2015年09月13日

『カリフォルニア・ダウン』

カリフォルニア・ダウンアメリカン・ヒロイズムは地震映画には合わない。
やはりアメリカは家族を救ってナンボの文化。そのためなら何でもアリが許されてしまう文化。
実際に多数の震災経験をしている日本人からすれば、これは映像だけがリアルで、あとは他人の迷惑などお構いなしの自己中心的な映画。それではリアルな震災体験や地震の恐怖は伝えられませんよ。

ザ・ロック様ことドウェイン・ジョンソンが演じるレスキュー隊の有能なリーダーがカリフォルニア州一帯を襲った巨大地震に立ち向かうとなれば、これは前戯のないセックスが如く、いきなり巨大地震本編に突入するのかと思いきや、OPで見せるのは谷間に引っ掛かり、いつ落ちるやも分からない女性の救出。
なるほど、まずはレスキュー隊リーダー及びチームワークの実力をお披露目となれば、それはそれでなかなか楽しめるもの。

ところが離婚調停を進める妻の恋人が大金持ちで、年頃の娘まで懐柔しようとしている設定が某映画とソックリなため、ドウェイン・ジョンソンがどうしてもリーアム・ニーソンのように見えてくると、96時間という時間制限もない救出劇を描くこの映画本編も綻びというものが徐々に見えてくること。

特に高層ビルにいた妻を助けようとするくだりから、あれ?レスキュー隊としての活躍がありませんやん!というツッコミのオンパレード。
当初はヘリの修理のために移動していたのが妻の救出優先で行き先変更。これは上司の許可を取っていたのでまだしも、その後は妻以外を誰も助けずに娘の救出に向かうって、これはレスキュー隊としてはダメでしょ!

しかも修理のことなど一切忘れ、燃料切れのため略奪密集地に不時着するのも見事に失敗する恐ろしさに加え、移動手段がなくなったのなら車を略奪だ!持ち主もぶん殴ってオサラバだ!ってそれもまた酷いこと。そこは事情を話して貸してもらうなどとか出来なかったの?

さらにその略奪した車も途中で出会った老夫婦に渡してしまうだけでなく、その老夫婦から借りたセスナで街の中心部へ行けば着陸できる場所がないという理由だけで操縦士不在のセスナを捨ててダ〜イブ!
おいおい、借りたセスナを乗り捨てるだけでなく、そのままセスナが墜落したら被害が拡大するやん!あんた、ホンマにレスキュー隊なんか?と思わせる行動がとにかく続くこと。

そして津波を高速ボートで乗り越えろ!という超人的な技を見せ付けた後は、水没しかけた街中で娘探し。困っている人のことなどはどうでもいい、俺たちは娘だけを助けたいんだ!というレスキュー隊にあるまじき個人主義で動くこの夫婦は最後の最後までムチャばかり。

ガラスが割れず、目の前で娘が溺れかかっている。ここでパワー全開!入口を塞ぐ大きな物体も押し退ける!ってそれをもっと早くやらんかい!なパパに加え、もう待っていられないわ!盗んだボートで分厚い窓ガラスを突き破るわよ!ってそれももっと早くやらんかい!なママも、本当に何をやってんだか。

そんな両親を持つ娘も娘で、危機管理能力は高いものの、避難途中に勝手に消防車から無線やらあれこれ拝借するのはアカンでしょ!これが捨てられた消防車ならまだしも、避難誘導中の隊員が近くにいるのに、アンタ何やってんの!ですもん。

ただそんな自己中心的なアメリカ人家族とは違い、やはり紳士の国からやってきたイギリス人兄弟のベンとオリーは素晴らしいこと。ジャッキが限界ならタイヤの空気を抜けばいいという適切な現場判断も素晴らしければ、左太股を負傷していたはずなのに大量に水が押し寄せればケガのことなど忘れて弟を背負って逃げようとするベンの勇敢さ。
そうか、つまり彼は自力で歩けるのに豊胸なブレイクと密着したいがために肩を貸してもらってたのね♪ヨッ、このドスケベ策士!

てな訳で地震学者のローレンス教授が調査に向かえば、そこでタイミングよく地震が起きるなど、ご都合主義も大いに目立ったこの作品。
そういえば、そのローレンス教授がいたラボは何度地震が起きても機材が倒れたり、天井が壊れたり、床に物が散乱したりしてませんでしたね。
「ここをどこだと思っているんだ?」という教授の言葉の真意はこういうことでしたか。それならば、地震予知よりもそんな建物を普及させた方が効率がいいのでは?と思ってしまったのは私だけでしょうか。

深夜らじお@の映画館は爆発物のように突然揺れる地震がアメリカ人の思う地震なのでしょうか。揺れは一瞬ではあっても波のようにやってくるものだと思うのですが。

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この記事へのコメント

1. Posted by BROOK   2015年09月13日 20:05
映像は迫力ありましたが、
結構ご都合主義の展開が気になりましたね…。

レスキュー隊員としての資質が全く無いレイでした。
ある意味、ラストで国旗がはためくので“アメリカ万歳”映画なのかもしれません。
2. Posted by にゃむばなな   2015年09月13日 23:16
BROOKさんへ

ほんと、アメリカ万歳映画ですよね。
アメリカ人にとっては宇宙人襲来も地震も結局は同じことなのでしょう。
どんな困難にも家族愛が勝るんだ!って。
地震映画はそういう風に描くものではないと思うんですけどね〜。
3. Posted by yukarin   2015年09月16日 23:29
こんばんは。
かなりツッコミどころはあるものの、迫力ある映像と次から次へとやってくる災害に圧倒されました 汗
レスキュー隊なのに家族しか助けないなんて....
こういう作品は必ず離婚や別居ばかりですね。
そこは飽きてきました。
4. Posted by にゃむばなな   2015年09月18日 23:27
yukarinさんへ

ほんま、何でみんなして離婚や別居が多いんでしょうね。
これも現代アメリカの映し鏡ってやつですかね?
5. Posted by ジョニーA   2015年10月12日 03:54
3Dの映像は迫力ありましたーー。
この惨劇が、本当にこの地球に起きる
ようなことがありませんようにと、祈
るばかりですー。
それにしても、ザ・ロック師匠はいつ
の間にか、ちゃんと俳優顔になってま
すね〜。そこに感心いたしました!!
6. Posted by にゃむばなな   2015年10月16日 00:22
ジョニーAさんへ

ほんと、あのザ・ロック様が俳優やってましたね。
昔はエジプトで筋肉だけ見せてただけだったのに…。

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