2016年04月25日

『アイアムアヒーロー』

アイアムアヒーロー男はいつでもヒーローになれるのだ!
実に爽快なゾンビ映画だ。日本映画独自のゾンビ映画の誕生に心躍るではないか!
説明不足は甚だしいけれど、鈴木英雄が勇気を振り絞ること一点に特化したシンプルなストーリーは実に爽快。これをグロいとか言っているようでは、ゾンビ映画の面白さは理解出来ない!

ジャパニーズホラーで培ったメイク技術、『GANTZ』などで磨き上げた佐藤信介監督のアクション演出、個性的で魅力のある俳優陣、そして『ボーイズ・オン・ザ・ラン』と同じく、男が勇気を振り絞って戦うその一瞬の格好良さに特化した花沢健吾先生の原作。

料理でいえば、食材も料理人も道具も揃っているのに、なぜ今の今まで「これぞ!」という逸品が出来てこなかったのか。それは単に「キッチン」がなかっただけ。食材も料理人も道具もその全てを活かせる「場」がなかっただけ。
つまりこの実に爽快な日本版ゾンビ映画は、ゾンビ映画の面白さを理解した方たちによって構成された「場」がしっかりとしていたからこそ完成した、これからの日本映画の明るさを証明する逸品。

世間では中身のないストーリーだの、グロい映像だの言われていますが、上記にもあるようにこの作品は「男が勇気を振り絞って戦うその一瞬の格好良さに特化」したストーリーと、「ゾンビ映画の面白さを理解している」爽快さを演出する血みどろで構成された、「まともなゾンビ映画」なんですから、これはこれでいいのです。

要は連載も獲れない、かつての栄光にしがみつくしかないダメ漫画家に代表されるような男共はみな「眠れる獅子」である。その獅子がいつ目を覚ますのかを楽しみにしながらストーリーを追う作品なんですから、そりゃクレー射撃の腕前を鈴木英雄が披露するクライマックスの爽快さはたまりませんよ。

もちろんZQNの感染ルートの説明は皆無、比呂美が赤ん坊に噛まれたから感染が遅れているという説得力も弱い以前にこちらもほぼ説明なし状態というのは本当に酷いです。
さらに「進撃の巨人」といい、「テラフォーマーズ」といい、異生物と戦う作品には必ず人間同士のいざこざを描かなあかんのか!という伊浦やサンゴの登場が長すぎるのも実に不快です。
また塚地武雄・マキタスポーツといった個性派俳優の起用法にも不満はたらたらです。

でも北海道のネズミ男こと大泉洋さんが、彼女よりもクレー射撃用銃と許可証を大事にしちゃう鈴木英雄が、助けが来ない状況に打ちひしがれる寸前の藪と比呂美を助けるために「男を見せる」くだりはやっぱり凄く格好いいんですよね。
自分は何にも役に立てないと嘆いていた男が守りたいと思う女性たちの前で銃を手にし覚悟を決めた時、つまりは男が女のために秀でた一芸を披露する時、そこに言葉はいらぬのです。

ZQNの頭が吹っ飛ぶ血飛沫は、鈴木英雄が名前の通り「ヒーロー」になっていることを証明し祝福する、ゾンビ映画ならではの約束事。
何でも出来る男前がヒーローになるのではない。一つのことしか出来ない、しかもその才能を披露する場が限られている普通の男がヒーローになる。その男の花道に必要なものはゾンビ映画ならやはり血飛沫しかないでしょう。

かつて銭形平次も舟木一夫さんに歌ってもらっていたではないですか。「男だったら一つにかける」と。

女が全員女優であるように、男も全員ヒーロー予備軍である。いつでもヒーローになろうと覚悟を決めればなれるのです。
ただ多くはその機会を得ることが出来ずに予備軍のままでいるのが世の中。だからこそ忘れ去られようとしている「男の魂」、しかと見させていただきました!

深夜らじお@の映画館は鈴木英雄もまた野茂英雄さんと同じく、親世代が村田英雄先生のファンだったのではないかと勝手に予測します。もしくは中野英雄さんファンかな?

※お知らせとお願い
【元町映画館】へ行こう!

トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. 劇場鑑賞「アイアムアヒーロー」  [ 日々“是”精進! ]   2016年04月26日 05:46
「アイアムアヒーロー」を鑑賞してきました花沢健吾の大ヒット・ゾンビ漫画を大泉洋、有村架純、長澤まさみの共演で実写映画化したパニック・アクション大作。ある日突然、謎の感染...
2. 『アイアムアヒーロー』愛すべきゾンビたち登場!  [ ジョニー暴れん坊デップの部屋 ]   2016年04月26日 10:27
{{{[http://eiga.com/movie/80485/ eiga.com 作品情報 『アイアムアヒーロー』]}}} {{{: ■解説:花沢健吾のベストセラーコミックを、大泉洋主演で実写映画化したパニックホラー。冴えない漫画家アシスタントの主人公・鈴木英雄が、謎のウィルスによって「ZQN(ゾキュン)
「アイアムアヒーロー」(R15+指定)は花沢健吾原作の漫画を映画化した作品で、正体不明の感染によりゾンビと化した人間たちが街の人たちを襲いパニックになるなか生き延びようとする ...
4. 「アイ アム ア ヒーロー」☆大泉洋と思って舐めたら危険!  [ ノルウェー暮らし・イン・原宿 ]   2016年04月29日 23:28
あー、面白かった! あー、疲れた・・・・・ あー、マジ怖かった(;´д`) うー、グロかった・・・ これってゾンビが出てくるゆる〜いコメディかと思っていたら大間違い!!!これはコメディだけどホラーだわ。 でも相当良くできていて、実に面白い!!!
5. 「アイアムアヒーロー」  [ 或る日の出来事 ]   2016年04月30日 07:06
おもしろい!
6. アイアムアヒーロー  [ 勝手に映画評 ]   2016年04月30日 08:33
謎のウイルスに感染してZQNと呼ばれるゾンビ化した人々に襲われ逃げ惑う様子を描いたパニックムービー。世界三大ファンタスティック映画祭の第48回シッチェス・カタロニア国際映画祭では観客賞及び最優秀特殊効果賞、第36回ポルト国際映画祭では観客賞及びオリエンタルエ...
7. アイアムアヒーロー  [ Akira's VOICE ]   2016年04月30日 10:16
有村架純と長澤まさみがそばにいるだけで男は強くなれる!  
8. アイアムアヒーロー  [ 映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜 ]   2016年04月30日 12:02
評価:★★★【3点】(10) 基本的に機敏なゾンビは認めたくないのだ^^;
▲美女二人。映画の命題はこの二人と引き換えに世界を失ってもいいか、という気もするのだけど、それだったら答はYESでしょう。 五つ星評価で【★★★★虐殺されるゾンビよ ...
10. アイアムアヒーロー  [ ★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★ ]   2016年05月05日 00:07
2016/04/23公開 日本 R15+ 127分監督:佐藤信介出演:大泉洋、有村架純、長澤まさみ、吉沢悠、岡田義徳、片瀬那奈、片桐仁、マキタスポーツ、塚地武雅、徳井優、風間トオル ようこそ。絶叫のZQN(ゾキュン)パニックへ。 STORY:漫画家アシスタントとしてパッとしない...
11. アイアムアヒーロー  [ 映画的・絵画的・音楽的 ]   2016年05月06日 06:30
 『アイアムアヒーロー』をTOHOシネマズ渋谷で見ました。 (1)話題のゾンビ映画(注1)ということで、映画館に行ってきました。  本作(注2)の冒頭では、TVで女子アナが「広島県で45歳の女性が土佐犬に噛まれました。重傷です」といったニュースを読み上げています。 ...
12. アイアムアヒーロー  [ だらだら無気力ブログ! ]   2016年05月10日 00:34
テレ東がアニメ放送している間は問題無いってのは笑った。
13. [映画][☆☆☆★★][2016年の映画]「アイアムアヒーロー」感想  [ 流浪の狂人ブログ〜旅路より〜 ]   2016年05月10日 21:09
 「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)にて連載中の、花沢健吾原作のコミックを、「図書館戦争シリーズ」の佐藤信介監督、「駆込み女と駆出し男」の大泉洋主演で実写映画化。感染すると凶暴な動く死体「ZQN(ゾキュン)」となる謎のウイルスが蔓延。世界中がパニック
14. 日本発、ゾンビ映画  [ 笑う社会人の生活 ]   2016年05月20日 21:34
1日のことですが、映画「アイアムヒーロー」を鑑賞しました。 漫画家アシスタントの35歳 鈴木英雄 彼の恋人が謎のウイルスに感染して襲い掛かってくる 慌てて散弾銃を手に外に飛び出すが街はZQNと呼ばれる感染者であふれていた。出会った女子高生・早狩比呂美と逃げる...
15. 『アイアムアヒーロー』  [ 時間の無駄と言わないで ]   2016年06月05日 00:52
いや〜ナメてましたわ。 こりゃ凄い。 「邦画として」ではなく、「洋画邦画問わずゾンビモノとして」衝撃的だった。 予告編の段階では全く観に行く気が起きなかったけど、なん ...
大泉洋ありきで見ています。(こんなんばっかしやな) なんで、予告のあの盛り上げ方だと、キモイけど少しは笑わせてくれるのかと思いきや 大真面目なパニックホラーでした。 有村架純ちゃんのゾンビ化があまりに都合よすぎる。(わわわわわ) あの子だけきれいなままっ.
17. アイアムアヒーロー  [ 銀幕大帝α ]   2016年11月03日 16:52
2015年 日本 127分 ホラー/サスペンス/ドラマ R15+ 劇場公開(2016/04/23) 監督: 佐藤信介 『図書館戦争 THE LAST MISSION』 原作: 花沢健吾『アイアムアヒーロー』 出演: 大泉洋:鈴木英雄 有村架純:早狩比呂美 長澤まさみ:藪/小田つぐみ 吉沢悠:伊浦
18. アイアムアヒーロー (2015)  [ のほほん便り ]   2017年05月31日 09:42
原作は、花沢健吾の同名コミック『アイアムアヒーロー』かなり、好奇心はあれど、観るのを迷い、覚悟はしてたけれど、かなり、ハードにスプラッターなホラーでした。琴線に触れたのは、今をときめく有村架純と長澤まさみが出てたことと、世界三大ファンタスティック映画祭の

この記事へのコメント

1. Posted by BROOK   2016年04月26日 05:48
海外の賞を獲得しているだけあって、面白かったです♪
ゾンビ映画が好きだというのもあるかもしれませんが…。

たしかに説明不足なのですが、原作もこんな感じで、いつのまにかZQNが増えているんですよね。
比呂美が半ZQNになるのも謎だったような気がしました。

ラストのZQNを倒しまくるシーンは爽快感抜群!
2. Posted by 氷雨@竜兄   2016年04月26日 14:30
久々に劇場に映画を観にいこうと思わせてくれる、そんな秀作でした。原作のエロイシーンはさすがにカットされてましたが、それでもさすがの映像化と言わざるを得ないですね。てっこの動きを観た時、あ!これだ!!って思いましたもん(笑)。
この勢いで花沢健吾原作の名作ルサンチマンの映像化も期待したいところですがw
3. Posted by kajio   2016年04月29日 01:46
例によって原作未見で、ゾンビ映画を観たのは『ウォーム・ボディーズ』以来で、更にその前となるといつ以来や…状態でしたが、よくできたストーリーでしたね。
説明不足と言われれば説明不足ですが、前記のウォームボディーズやクローバーフィールドよりはまだマシでしたし(爆)原作に対して忠実な映像化ならば何よりです。
個人的に一番『おぉっ!』となったのは、
漫画の現場といい食糧倉庫といい、何回も金属バットが映りながらも猟銃に拘る英雄が使わなかったのは、
弾を使いきった後にアスリートZQNを、まさかのフルスイングで撃墜する前ふりだったのか!?
となったシーンでした(笑)
4. Posted by にゃむばなな   2016年04月29日 23:04
BROOKさんへ

原作からして説明不足なんですね。設定が見切り発車だったのかも。
それでも見せ切るのはやはり作品が持つ力なんでしょうね。
5. Posted by にゃむばなな   2016年04月29日 23:05
氷雨@竜兄さんへ

ホラー映画でなら見たことのあるあのてっこの動き。
それをゾンビ映画でも使うという映画的センスがいいですね。
日本映画界の未来は明るいですよ。
6. Posted by にゃむばなな   2016年04月29日 23:10
kajioさんへ

説明不足が気になる作品とそうでない作品があれば、この作品はその2つの間に位置するものだと思いました。
そこが作品の力強さと弱さが見え隠れしているということなのかも…ですね。
7. Posted by ノルウェーまだ〜む   2016年04月29日 23:37
にゃむさん☆
立派なゾンビ映画でしたねぇ〜
顔色の悪いメイクで済ませた数多いゾンビ映画と一線を画して、真面目に取り組んだ感じがします。
パニックに説明などいらないです。
ダメ男が立派なヒーローになるその「一瞬」のために作られた映画なのですから。
8. Posted by にゃむばなな   2016年04月29日 23:39
ノルウェーまだ〜むさんへ

>パニックに説明などいらないです。
>ダメ男が立派なヒーローになるその「一瞬」のために作られた映画なのですから。

素晴らしきお言葉。感激致しました!
9. Posted by yukarin   2016年05月05日 00:11
ゾンビ映画はやはりグロくなくては!ですね。
日本映画でもここまでやれるとは思いませんでしたので気持ちよく?観させてもらいました 笑
主人公が名前だけじゃなく本物のヒーローになっていくところも良かったです。
10. Posted by にゃむばなな   2016年05月06日 00:08
yukarinさんへ

ほんと、日本映画でここまでのゾンビ映画が出来るとは思いもしませんでしたよね。
やっぱり英雄が英雄になる物語は燃えますわ!
11. Posted by Ageha   2016年07月21日 13:02
むちゃくちゃごぶさたしてました〜〜。
どもども。

同じゾンビでも有村架純と片瀬那奈の扱いが違いすぎるって思わずツッコミを入れてました。(爆)
バイオハザードは「アクション映画」で
それこそヒーローもの(あ、ヒロインだった)だから見れるのだけど、大泉洋目当てでいって、やっぱりグロかったです。・・・でもさえないオトコがヒーローになって、
自分のことを「ただのひでお」ですってのはとってもとってもかっこよかったです。(o^―^o)ニコ
12. Posted by にゃむばなな   2016年07月22日 00:47
Agehaさんへ

ごぶさたですねぇ〜。元気されてました?

やっぱり男はここ一番で輝いてこそのヒーロー。
でもそこでヒーローと胸を張らずなところが日本的でいいんですよね。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
昨日の訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

※オススメです♪※
『KANO~1931海の向こうの甲子園〜』主題歌
ぷろふぃ〜る

にゃむばなな

Twitter始めますた
nyamu_bananaをフォローしましょう
livedoor 天気
ちょいとした広告掲載