2015年09月20日

『心が叫びたがってるんだ。』

心が叫びたがってるんだ。言いたいけど言えない想い。伝えたいことを伝える勇気。
言葉は人を傷つける。言葉は人に一生のトラウマを与える。でも言葉は人を助ける。言葉は人に一生の宝を与える。
そんな言葉に傷つき、言葉に助けられた経験をした誰もが自然に涙を流してしまうミュージカル「青春の向う脛」。本当にミュージカルには奇跡が付き物ですな。

言葉を選ぶ。それは家族であれ、友人であれ、誰かを傷つけないために絶対必要なこと。
言葉を放つ。それは家族であれ、恋人であれ、誰かを守るために時として必要なこと。
でも多くの人がその必要性を普段は実感しない。心が傷つくまでは実感しない。

自分の言葉で両親が離婚した成瀬順。自分のピアノを続けたいというわがままで両親が離婚した坂上拓実。恋人が大変な時に何も出来なかった仁藤菜月。ケガで野球部の厄介者になった田崎大樹。

誰もが思春期に経験したはず。必要以上の言葉数が人を傷つけた。必要不可欠な言葉がないばかりに人を傷つけた。伝えたい想いがあるのに言葉が出てこなかった。伝えるべき想いがあるのに言葉を間違えた。

でも伝えたい想いは、言いたい想いは前に一歩踏み出す勇気と真剣に取り組む勇気があれば、どんな形であれ、伝えることは出来る。
成瀬順は物語に自分の想いを綴り、坂上拓実は選曲に自分の想いを重ね、仁藤菜月は代役に想いを託し、田崎大樹は後輩や仲間への謝罪に想いを込める。そのどれもが相当な勇気を必要とするものばかり。生半可な想いでは出来ないことばかり。

だからその強い想いが仲間を動かす。出来る範囲でいいから「ふれあい交流会」の出し物のミュージカル劇にクラス全員が協力する。「出来ないものは出来ない」が戯言であることを思春期の少年少女たちが証明していく。

何も話せず、本番当日には逃げ出した少女が、クライマックスで客席後方から「心の声」として歌に想いを乗せて体育館に現れる。
何も伝えられず、後悔ばかりしていた少女が、クライマックスまで代役として踏ん張り、最後は自らの想いを歌に乗せて舞台の上で輝く。

「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のスタッフは「言いたい想い」と「伝えたい想い」の微妙な違いを2人の少女と2人の少年で描きつつ、青春群像劇としてこの4人が勇気を持って前に一歩踏み出す姿を爽やかに見せてくれる。

その青春ならでは爽やかさは自然と涙腺を緩めてくれる。成瀬順が体育館に戻ってきたシーンは気が付いたら泣いていたという奇跡もミュージカルには付き物なのか。まるで学園祭の出し物を終えた後の学生時代に味わったやりきった感と、若者たちが無事にやり終えたと保護者としての安堵感が、あたかもダブルミュージカルのように同時に襲ってくるのは何と心地いいことか。

田崎大樹は恐らく成瀬順にはフラれるだろう。仁藤菜月はこれからもちょいちょい成瀬順に嫉妬してしまうのだろう。坂上拓実はそんな彼女の気持ちをどこまで理解するのだろうか。
そして成瀬順はこのミュージカルを終えて母親と、クラスメイトと、坂上拓実とどんな人間関係を築くのだろうか。

そんな余韻を残してくれるこのほろ苦さと爽やかさの後に妙な甘酸っぱさを感じる作品。
個人的にはもう30分ほど長ければ、もっと感動は大きかったかも…。

深夜らじお@の映画館にとって仁藤菜月のポニテ姿はドストライク級の大好物です。

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過去のトラウマから喋ることができなくなった女子高生を主人公に、ひょんなことからミュージカルに取り組むことになった高校生たちの葛藤と成長を描く青春群像劇。大ヒット・アニメ「あの花」こと「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のスタッフが贈る長編アニメー

この記事へのコメント

1. Posted by BROOK   2015年09月20日 17:13
“言葉”について、非常に丁寧に描かれていたと思います。
言えない想い、伝えたい想い…
だけど、言葉に出してしまったら、取り返しがつかなく…
高校生4人のエピソードを交えつつ、巧みに展開していました。

さすが「あの花」を作ったスタッフだけはありますね。
ほろ苦い結末だけれども、同時に心地も良かったりします。
2. Posted by にゃむばなな   2015年09月22日 01:04
BROOKさんへ

ほんと、「あの花」スタッフだけあって、思春期の悩みをうまく感動に持っていきますよね。
ただもう少し時間が長くても良かったかも。
3. Posted by ふじき78   2015年09月29日 09:48
> そのどれもが相当な勇気を必要とするものばかり。生半可な想いでは出来ないことばかり。

それと比べると発端になる先生の言葉のあの軽さはどうなんだろう。あそこは神の声扱いなのかもしれないけど。
4. Posted by にゃむばなな   2015年10月01日 16:20
ふじき78さんへ

先生が重い言葉を発してしまうと子供が委縮してしまいますからね。
あれはあれでいいと思いますよ。

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