}}} {{{: ■解説:日本統治下の1931年、台湾代表として全国高校野球選手権に出場し、準優勝を果たした嘉義農林学校(通称:嘉農=かのう)野球部の実話を描いた台湾映画。「海角七号
17. 「KANO 〜1931 海の向こうの甲子園〜」感想  [ ポコアポコヤ 映画倉庫 ]   2015年09月21日 09:40
昔、多国籍の学生が集まる台湾の高校が、甲子園に出場していたんですね。

この記事へのコメント

1. Posted by ノラネコ   2015年01月28日 00:50
燃えましたよ。
嘉農がどこまで勝ち進んだのか知らなかったので、毎試合ハラハラドキドキ。
クライマックスの血染めの登板とか、今やったら監督クビでしょね〜。
民族の壁を越え、ただひたむきにフィールドの夢を追う。
野球映画の醍醐味でした。
2. Posted by にゃむばなな   2015年01月30日 22:46
ノラネコさんへ

ほんま、これぞ野球映画の醍醐味が満載の映画でしたね。
あの当時だからの熱い出血投球も涙腺を大いに刺激してくれましたよ。
3. Posted by YUKKO   2015年01月31日 22:55
最初から泣いてしまいました。野球好きにはたまらない。野球好きでなくても、この真摯な態度に胸打たれます。台湾の人たちありがとう!と言いたかったです。
4. Posted by にゃむばなな   2015年02月02日 23:54
YUKKOさんへ

2013年WBC予選の日本vs.台湾戦を思い出してしまうほど、この映画は感動的でしたよ。
特に高校野球好きには今年も甲子園に行きたい!と思わせるほどでしたね。
5. Posted by にいな   2015年02月03日 22:19
台湾からの愛をバシバシ感じます。彼らが日本人の功績に感謝していることは、八田興一さんを登場させたことからもわかります。

台湾も大好きですが、当時の日本と日本人
がとても素晴らしかったのだと感じます。私は本当に日本人に生まれてよかったです。良い作品を作ってくれて嬉しいです。
6. Posted by にゃむばなな   2015年02月03日 23:05
にいなさんへ

ほんま、こういう映画を見ると日本人に生まれて良かったと思いますよね。
差別的な発言をしていた記者までもが「嘉儀農林贔屓になった」と言わせてしまうのも、台湾の日本への愛を感じるシーンでしたよ。
そういうシーンが海外で作られた映画にあるというのは日本人として本当に嬉しかったですね。
7. Posted by FREE TIME   2015年02月05日 23:30
こんばんは。
3時間超の上映時間もあっという間に過ぎる程、中身の濃い作品でしたね。
特に試合のシーンは野球経験者を集めただけあって、他の野球映画では観られない迫力とか臨場感がありました。
甲子園は昔も今も球児に取って憧れに地ですね。
8. Posted by にゃむばなな   2015年02月06日 10:10
FREE TIMEさんへ

ほんと、甲子園は永遠に球児にとっての憧れの地。
そして球児の雄姿を最大限に引き出してくれる魔法の地。
今年の甲子園も楽しみになってきましたよ。
9. Posted by kajio   2015年03月17日 04:02
野球シーンに関しては、甲子園での試合実況がABCのアベロクさんだったら完璧だったと思うので、そこだけは残念でした。

10. Posted by にゃむばなな   2015年03月19日 11:35
kajioさんへ

アベロクさんで盛り上がるのはABCリスナーだけですよ!
個人的には植草さんでもよかったんですけどね。
11. Posted by latifa   2015年09月21日 10:09
にゃむばななさん、こんにちは!
そうかー、にゃむばななさんのご実家は、甲子園がある処なのですね^^
それは誇らしい^^

この映画が台湾で、それほどまでに大ヒットしたというのも、なんだか嬉しいです。
12. Posted by にゃむばなな   2015年09月22日 01:07
latifaさんへ

兵庫県はいいですよ。毎年高校野球の熱気が感じられますから。
この映画でも描かれていた高校野球ならではの感動はやっぱり甲子園で味わうのが一番ですから。

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