2015年02月26日

『きっと、星のせいじゃない。』

きっと星のせいじゃないヘイゼルとガスのokay。それはきっと、忘れてしまう言葉なんかじゃない。
何て純粋な恋の映画なんだろうか。何て爽やかな青春映画なんだろうか。そして何て可愛らしいカップルなんだろうか。
難病ヒロインのお涙頂戴モノと思っていたら大間違い。これは時間が限られた2人が織り成す恋を愛に昇華させるステキなラブストーリー。あぁ、こんな恋が羨ましいです…。

甲状腺癌の肺転移により酸素ボンベが手放せないヘイゼルが癌患者の集会で骨肉腫により右足を切断したガスと出会う。そのガスが前向きな言葉の数々でヘイゼルとの距離を縮めようとする。でも自分をいつ爆発するか分からない爆弾と卑下するヘイゼルは素直になれない。
こういう展開を聞くとヒロインが幸せを胸にしながら…という結末を予測するはず。

さらにヘイゼルの憧れの小説家ピーター・ヴァン・ホーデンに会うために慈善団体の援助「ウィッシュ」でアムステルダムへの旅行となると、当然ヒロインに待ちうけているものは病苦との戦い。それをガスが心の支えとなって小説家に会えれば、感動的な展開が待っていて…という感動シーンを期待するはず。

でもこの映画はそんな予測や期待を「いい意味で」見事に裏切ってくれます。
もちろん肺に水が溜まったばかりにヘイゼルが病院に担ぎ込まれたりするシーンはありますが、それ以上に印象に残るのはヘイゼルとガスのデートの数々。これがまぁ何とも可愛らしくて、そして羨ましくも思えるステキさに満ち溢れているんですよね。

病気のことではなくヘイゼル自身の話を聞きたいとキュートな笑顔で迫るガスに対し、ガスからの連絡をスマホ片手に常に待ち焦がれるヘイゼル。
そんなヘイゼルの憧れの小説家に会いたいという夢をユーモアを交えて叶えてくれるガスに対し、口は「ツン」でも行動は「デレ」に染まっていくヘイゼル。
風呂上がりのバスタオル一枚姿も艶やかなローラ・ダーン演じる母親も公認の2人はドレスアップしてアムステルダムの街を散策し、大人の恋と食事をステキなレストランで味わう。まるで世界が2人を祝福しているかのような時間の中で。

ただ素直になれないヘイゼルを見抜いたかのように憧れの小説家は真理を見抜く作家ならではの辛辣な言葉を並べ続ける。その言葉がヘイゼルの心に到達するのをアシストしたのは小説家のアシスタント・ルドウィグと共に訪れた家のかつての住人。ヘイゼルと同じく限られた時間を精一杯生きた少女アンネ・フランク。

忘却を恐れるのは家族も恋人も友人も信頼していないから。ではなぜ信頼出来ないのか。それは思い出として永遠に残るほど精一杯生きたという証を残せていないからだろう。そんな小説家の辛辣な言葉に隠された本音がヘイゼルを素直にさせる。ガスへのキスとして。そして世界が2人を祝福する。それがまた温かい涙を誘うこと。

しかしガスが無事に童貞を卒業した翌日からからこの映画は予想外の展開を迎えるのですが、個人的にはこれが2人の恋を愛へと昇華させる見事な展開だと思えたんですよね。
特に全身への癌転移によりヘイゼルよりも余命が短いと分かったガスが弱音を吐き始めるその隣でヘイゼルがガスを励まし、そのヘイゼルの愛にガスも前向きな言葉を取り戻すことで応える。そんな可愛いカップルをサポートしてくれる視力を失った友人アイザックと共に行ったガスの生前葬。

元彼女への復讐として生卵砲撃を提案して実行させてくれた親友のいない世界なんて例え視力を取り戻しても見たくないと言ってくれたアイザック。その言葉を涙を堪えながら聞いていたガス。そしてガスやアイザックのように来たるべき日を受け入れようとするヘイゼル。

自分が死んだら忘れ去られてしまうのが怖い。それは誰もが抱く不安。
ただ誰よりも強い想いは言葉にすれば残る。嫌いな作家に当てたメールの文章でも、視力を失った親友に語ったノロケ話でも。

ガスのことはヘイゼルが覚えている。アイザックも覚えている。ヘイゼルの両親もガスの両親も、ピーター・ヴァン・ホーデンも覚えている。
同様にヘイゼルのこともアイザックが覚えている。ヘイゼルの両親もガスの両親も、ピーター・ヴァン・ホーデンも覚えている。そしてガスの愛が詰まった言葉をメールの文章にして残したこの世界も覚えている。

きっと、難病で苦しんでいる2人だからステキに思える映画じゃない。
きっと、純粋に相手を想える2人だからステキな思えるラブストーリー。

そんな可愛いカップルの純粋な愛に涙が止まらなかったのは「きっと、歳のせいじゃない。」と35歳の独身男でも心からそう思えるステキな映画でした。

深夜らじお@の映画館もこんなステキな青春時代を過ごしたかったです…。

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この記事へのコメント

1. Posted by BROOK   2015年02月26日 12:52
病気を題材にしている作品でしたが…
シリアスな展開ではあるんだけれども、
変に暗くならず、
むしろ明るくなっていくようなストーリーだったとは良かったと思います。

ヘイゼルとガスのピュアな恋愛に、
観ているこっちまで心が洗われていくようでした。
2. Posted by にゃむばなな   2015年02月26日 22:52
BROOKさんへ

心が洗われるというのはよく分かります。
ほんま、ティーンのデートを見ていい歳のオッサンが泣いちゃいましたからね。
3. Posted by YUKKO   2015年02月26日 23:42
爽やかな映画でとっても、見た後に良かったあと思いました。こんな恋愛したかったなあ。心が綺麗になった気がします。
4. Posted by Nakaji   2015年02月27日 13:32
本当にすてきな作品でしたね。

アラフォーのオバチャンでも号泣でした(笑)

アンネ・フランクのシーン好きでした。
なんか二人をみんなが祝福するところなんてなんか好きでした。
本当にこんな恋愛に出会いたいものだと心の底から思いました。

5. Posted by かのん   2015年02月27日 21:21
難病ものでありながらもとても爽やかで清々しい青春ラブストーリーでした。誰かのために生きることの素晴らしさを教えられた気がします、同情を誘うのではなく共感を呼ぶとても素敵な映画でした。
6. Posted by にゃむばなな   2015年02月27日 22:51
YUKKOさんへ

ほんま、こんな恋愛を10代の頃にしたかったですわ。
それくらい、この映画はラブストーリーとして素晴らしいです。
7. Posted by にゃむばなな   2015年02月27日 22:53
Nakajiさんへ

この映画に泣けたのは「きっと、歳のせいじゃない」ですよね。
純粋に恋に向き合う2人の姿。
あぁ〜、本当にいいですわ〜。
8. Posted by にゃむばなな   2015年02月27日 22:56
かのんさんへ

そうそう、同情ではなく共感。
これがこの映画の素晴らしさなんでしょうね。
9. Posted by Ageha   2015年03月02日 10:06
同じような境遇(病状)だからこそ尚更分かり合えるものがあって
お互いに何をしてあげたらいいかわかってる。
悲しいことばっかじゃなくって。

悲劇に涙するんじゃなくって
前向きな明るさだとか劇中のええセリフとかに感動して泣けるってのはよかったです。
お涙頂戴のあざとさがなかったのがグッドでした。(^-^)/

>「きっと、歳のせいじゃない。」
それいただきます(^_^;)
10. Posted by ノルウェーまだ〜む   2015年03月02日 12:39
にゃむさん☆
本当にそうですね〜
壁ドンや胸キュン言葉を並べ立てる恋愛より、何倍も素敵で純粋であたたかいラブストーリーでした。
「純粋に相手を想い合える二人」だからこそですね。
綺麗な暖かい涙が止まりませんでした。
11. Posted by にゃむばなな   2015年03月02日 23:12
Agehaさんへ

そうそう、悲しくて涙するのではなく、この2人の幸せを願い涙する。
こういう涙が流せるのはいいですよね。
年齢問わず泣ける映画だと思うので、余計に我々世代には「きっと、歳のせいじゃない。」も心に響きますよ(笑)。
12. Posted by にゃむばなな   2015年03月02日 23:15
ノルウェーまだ〜むさんへ

壁ドンやってる暇があれば、この映画を見て「愛」について考えなさい!と言いたいくらい、これは見る価値が存分にある映画ですよね。
「純粋に相手を想い合える」ことの大切はこの映画を見るとよく分かりますもん。

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