2016年02月27日

『ヘイトフル・エイト』

ヘイトフル・エイト密室ミステリー要素ゼロ!
これぞQT要素はたくさんあって面白いのに、見終わった後の満足度が低いのはなぜか。それは8人のクセ者だけではない、この映画も嘘つきだったからだ!ということに気付いたのが映画を見終わってからだったからだ!
くぅ〜、予告編もポスターも、宣伝という宣伝は全て嘘つきじゃなイカ!

黒人賞金稼ぎのマーキス・ウォーレンが乗り合わせた馬車。O.B.が手綱を引き、女性囚人デイジー・ドメイグを鎖で繋いだ首吊り賞金稼ぎのジョン・ルース。自称新任保安官クリス・マニックスを途中で拾い、訪れた馴染の服飾店にいたのはメキシコ人ボブ、英国人で死刑執行人オズワルド・モブレー、カウボーイのジョー・ゲージ、そして老齢のサンディ・スミザーズ将軍。

『ジャンゴ 繋がれざる者』に続き西部劇を選びながらも、『イングロリアス・バスターズ』のようにチャプター仕立てにして、『レザボア・ドッグズ』のような人間関係を描くQT節は相変わらず会話劇中心の、いくら時間が経っても話がほぼ進まないという独特の魅力が満載。
ただいつもよりちょっとテンポがよろしくないかな?という不安が少々退屈へと傾きかけたのは残念なところ。

しかしミニーの服飾店へ到着し、いよいよ密室劇に突入すると、種田洋平美術監督や音楽担当エンニオ・モリコーネの仕事ぶりを堪能しつつ、65ミリフィルムで撮ったものを70ミリフィルムに焼き付けるウルトラ・パナビジョン70方式で撮影しても日本の上映館ではその効果が全く味わえないけど、ワイドスクリーンにより密室という閉塞感が消え去った映像には伏線らしい伏線もなく、どれだけ真犯人を見つけてやると意気込んでも、最後はまさかまさかの床下から9人目登場という反則技。
というか、その前に従者のO.B.は頭数にさえ入れられていないのはあまりにも淋しすぎるじゃなイカ!

さらにQT作品常連俳優を豪勢に起用している割には、その俳優陣の魅力が花開く前にみなさん退場されてしまうのも淋しいところ。特に痩せちゃったマイケル・マドセン、小物ぶりが半端なティム・ロス、存在感の薄いブルース・ダーンは、揃いも揃って殴られっぱなしにぶっ掛けられぱなしのジェニファー・ジェイソン・リーに魅力を全て持っていかれてますもん。
あとドメイグ一味15人の話があれだけ出てきたので、その中に俳優QTを期待しちゃったのも残念。前作ではあまりにも派手にやらかしてくれましたからね。

結局「密室」らしさもなければ、そもそも「ミステリー」でもない、全体的にこれまでの作品と比べてもQT監督の熱量がそんなに高くないと感じてしまったので、「タランティーノが仕掛けた」という宣伝文句も謳い過ぎと思えたのが正直な感想。『パルプ・フィクション』を見た後に『ジャッキー・ブラウン』を見て、同じ熱量を期待したことに後悔した時と似ているようにも思えたのが正直なところ。

やっぱりQTは脚本もさることながら、演出でもそのヲタク魂の熱をもっと上げてもらわないと…と期待してしまうのは贅沢なことなのかな〜。

深夜らじお@の映画館は基本的にQT作品は大好きです。

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19. ヘイトフル・エイト  [ 象のロケット ]   2016年04月01日 13:54
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この記事へのコメント

1. Posted by ノルウェーまだ〜む   2016年02月28日 00:26
にゃむばななさん☆
前半ちょっと長くてダレましたよねぇ。
もう少しコンパクトになりそうなのに…
予告編はいつも通りうそっぱちで、謎解きミステリー真犯人は誰?みたいなものとは違いますよね。
でも吹雪が去って、誰かがここを訪れたとき、現場を見た最初の人が密室ミステリーだと思うのだと感じました。
2. Posted by ジョニーA   2016年02月28日 00:33
確かに、「密室ミステリー」ではなかった
ですね。そのキャッチコピーが一番嘘つき
でした。ただ、久々のタラちゃん節(無駄
に長い台詞の応酬劇)は大いに楽しめまし
た。真相がわかってから、最初のほうの
キャプチャーが繰り返される気持ち良さ
(羅生門的展開)は健在でしたー♪
3. Posted by BROOK   2016年02月28日 06:36
「ジャンゴ」みたいな爽快感が無かったのはちょっと残念でもあり…
それに、まさか最後に床下から登場してくるのも、そこに行きつくまでに何かしらの伏線が欲しかったような気がします。

脚本は流出騒動で書き直したらしいので、
元がどういう展開だったのか、気になるところです。
4. Posted by yukarin   2016年02月28日 23:21
こんばんは。
私は結構楽しめました。
豪華俳優陣でしたが、特にジェニファー・ジェイソン・リーはすごかったですね。一番印象に残りました。
5. Posted by にゃむばなな   2016年02月28日 23:42
ノルウェーまだ〜むさんへ

出来れば、それこそ吹雪が去った後に誰かが訪れてというシーンも含めて欲しかったんですよね。
それでこそQT作品としての味が完成されるはずなのに…。
6. Posted by にゃむばなな   2016年02月28日 23:42
ジョニーAさんへ

ほんま、まさかキャッチコピーまで嘘つきだったとは…。
これもQTの戦略なんですかね〜。
7. Posted by にゃむばなな   2016年02月28日 23:43
BROOKさんへ

床下からの登場に関してはちょっとは伏線を張っていて欲しかったですよね。
あれは唐突すぎますわ。
8. Posted by にゃむばなな   2016年02月28日 23:44
yukarinさんへ

なぜ彼女がアカデミーなどで助演女優賞候補に名を連ねているかがよく分かりましたよ。
懐かしい名前も起用法で再び輝かせるのもQTらしいですわね。
9. Posted by mig   2016年03月02日 11:13
あれ?にゃむばななさんいまひとつ???
ダラダラと長い会話はタラの持ち味だし、長くも感じず魅入りましたよ♪
やっぱりねー、キャストも音楽もいいし。
逆に西部劇って言われてたから密室メインでいく作りに満足で
やっぱり今回も、見れば見るほど面白くなって行く予感です!
ってことで二回目来週観てきます♪
10. Posted by ノラネコ   2016年03月03日 23:36
あの人がいきなり出てきたときは、いったい何事ぞと思いましたよw
「そして誰もいなくなった」だと思わせておいて、あの展開ですから狙っているんでしょうね。
まあ今回に関しては、必ずしも狙い通りではなかった気がしますが。
11. Posted by にゃむばなな   2016年03月05日 23:52
migさんへ

多分QT作品なのに「密室劇」というところに期待し過ぎちゃったのが原因かと。
QT作品なんだから、そういうところに拘っちゃダメと注意しなきゃということを忘れちゃったのが悔しい限りです。
12. Posted by にゃむばなな   2016年03月05日 23:57
ノラネコさんへ

密室劇では一番やっちゃアカンことをQTは普通にやってくれましたよね。
でも彼のことですから知らずにやったのではなく、知っててやっている確信犯。
だから彼の作品は憎めないのでしょうね。

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